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関東バス 北野→荻窪駅南口

2013/08/19(月) 01:46:11 [【12-13】オレンジをアップデート]

 三鷹市の最深部、中央自動車道の高架下にある北野のバス停は、二系統のバスの始発地点となっている。一つは小田急バスの吉祥寺行き、もうひとつが今回乗る関東バス荻窪行きだ。バスターミナルという程広くも無い、駐車スペースに関東バスの車体が入ってくると、小太りの運転手が降りて来て、近くにある不衛生な公衆便所に向かう。予想はしていたがこの公衆便所はやはり、ほとんどバス会社の社員のためだけに存在しているもののようだ。周囲には他に誰も居ない。
 夏の夜を定刻通り発車したバスには、私以外の乗客は誰も乗っていない。荻窪行きなのに、バスは南東に向かって進んでいるようだ。進むに連れて、少しずつ乗客が増える。給田というバス停で左折して進路を東に向け、すぐに京王本線千歳烏山駅前に着く。北野からここまでバス停にして五つぐらいだ。存外に近い。
 私以外の乗客は全て降車し、新しい乗客が乗ってくる。
 バスはそのまま東進し、同じく京王線の蘆花公園駅に向かう。世田谷の幹線道路沿いの景観には、印象に残るものも特に無い。ただ進行方向左手に、かの有名なトマトラーメンの開祖、アイバンラーメンの看板を目撃した時は気分がやや高揚する。時間を作って、一度食べに来なければなと思う。
 再び左折して北を向いた所にある蘆花公園駅前のバス停に停車する。時間調整のため、しばらく止まっているようだ。バス停の付近では中学生か高校生かがたむろして騒いでいる。
 バス車内にある広報物を読んでみる。関東バスでは「デジポンラリー」というスタンプラリーの企画を、この夏一杯やっているという。JR東日本の「ポケモンラリー」と似たようなもので、語感も意図的に似せたものだろう。「ゆるキャラ」にも似たいじましさが感じられるが、これで果たして何人の小学生が参加してくれるだろうか。
 夜の車道を再び走り始める。世田谷区から杉並区へ何時入ったのか、区境には看板があったはずだが見逃した。今度は井の頭線の高井戸駅前の高架下で、しばらく待機する。同じ井の頭線でも、永福町近辺は高架化されておらず、駅前は所謂「開かずの踏切」なのに対して、この駅は周辺の雰囲気にもずいぶんと余裕がある感じだ。四分ほど停車した後、発進する。
 311号線、いわゆる環八を北に向かってしばらく走った後、右手の脇道に入る。乗客が増える。車窓には個人指導塾の城南コベッツ、ファミレスの華屋与兵衛。
 飛ばすバス停が多くなる。車内放送で荻窪一丁目の地名を聞いてから、荻窪駅までなかなか辿りつかない。神田川は何時どこで渡ったのだろう? OKストアの看板が見えると、杉並・中野文化圏に入ってきたなと実感できる。やや渋滞気味だ。
 終点の一つ前のバス停は東電荻窪支社前である。駅南口に、西側から滑り込む。北口と異なり、いわゆるロータリーは無い。改めて降車客を見ると、ワイシャツ姿の人間が意外に多い。
 
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国領のジョナサンの窓際にて

2012/03/26(月) 17:48:55 [【11-12】夏と愛と]

 自身がバスの乗客である時には、踏切ほどうっとおしいものは無いが、景色として上方から眺める側になるとこれが中々面白い。国領駅南側のジョナサンの、西側を向いた大きな窓からは、駅前のロータリーを出入りするタクシーとともに、大きなカーブを曲がりながら調布方向から走り来る京王線の様子が良く見える。各停以外の編成は国領には停車しないので、多くの列車はスピードを余り緩めずに駆け抜けるのだが、それでも踏切が閉まるたびに滞留していた種々様々な自動車の列が、開くと先頭から順に動きだし、しばらく時間が経過するとまた閉じて溜まるその繰り返しには箱庭観察的な愉快さがある。見ていて飽きない。
 ただ、京王線を走る車両はバリエーションがさほど多くない。特急車両の姿も平凡で、他とほとんど同じ形状をしている。華やかさや派手さが全く無い。都営新宿線車両の黄緑がたまにアクセントになっている程度だ。
 この窓から観察できる乗り物は地上走行物だけではない。時折、左上から右下に飛行機が降下していく。調布飛行場に着陸するものだろう。

 調布には飛行場がある。調布駅からは京王相模原線が分岐していて、多摩丘陵を横断して相模原市の橋本までを結んでいる。そして橋本には、中央リニア新幹線の新駅が誘致されるという。相模原線の輸送力を強化して延長し、リニア新幹線駅と飛行場を直結させてこの地域に新しい都市圏を創ることが出来たら面白いのに、という妄想がふと浮かぶ。
 第二新東京市は、三鷹ではなく調布に創っても良いのではとふと思った。この窓は西側に開いているので、方向としては調布市中心部を向いている。調布の冬の空に重くのしかかって全く動かない雲を眺めていると、しかし、調布だとブリガドーン現象に巻き込まれる恐れもあるなと考え直した。莫妄想。

 駅前のショッピングビル壁面の電光掲示板が見えるが「ココスクエアにようこそ」としか表示しない。ニュースのヘッドラインでも、株価情報でも何でも良いから、動的な情報を流してくれれば良いのに。そうすればこのファミレスのこの窓は、世界のモニターとしてより完璧なものとなっただろう。
 街を走る鉄道や自動車を俯瞰する時の、少年のようでもあり老人のようでもある愉快さと、電光掲示板上を駆け抜ける文字列を見る時に感じられる爽快さとは、少なくとも私にとっては、ほとんど変わらない性質のものである。線路上を走行する鉄道を読解や偏愛の対象にする時、人は鉄道オタクであり、掲示板上を通過していく電子文字列を美的鑑賞の対象にする時、人はメディアアートの理解者となっている。線路がスクリーンで、掲示板が交通基盤となる時間帯。車両がエクリチュール、文字はグラフィック。

 複数の動作主体(プレイヤー)が、ある時は他者に影響を及ぼしつつ、ある時は他とは無関係に、それぞれのルールに則ってそれぞれの速度で動き続ける。そんな風景をこの窓に向こうに、もうしばらくの間は見ることが出来る。この窓が一つのブラウザーで、動いているそれぞれの存在が、更新されていくタイムライン。京王線の地中化工事は今日も順調に進行している。さっきまで四羽の鴉が盛んに空中戦を戦っていたが、何時の間にか全て姿を消している。



鈍色の天へ鴉を逐う鴉

三鷹の色彩

2012/03/09(金) 01:56:36 [詩文・俳文]

 三鷹駅の北半分は武蔵野市で、南半分は三鷹市だ。
 本当に駅構内の、跨線橋の中央にその境界はある。
 北口のペーパーラックには武蔵野市の広報がセットされ、南口のペーパーラックには三鷹市の広報がセットされている。
 北口のバスロータリーからは武蔵野市のコミュニティバス「ムーバス」が発着し、南口のバスロータリーからは三鷹市シティバスが発着する。三鷹市シティバスのうち、三鷹の森ジブリ美術館直通路線の車体には、特別なデザインを施されている。
 そうしてこの駅の南口にも北口にも、平等に花屋が在る。だからおそらくいずれ来る春もまた、北口と南口との双方を全く同時に、公平に、均等に彩るのだろう。



南北を均しく花群に挟まれて黄色と青とが赤を見送る

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