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杉並アステロイドベルト

2013/12/26(木) 16:14:48 [詩文・俳文]

 杉並区の、JR中央線京王本線とに挟まれた地帯をバスで縦走すると、一度は必ず、錯雑した狭小な経路の不可思議な空間を通過する。場所によっては、妖気すら漂わせている。永福町高円寺の経路も、下高井戸から桜上水を経て浜田山を結ぶ経路も、浜田山と阿佐ヶ谷の経路も、蘆花公園から高井戸を経て荻窪を結ぶ経路も、そうであった。
 何故なのか?
 東京都西部においてあるべき公共交通の姿を考えれば、中央線京王本線との間にはもう一本、東西に走る緯線が存在してもおかしくは無かった。太陽系におけるあるべき天体の構成を考えれば、火星と木星との間にもうひとつ、惑星が存在していても不自然ではないのと同じように。
 しかし現実には、火星と木星との間には、惑星は存在しない。存在するのは、アステロイドベルト、遂に惑星になれなかった、無数の小惑星の集合体だ。それと同じように、中央線京王本線との間には、緯線は存在しない。存在するのは、中央線の重力に屈して荻窪に吸着した丸ノ内線と、環七において夭折したその支線だ。どうしてそのまま真直ぐに、西に伸びなかったのだろう。
 井の頭線は彗星のようなイレギュラーな軌道でこのエリアを通過していく。
 だから僕はこの地帯を、杉並アステロイドベルトと呼称したい。
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神奈川中央交通バス 相模原→聖蹟桜ヶ丘

2010/07/23(金) 02:03:43 [【09-10】ちぃばす麻布ルート]

 一日に数えるほどの本数しかないこのルートの最終バスが、六月のまだ明るい夕刻の、相模原駅北口のバス停に入って来る。繁華街がある駅の南口のバスロータリーでは、市内各地に向かうバスが頻繁に発着しているのに対し、米軍基地とその脇にある病院ぐらいしかない北口には二つほどのバス停しかなく、辺りは閑散としている。
 鉄条網の向こう側の、基地の緑が濃い。
 発車時間を待つ神奈川中央交通のバスを撮影していると、運転手が怪訝そうな顔をする。

 乗客は少ない。基地の広大な敷地を右手に見ながら相模原の道を走り出す。乗り降りする客も少ないのだが、帰宅時間のためか、この辺りの狭い自動車道はちょっとした渋滞を起こしていて、なかなか進んでくれない。鉄道網が発達していない土地では、すぐにこのようになってしまうのだろうか。それでも走っているうちに道にはそれなりに起伏やトンネルが現れて来る。多摩の丘陵地帯に差し掛かったのだろう。
 バス停の名前に出て来る、私には全く何の縁の無い地名を、一つとして覚えていない。自分と関係性が無い固有名詞を、人の大脳はいかに記憶し難いものかと改めて思い知る。車窓の風景にも、さほど感銘を受けたものは無い。

 このバスは京王相模原線の切通しの上を渡って、南大沢駅を経由する。清潔な人工のオレンジ色の駅前。夕暮。この辺りのニュータウンの中心的な鉄道駅だけあって、さすがにそれなりに人が乗り降りする。

 たび重なる屈曲のため、方向感覚はだいぶ前から失っている。

 里山歩きでもして来たのだろうか、ハイキングウェア姿の老夫婦が辺鄙なバス停から乗って来た。トレッキング用(?)のそれっぽい杖をそれぞれが携えている。残り少ない水筒の飲み物を分け合って飲んでいる。微笑ましい。

 位相幾何学的に考えて、いや、位相幾何学的に考えなくてもごく普通に考えれば、JR横浜線相模原駅から、京王本線聖蹟桜ヶ丘駅に到るには、少なくとも二本の鉄道と交差しなければならないことは、手元に地図が無いその時点でもわかっていた。京王相模原線と、多摩都市モノレールである。前者の南大沢はさっき通過した。多摩都市モノレールとはいつ交差するのだろう?
 その瞬間を待っていたが、ついにわからない。

 旅の後半部に入っても、幹線道路沿いの風景には、やはり特筆すべきものは何も無い。しばしば睡魔が襲ってくる。単調だ。モノレールの姿を見逃したのは、私個人の怠惰と不注意のみが原因ではない。高低差が大きいこの地域において、幹線道路網がこの経路や形状をとっていることには、地形上もしくは地理上の然るべき必然性があるのだろうが、注意力が鈍麻した疲れた小動物に過ぎない今の私には、それを認識できない。緑の量は思っていたほど多くない。どこでも見られるのと同じように、ブックオフの巨大な看板が次第に暗くなる多摩丘陵のカントリーロードに向かって厚かましく自己主張をしている。カントリーロード!! 耳をすませば……。別に何も聞こえない。夜の照明が目立ち始めた。
 市街地に入ったバスは暫くして、聖蹟桜ヶ丘駅の巨大な建物の下の、京王バスのバスターミナルに潜り込む。降車後にバス路線図を探して確認し、モノレールとの交差場所は「堰場」というバス停であったという知識だけをようやく得ることが出来る。

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