夜に銀杏を皆で踏むイベント

2015/12/26(土) 13:05:44 [短歌]

 その土曜日の早朝、エキナカの蕎麦屋で朝食を食べようとしたが、券売機の前で要領の悪い男がもたついていて、中々進まない。
 牛歩戦術かよと思う。
 仕事のために、昨晩の国会中継は見なかったが、その内外で何が行われたかは、出勤途上で見たツィッターその他によって、大体知っている。



議事堂の前の路上の銀杏を夜に皆で踏み砕いただけ
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Echika池袋の装飾

2009/04/11(土) 23:59:42 [【08-09】電線上のハクビシン]

 東京地下鉄池袋駅から、副都心線の軌道と重なる形で西口側に延びている地下道にオープンした商業施設、Echika池袋の内部は、植物的な装飾で満たされている。照明にも看板にも柱の外周にも、蔓性植物を象った飾りが、繁るかのようにそこら中にまとわりついている。ベル・エポックアールヌーヴォーか、おそらくはフランスの世紀末芸術っぽい意匠を、表面だけなぞってみたものだろう。池袋でなぜフランスなのか?
 出店している店の名称も、何だかフランス語っぽいものが多い。しまいには、有楽町線側へのショートカットの脇道をパサージュと称する始末だ。
 Echika池袋の内部はまた、女性の姿で満たされている。若い女性から中高年の女性のグループまで。植物が虫を吸引するように、擬似フランス意匠が埼玉の土着民を吸引するのだろう。



とめどなく全てに絡むその蔓の地下の光で光合成する



表情も陰翳も無き人工の地下の光で光合成する



均質と
意味と
機能と
装飾と
ビジネスばかりがただ増える街



 今の要町から千川あたりに、若い画家や文学者が集って「池袋モンパルナス」と称した時代があったと言う。遠い戦前のことである。池袋とフランス意匠に全く縁が無いわけでは無いことはわかったが、だからと言って、この現下のフランスごっこの痛々しさが中和されたわけでは全く無い。むしろ文化的な街として商業戦略を仕掛けようとする時に、わざわざ戦前にまでさかのぼって材料を探さなければならない辺りが、この街の本質的な貧困さを表している。
 それに、若く貧しい芸術家達がこの一帯に集住したのは、その当時はまだ大塚が城北の中心的な繁華街で、池袋は草深い田舎だったからではないか? それこそ、戦後における池袋のターミナル駅としての、あるいは商業地としての発展は、結局は見るべき文化的な遺産を何も遺さなかったということの証明のようなものではないか?

 ゼロ年代の池袋の街からは、西武美術館も東武美術館もとうの昔に姿を消している。



ミュージアム滅びた後の地下鉄の通路を称してモンパルナスと



 エキナカエキチカビジネスは、現在の日本においてとても効率的で有望なビジネスとされる。その要因は、徒歩で移動する人間だけを、確実かつ大量に捕捉できるという基礎条件に拠っている。そしてその基礎条件はもちろん、戦後の日本における都市部への人口集中と、発展拡大し続ける鉄道交通網というマクロな状況の上に成立している。
 その一方で、戦後の日本社会は、アメリカ的な大量消費文化を受け入れ、拡大してきた。ファストフード、ファミリーレストラン、巨大ショッピングセンター。それらはいずれも大枠において、自動車が生活の中心にあることを前提としたビジネスモデルであり、高度成長期において国策的に整備された幹線道路沿いの広大な空間を主要なフィールドとして増殖して来た。その究極的な下部構造は、もちろん石油文明である。

 今、この、世界的な経済不況において、その淵源であるアメリカの威信は決定的に失墜し、その大量消費文化もまた終焉を迎えようとしている。自動車に支えられたアメリカ的消費スタイルに対抗するモデルとして、鉄道に支えられたエキチカビジネスを措定することがもし可能だとしたら、何かとアメリカと反目しているフランスの意匠を、エキチカが身にまとうことにも、それなりの必然性や意味を強引にこじつけることも出来るかも知れない。

 しかしエキチカもまた、根本的には飽食とブランド消費の文化であることは、忘れてはならない。そして、池袋西口北側の地上では、アメリカでもフランスでもなく、記号論的な地平を破砕する実態としてのチャイナタウンの浸食が進行中であることも。



 蔓に絡め取られたかのように、人々はこの地下道において遅々として進まない。池袋のご当地B級グルメであるらしいチーズドッグの店には、長い行列が出来ていて、警備員が誘導に当たっている。メトロポリタンビルの一角にかつて店を開いて失敗した、スープストックトーキョーが再び出店している。立ち食い蕎麦屋などという気の利いたものはもちろん存在しないのは、表参道のEchikaと同様だ。
 この地下道と並行して南側に通っている有楽町線の地下道は、現在工事中のため狭められ、内装が剥き出しになっている。その殺風景で無機質な、本当に単なる通路でしかない空間を、足早に無口にただ通り過ぎる人々の足音だけが、硬く冷たく響いて来る。



 メトロってフランス語だっけ?

日暮里駅の変貌

2008/04/11(金) 05:33:04 [【07-08】雑司ヶ谷下水道水難事件]

足立区北辺の住民にとって長年の悲願であった新都市交通、
日暮里・舎人ライナーがこの三月に遂に開通し、
日暮里駅を含めたこのエリアは
大規模な開発ラッシュが巻き起こっている。

舎人ライナーの駅の周辺はずいぶんと綺麗になり
超高層マンションが二棟ばかり建設された。
ステーションガーデンタワー及び
ステーションポートタワーと言うらしい。
上層階が住居スペースで、
下層階には飲食店を中心に商店、医院などの
各種テナントが入っている。
(数年前につくばエクスプレスが開業した北千住駅周辺でも、
似たようなマンションを見た覚えがあるな。)
さらにもう一棟、ステーションプラザタワーというのが、
現在建設中である。
立地条件や設備はともかく、
ありふれ過ぎていてネーミングセンスは余り良いとは言えない。

この舎人ライナーの駅建設に伴って、
店の敷地を移動することになり、
ビルの場所が路面から二メートルばかりへこむことになったと
日暮里駅前の蕎麦屋「太宝屋」の店員は語る。

JRの駅の方も大分変化している。
山手・京浜東北・東北上越新幹線・常磐・京成本線の
各線が並走する日暮里駅は
とにかく横幅が広いのだが
その横に長い駅のホームを跨ぐコンコースが大幅に拡張され
清潔かつ美しいものになった。
しかも、しかもである。
その駅構内になんと!リブロがオープンした。
エキナカ書店である。
特に大学が近くにあるわけでも、文教都市でもないのに。

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