【時代劇】雨あがる

2012/02/20(月) 22:55:22 [【映画】観映グゥ評]

 晩年の黒澤が完成させながら撮影を果たせなかった脚本を、弟子の小泉堯史監督が映画化した作品。時代劇。人柄の良い剣の達人が、旅の途中にある藩の殿様に見込まれて剣術指南として仕官がかないかかったが、貧しい人々を助けるために過去に行った賭け試合が咎められ、話はなかったことになってしまう。殿様が考え直して達人を追いかける所であっけなく映画は終わる。
 大きなヤマとか、クライマックスは特に無く、淡々と話が進む。あっさりした映画。何だか『借り暮らしのアリエッティ』を思い出す。殿様役の三船史郎(敏郎の息子)は大根役者。
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【映画】シンデレラ・ストーリー

2011/05/14(土) 02:25:43 [【映画】観映グゥ評]

 シンデレラをほぼソノマンマ現代アメリカのハイスクールに当て嵌めた現代の童話。田舎町のレストラン経営者の実父が死んで、継母とその連れ子に財産を乗っ取られて召使のように使われている女の子が、仮装して参加した高校のハロウィンパーティーでメル友と恋に落ちる。メル友の正体が、実はアメフト部のエースで優等生のイケメンと判明したのは良いが、主人公は自分がシンデレラだと名乗り出ることが出来ない。(ガラスの靴の代わりに携帯を落として行くのが現代的……なのか?)結局連れ子達に正体をばらされて学校中から笑い物にされるが、最後はそのアメフト王子が試合中にコートを飛び出して主人公を迎えにいってハッピーエンド。継母は遺産横領がばれて地方検事に逮捕され、二人は無事にプリンストン大学に進学する。
 特に何の捻りも無い話。この主人公は薄幸なようだが全く不幸というわけではない。アメフト王子とは別に、常に主人公をサポートしてくれる、幼馴染の眼鏡の男の子が居る(決して恋愛対象ではない。この男の子も最後に別の恋人を見つける。)また父親の代から働いているレストランのスタッフ達も、裏で色々動いて主人公を助ける。良い話だ。
 物語的には、見るべきものも特にないが、この、アメリカのハイスクール映画に出て来る「嫌な奴」の嫌な奴振りは本当に嫌な感じでいつも感心させられる。(このポジションのキャラと言えば、古くは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のビフ・タネンを思い出す。)短時間で観客をむかつかせることに成功するこの脚本と演技のテクニックは実に素晴しい。実は演技じゃないんじゃないかと思わせるぐらいだ。
 ヒロイン役のヒラリー・ダフという人はアメリカでは有名なアイドルらしい。

【映画】ロード・トゥ・パーティション

2011/05/13(金) 01:31:00 [【映画】観映グゥ評]

 マフィアのボスに可愛がられていた子飼いの殺し屋の主人公が、仕事の現場を息子に目撃されてしまう。以前から主人公を妬んでいたボスの実の息子が、先走ってその妻と下の息子を殺害する。主人公は生き残った上の息子を連れて逃亡し、組織に復讐を試みる。マフィアのボスは逡巡しながらも、追手の殺し屋を差し向ける。
 主人公はトム・ハンクス。追手の変質者っぽい殺し屋はジュード・ロウ。時代背景は大恐慌後、1930年代のアメリカ、シカゴ近辺。設定だけみると王道のマフィア映画。年代物のクラシックカー、男性が皆来ている三つ揃えのスーツ、そして常に暗く控えめにおさえられている画面のトーン(照明担当が優れた手腕を持っているのだろう)が、その時代の雰囲気を良く映し出している。渋くてカッコイイ。まずは映像美を鑑賞する映画。
 マフィア映画ではあるが、むしろ主人公とその息子との親子劇に焦点が当てられた作劇。その、主人公と息子の間の親子関係が、主人公とその父親的存在であったマフィアのボスとの疑似親子関係と照応され、悲劇的な様相を深めている。
 アメリカ内陸部の都市を、銀行強盗をしつつ(とはいってもマフィアの隠し預金を脅し取るだけ)、クラシックカーで疾駆するところなどは、ロードムービーの趣きもある。
 

【映画】ミーン・ガールズ

2011/05/11(水) 02:44:45 [【映画】観映グゥ評]

 16歳まで家庭教師から教育を受けたアフリカ帰りの女の子が、アメリカのハイスクールに編入し、学園のアイドル的な女子グループと行動をともにする。片思いの男の子をそのグループの女王格の少女に横取りされて復讐心を抱き、陰湿な嫌がらせと権力闘争の上にその座を追い落とす。二人の権力闘争は学園全体の女子にまで波及し、無法地帯を現出した女子生徒は全員体育館に集められ、校長や他の教諭から説教を喰らって何とか平和を取り戻す。
 基本的にはアホな話。主人公の少女の陰湿な復讐計画はとてもヒロインのものとは思えない。だがそこにリアリティがある。
 この映画を見る限り、アメリカのハイスクールにも、男女問わずスクールカースト的な序列やグループ化があって、互いに互いを監視しあいつつ同調圧力を高めあっているようだ。アメリカ社会が個性を重んじるとか、日本の社会が出る杭を打つとかいう話は、アメリカを過剰に美化した人間が広めた嘘っぱちで、基本的にこの年代のガキどもがやることはどこでもそれほど変わらないものなのだとも考えられる。そして最後はカタストロフというか、破壊に至る。(ゴールディング『蝿の王』を参照。)
 アメリカが日本と異なっている点は、そのスクールカーストに現実の世界の国際問題、人種問題、民族問題が(この映画を見る限りかなり露骨に)反映されてしまっていることだ。学生食堂の座席に出来るインド人グループ、中国系グループ、その他アジア系、中南米系、そしてもちろん黒人。人類学者が指摘するように、本当に、混ざり合わないサラダボウルのような空間だ。日本の田舎のガキみたいに、スポーツ系がもてるとか、文化系はあんまりもてないが音楽をやっている奴等は必ずしもそうではないとかいう程度の稚戯、高二病のレベルではないのだ。これは、後の人格形成に影響を及ぼすよ……。
 主演のリンジー・ローハンという女優はかなりのビッチらしい。
 この校長(黒人男性)の振舞は毅然としていて立派。

【映画】スターウォーズエピソード3 シスの復讐

2011/05/09(月) 03:42:42 [【映画】観映グゥ評]

 スターウォーズ六部作の最終作。言うまでも無く制作年代は一番新しい。本作において、アナキン・スカイウォーカーがダースベイダーになるまでの経緯が明らかにされ、物語はエピソード4(つまり最初のスターウォーズ)に接続することとなる。
 血気盛んで自信家の若きジェダイであるアナキンが、次第に他のジェダイとの間に心理的な距離を感じるようになり、その隙を元老院議長パルパティーン(つまり後の銀河皇帝)によって突かれ、籠絡され、暗黒面に引きずり込まれる。その描写が、見る者を納得させる形でなされている。アナキンの置かれた、その場、その状況におけるそれぞれの判断を観客が見て、ああ、仕方がない、個々の判断はそうする以外にどうしようもなかったのかも……とある種の同情を誘うように作られている。主人公の数奇な運命を、悲劇的なものとして描くことに成功している。
 つまり本作を結末とする、スターウォーズのエピソード1~3は、青年アナキン・スカイウォーカーの青春の挫折と暗転を描く、反ビルドゥングスロマンなのである。スターウォーズ4~6が、青年ルーク・スカイウォーカーの青春(恋愛、冒険、兄的存在との葛藤、賢者との出会い、父なる敵との戦いなど)とその成長を描いた正統的ビルドゥングスロマンであるのと、明確な対象をなしている。

 物語は当然のことながら、パドメ(アナキンの妻)が双子の子供(つまり後のルークとレイア姫)を出産した後に病死し、サイボーグ化されたアナキンがダースベイダーのあの黒仮面を被る所で終わる。建設中のデススターらしき構造物をベイダーとパルパティーン皇帝が眺めるカットがラストに挿入され、エピソード4への接続感をきちんと強調している。既に完成された世界観・世界設定をきちんと尊重し、その資源をフルに活用した上で、それをより拡げ、深めることに成功している。シリーズものの映画としては模範的な作品だ。
 この接続感が与える満足感は、そうだな、ドラクエⅢをはじめてクリアした時の感じに似ているかも知れない。この世界が確実にドラクエⅠの時代にまで繋がっているあの感じ。もしくは、よりオタク的な比喩を用いれば、機動戦士ガンダムの0083に、赤眼鏡のバスク・オムが登場して、あ、これはZガンダムの前日譚なんだなと視聴者にわからせる感じ。
 
 もちろん剣劇部分、メカものの魅力も満載。個人的に気に入ったのはグリーヴァス将軍。4本腕を振り回すのがナーガっぽく(『風来のシレン』を思い出した)、また這行する時は昆虫っぽいそのギミックがカッコイイ。這行モードの時が俊足なのも良い。

 ※

 スターウォーズのエピソード4から6までが創作された時代は、現実の人類社会はまだ東西冷戦を闘っていた。日本はまだ昭和であった。これらの3作品は、かなりの程度その時代のアメリカ人の世界認識を反映している。要するにこの物語に登場する帝国とは、旧ソ連のことなのである。正確に言えば、アメリカ人及びアメリカ人と価値観を共有していた当時の西側自由主義陣営が思い描く所の、旧ソ連のイメージの投影なのである。(メカ物や制服の造形にはナチスドイツ風味がかなり入っているかも知れないが。)スターウォーズの初期三部作は、世界がまだ二元論で動いていた、もしくは動いていると信じることが出来た時代に作られたフィクションなのである。
 では、後期のスターウォーズ、エピソード1から3は? 様々な解釈が可能だろうが、このエピソード3に関して言えば、これはアメリカ国内の政局の話なのではないか? 元老院=アメリカ議会、非常時大権を与えられた元老院議長=アメリカ大統領、ジェダイ評議会=アメリカ海兵隊、もしくは海兵隊ロビイストあたり?
 精鋭部隊であるアメリカの海兵隊は強大なロビーを有し、国内政局にも多大な影響力を保持しており、陸軍や海軍出身の大統領すらしばしば手こずらせると聞いている。その政局争いがこのエピソード3には投影されているのではないか? 選ばれし特殊能力の持ち主であるジェダイ達は、任務のためにしばしば辺境の惑星に派遣されるが、その辺もなんだか海兵隊っぽい。つまりこのエピソード3は、他ならぬアメリカが悪に乗っ取られる話としても解釈可能なのである。

 細かいことを言えば、フォースの概念も前期と後期では変化しているように思う。前期、つまりルーク・スカイウォーカーの時代のフォースの力は、もっと精神論的、観念的な、当時流行のニューエイジ思想の影響を受けたような概念だった。その、アメリカ人がイメージするところの、精神世界の到達者としてジェダイは設定され、いかにもステレオタイプの東洋の神秘の体現者として、ジェダイマスターであるヨーダも登場する。(緑色の肌を持ったエイリアンとして設定されているのは、オリエンタリズムを露骨に表現するのを避けたためか?)
 ところが、エピソード1では、フォースの力の根源は血液細胞中に住む共棲生物の濃度によって規定され、ジェダイの素質もそれによって測定可能という、何とも生命科学的な説明がなされてしまうのだ。これはやっぱり、ヒトゲノム解読とか細胞メカニズム研究の進展などの、現実世界の科学的知見の進歩が、フィクションである映画のこんな部分にまで影響を与えているということなのだろうか?

【アニメ映画】銀河鉄道の夜(ますむら・別役版)

2011/05/05(木) 02:09:40 [【映画】観映グゥ評]

 80年代の高名なアニメ映画。子供の頃から何回も見ているが、そのたびに全編に漂う濃厚な死の気配に圧倒される。(私にとってのトラウマアニメ第二位か三位の位置を占める。)これでも、登場人物が猫であることによって、まだやわらげられているほうなのだろうが……。
 スタッフロールを見ると、脚本は別役実だった。今まで気づかなかった。特別協力に天退の名前がある。これも今回初めて知った。やはりどんな映画でも、見るたびにそれなりの新しい発見があるのだと思う。

 ジョバンニは薄幸な主人公だというイメージがずっとあって、それはそうなのだが、必ずしも周囲の人間関係に恵まれていないわけではない。学校の教師も放課後に暖かい言葉をかけてくれるし、母親は病身ではあるが勤労少年であるジョバンニを気遣っている。物語本編には登場しない姉も、トマトで料理を作り置きしてくれている。うざいのはザネリとその取り巻きぐらいだ。 
 むしろカムパネルラの方が、優等生としての振舞、偽善を周囲の圧力によって強制されている子供なのかも知れない。銀河鉄道に乗っている他の死者はサザンクロスで下車するのに、カムパネルラ一人だけが石炭袋に吸い込まれていくが、この石炭袋というのは虚無か犬死のシンボルではないか? どうでも良い級友のために自分を犠牲にしてしまう、一見美しくはあるが、実はそんなに意味があるとも思えない水難死。

 ブルカニロ博士は出て来ない。当然だ。

 ストーリー中に三人だけ登場する人間キャラは、あだち充キャラの目をしている。監督が杉井ギサブローだからか? ラスト以外の場面では、ジョバンニの感情表現は抑制されているが、良く見ると眼で演技をしている。そういった表現の点において、本当に優れたアニメだ。

【映画】グローリー・ロード

2011/05/04(水) 00:44:45 [【映画】観映グゥ評]

 テキサス州のマイナー大学のバスケットボールチームに招聘されたコーチが、黒人選手を積極的に登用し、周囲の差別的な圧力に屈せず、大学リーグ戦の決勝で名門チームを破って優勝する話。アメリカバスケ界を変えた実話を元にしているらしい。
 白黒テレビにはベトナム戦争らしき映像が映り、黒人学生がマルコムXの本を読んでいるシーンがあるから、公民権運動とかをやっていた時代の話なのだろう。アメリカのバスケ選手=黒人というイメージがある今からすると信じられないような話だが、当時の大学バスケ界には、黒人選手は3人までという不文律があったという。このチームに決勝で敗れた側の名門大学のコーチは、これ以降自らも黒人選手を積極的に使うようになりやはり歴史に名を残したという。
 黒人選手達の中にも、内気な者、女好きな者、ニューヨークのサウスブロンクスでスカウトされた者、元々エリートコースを歩んできた者、心臓に持病がある者などのバラエティがあって、それぞれに人間ドラマを演じてくれる。またチーム内での黒人選手と白人選手との対立を乗り越えるプロセスにもドラマがある。それなりにまとまっている映画だと思うが、日本では未公開の作品だと言う。まあ、この「差別を乗り越えて黒人がチームスポーツで頑張るモノ」には、『クール・ランニング』という圧倒的な名作が既にあり、それを超えるには至っていない。

【映画】バルジ大作戦

2011/04/30(土) 00:12:08 [【映画】観映グゥ評]

 第二次大戦の西部戦線で劣勢に追い込まれたドイツ軍が、悪天候をついて連合軍の分断と補給物資奪取、拠点都市の再占領を企図して反転攻勢を図るも失敗する話。時代考証や兵器類のディテールにこだわる軍オタから見たら不満があるかもしれないが、映画としてはこれでOK。大幅にカットされたテレビ放映版でも、だれが何をやっているかわかるように作られているのが良い。
 神速で聞えたドイツの機甲師団が、あんなに緩慢なはずはないという指摘が多いようだが、実際の戦車戦というのは想像されるよりずっとゆっくりしたものだったかも知れないと、日本を代表する軍オタである宮崎駿が書いていたので、その辺のディテールもあまり気にはならない。ただ戦車同士の車間距離は不自然に狭すぎるのではないかと感じた。
 ドイツ軍戦車部隊を率いる将校(ヘスラー大佐)がキャラ立ちしている。カッコイイ。

【映画】エア・マーシャル

2011/04/28(木) 00:43:55 [【映画】観映グゥ評]

 身分を隠して航空機に搭乗してハイジャック発生時に対応する、エア・マーシャルという航空保安官が主人公のアクション映画。知っている俳優が一人も出ていない、本物のB級映画。スティーブン・セガールあたりが主人公でも全く何の違和感もないつくり。
 ハイジャック犯は、9・11以降の時流を反映してか、やはりイスラム系。しかし犯人グループの中でも、自爆テロも辞さない強硬派と、身代金を得て高飛びを目論む実利派の二派が居て、物語の中盤で仲間割れをするのが新しいと言えば新しい。あとは美人のスチュワーデスが居たり、飛行機マニアの少年がその知識を活用したりとお約束通り。主人公には過去に軍で活躍した経歴があり、作戦を指揮する軍上層部に個人的な知人がいるのも全く定型を踏まえ過ぎている。本当にセガール映画のようだ。

【映画】イレイザー(シュワルツェネッガー)

2011/04/26(火) 23:59:09 [【映画】観映グゥ評]

 シュワルツェネッガー主演のアクション映画。今回のシュワは証人保護官。武器不正輸出の秘密を知った兵器メーカーのOLを法廷で安全に証言させるために、暗殺から守る役回り。身内の裏切りがあったり、空中戦があったり、動物園のワニ池で闘ったり、密輸現場のコンテナの上でドンパチしたりと、盛り沢山。安定感のある娯楽作品。
 シュワから守られるヒロインを演じるのは、何と、ヴァネッサ・ウィリアムズ。つまり「アグリー・ベティ」のウィルミナ。善良そうな吹き替えの声優の声が全く似合っていない。

 それは良いのだが、シュワルツェネッガーから守られる女性には、何故か有色人種の女性が多いように思う。「コマンドー」の巻きこまれ型ヒロインも黒人女性だったし、「プレデター」の女の子も中南米の混血児だ。「白人=強い=男性=守る者」、「有色人種=弱い=女性=守られる者」という一連のコード体系が、シュワが活躍していた時期のアメリカ映画界には存在していたのだろうか? もしそうだとすれば、それはそれで問題があると思うが、しかしこれ以前のハリウッドアクション映画(例えばインディ・ジョーンズシリーズ)においては、ヒーローもヒロインも白人男女が占有していたのだから、それから考えれば実は前進なのかも知れない。もちろん、時代がさらに進めば、かっこいい黒人男性のアクションヒーロー(ウィル・スミス)や、有色人種女性のアクション映画主人公(アンジェリーナ・ジョリー)なども台頭してくることになるのだが。前出のラジー賞作『キャット・ウーマン』もこの流れの中に位置づけられるかも知れない。

 つまり整理すれば、
シュワ以前:主人公=白人男性・ヒロイン=白人女性
シュワ映画:主人公=白人男性(ドイツ語なまり)・ヒロイン=白人女性+黒人その他有色人種女性もアリ
最近の映画:主人公=白人男性・白人女性・黒人男性・黒人女性・その他・ヒロイン=???
みたいな感じになる。

 アメリカ社会における究極のヒーロー、大統領が黒人であるという設定は映画やドラマの中(「24」とか)において表現され、それはやがて現実になった。では女性大統領は? フィクション上において女性のヒーローがこれだけ現れたのだから、それもやがて現実のものになりそうな気もする。一番困難なのは東洋系(日系やチャイナ系)だろう。そもそも、東洋系の男性がアメリカ映画の主人公になるのは、今でもなかなか難しいようだ。

【映画】キャットウーマン

2011/04/25(月) 23:49:16 [【映画】観映グゥ評]

 バットマンシリーズの脇役、キャットウーマンを主役にしたアクション映画。化粧品会社に勤める内気な女性デザイナーが、有害物質を含んだ化粧品を売りだそうという社長の企みを聞いてしまい殺害されるが、エジプト猫の魔力で蘇生しキャットウーマンとしての身体能力を身につける。運動神経は格段に上昇し、恋愛にも積極的になり、最後は悪の黒幕である社長夫人をやっつけてハッピーエンド。
 ラジー賞受賞作。
 作品全体の半分ぐらいが、内気な主人公が次第に積極性を獲得していくその内面描写に費やされている、冗長と言えば冗長な構成。だが都会で一人暮らしをする女性の孤独な心理を描いたものとしては、それなりに評価できないこともない。
 脇役となる登場人物達にもバックストーリーが用意されている。主人公に助言を与える考古学者の老婆には、男性中心の学界から追放されたという過去がある。また最後の敵となった社長夫人(シャロン・ストーン!)は、若いモデルの愛人に夫を寝取られ、その報復に自ら夫を殺して社を乗っ取ろうとする。これらの脇役は、物語が進むにつれて自立志向を獲得していく主人公と明確な対照をなしている。(フェミニズム批評とかジェンダー論とかに詳しい人ならば、もっとクリアに整理して議論が出来るのではないか。)ちなみに恋人は、キャットウーマンを追うイケメンの刑事という設定。何だか懐かしのキャッツ♡アイを思い出す。

 同じ放送時間で先週放映された『ポストマン』が、アメリカ男のご都合主義ファンタジーなら、本作は女性のご都合主義に合わせたファンタジーだろう。
 ご都合主義な部分も少なくないし、バトルアクションもなんだか貧弱で、ボンデージファッションマニア以外には特に見るべき部分もない映画ではあるが、ラジー賞に該当するほどのものともどうも思えない。これがラジー賞だったら、地味で内気なインテリ女性が、次第に自立心を獲得していくお話、例えば『プラダを着た悪魔』あたりの作品もみんなラジー賞になってしまうのではないか?

【映画】イーオン・フラックス

2011/04/25(月) 00:36:21 [【映画】観映グゥ評]

 未来の世界の、専制的な政治体制で管理される都市国家において、レジスタンス組織に所属する女性戦士、イーオン・フラックスが、その社会に隠された秘密を知ってしまうSFアクション。イーオンは当初、政治指導者グッドチャイルドを暗殺する指令を受けてその宮殿に侵入するが、

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【映画】ガーフィールド2

2011/04/22(金) 00:23:52 [【映画】観映グゥ評]

 アメリカ人男性に飼われている、ラザニアが大好物のふてぶてしいオレンジのデブネコ、ガーフィールドが主人公の映画第二弾。今回は、イギリスの城持ち大富豪の遺産を相続した、瓜二つの猫と入れ替わってしまうというお話。亡き城主の遺言によりその財産を相続したそっくりネコは、城主の甥に当たる男から目の敵にされて命を狙われる。荘園の動物達と、ガーフィールドと力を合わせてその甥の悪事を暴きたて、やっつけてハッピーエンド。
 前作と比べて、登場する動物のバリエーションが多い。犬、猫、鼠ぐらいだった前作から、今回は牛、馬、オウム、羊など盛りだくさんで可愛らしい。家族で安心して見られる映画。

【映画】グラマーエンジェル・危機一発

2011/04/21(木) 00:31:28 [【映画】観映グゥ評]

 「危機一発」は「一髪」の誤字ではない。実際に邦訳タイトルはこの字になっている。
 金髪のピチピチギャル(←80年代語)の捜査官達が、ハワイで麻薬組織と闘うストーリー。オバカ映画。さしたる必然性もなく、すぐに主人公達はトップレスになり、惜しげもなくその乳を見せつけてくれる。シャワーシーン、入浴シーン、ラブシーンがやたらに多い。主役のブロンドギャル三人組は、いずれも同じような髪形をしていて、ぱっと見余り見分けがつかないが、そういうところも80年代以前を感じさせる。90年代以降だったら、白人ギャル+黒人ギャル+アジアンギャルの3人でバランスを取っていた所だろう。また、敵をスティンガーらしき武器でやっつけるシーンがあるが、この武器は旧ソ連軍に対してアフガニスタンのゲリラが盛んに使用したことによってメジャーになったものであるから、こんな所も80年代テイストだ。

【映画】フォーン・ブース

2011/04/16(土) 00:18:45 [【映画】観映グゥ評]

 出来の良いサスペンス映画。口先三寸で生きているチャラ男である主人公が、いつも浮気相手に電話をかけている電話ボックスに居る所を突然正体不明のスナイパーに狙われ、釘付けにされた上で無理難題を吹きかけられる。電話ボックスの電話を通してスナイパーは主人公に様々な指示を出したり、愚弄したり説教をかましたりするのだが、その指示がとにかく陰険で意地悪で執拗。指示に逆らおうとするともちろん即座に射殺される。
 一種の不条理劇。この極めて限定された、密室的な状況設定だけで物語を進める脚本家の手腕は見事。全く見も知らぬ存在から一方的に、執拗につけ狙われるというシチュエーションは、スピルバーグのデビュー作『激突』なんかを思い出させる。エンディング前にちらりと正体を見せるこのスナイパーを演じるのは、キーファ・サザーランド。

【映画】ポストマン(ケビン・コスナー)

2011/04/14(木) 00:34:00 [【映画】観映グゥ評]

 ケビン・コスナーの監督・主演映画。長嶋一茂が出演している同タイトルの邦画があるので、混同に注意。

 核戦争その他で社会秩序が崩壊し、ホルニストと称する武装掠奪集団が跋扈するアメリカ合衆国が舞台。ホルニストから脱走した主人公が、打ち捨てられた郵便車から古い郵便物を拾い、再興した合衆国政府から派遣されたポストマンだと嘘八百を信じ込ませて孤立した集落に潜り込むことに成功する。何故だか集落の人々から彼は救世主のように扱われて崇拝され、純真な黒人少年に乗せられて郵便配達のネットワークを組織することになる。そのネットワークがホルニストに対するレジスタンス的な活動になっていき、またその渦中でご都合主義な恋愛をしたり、おきまりのラブシーンがあったりして、最後はホルニストのボスを一騎打ちで破り、英雄となった彼の銅像が立つという話。
 映えある(?)ラジー賞受賞作。確かに失笑するポイント、辻褄が合わない点、ケビン・コスナー自身のナルシシズムが不必要にダラダラと垂れ流された部分が多い。私はこの映画を何回か見ているが、そういう、基本的な部分のダメダメさに対する評価はやはり変わらない。

 ではあるが、実は個人的にはこの映画はそんなに嫌いではないし、実はそう悪くも思っていない。特に深い考えも無く出まかせを並べた最初のウソがきっかけにして、集落の人々の「外界に対する希求」「どこか遠くに対する憧憬」のようなものが喚起され、それが実体としての郵便配達ネットワークを産み出し、武装集団に対する対抗勢力になっていくまでのプロセスが、魅力的だからだ。主人公はデタラメの「合衆国議会決議」やら「大統領令」をまくしたてるのだが、それらの架空の秩序、架空の行政システムが、実体としての秩序を産み出す端緒になるという経緯。まあこの作品は基本的にダメな映画なので、その辺の描写も不十分なのだが。
 評論家・故山本七平の著作にこんな話があった。太平洋戦争中、山本は下級将校としてフィリピンのジャングルで悲惨な体験をするのだが、その孤立無縁のジャングルの中で、いつしか、こんなデマが産まれたというのだ。異国のジャングルで孤立した我々を救出しに、潜水艦部隊がやって来る。彼等と合流するために、海岸に向かって歩き出そうと。戦場における異常心理によって自然発生したそのようなデマは、もちろん実体のないもので、海岸にいったところで、もともと存在しない潜水艦とは合流など出来るはずもない。
 ポストマンが捏造した嘘八百、復興した議会決議も、新しい大統領令も、同じく何の実体もないものである。しかし実体のない潜水艦と異なり、実体のない新しい秩序は、人々の努力によって手にすることが出来る。何故ならば社会秩序は、その全ての構成員によって創られるものだからである。

【映画】ガーフィールド

2011/04/13(水) 02:07:14 [【映画】観映グゥ評]

 主人公のガーフィールドは、アメリカの郊外に住む中流の独身男性に飼われるふてぶてしいオレンジのデブネコ。そのガーフィールドがドタバタ喜劇をやったり、飼い主が連れて来た新しいペット(犬)に嫉妬したり、その犬をさらってひと儲けを企むテレビタレントをやっつけたりする話。
 伏線の張り方が上手い。ガーフィールドはCGだが、それ以外の出演動物は(多分?)リアル。その彼等が(犬、猫、鼠)が非常によく調教されている。飼い主の恋人の女性獣医が可愛い。ジェニファー・ラブ・ヒューイットという人らしい。

【映画】庭から昇ったロケット雲

2010/07/30(金) 01:03:03 [【映画】観映グゥ評]

 アメリカの田舎の牧場主の男が、自分自身でロケットを打ち上げて宇宙飛行士になるという夢を実現すべく、家族の理解を得て奮闘する。奥さんは美人で働き者でものわかりが良くて経済力がある。長男と二人の幼い娘もその父親のことを一貫して尊敬している。長男なんかはいつか実現するロケット打ち上げに備えて管制官の訓練をしているぐらいだ。
 物語の舞台である小さな田舎街の人々は、借金の督促をする銀行マン、喧嘩の仲裁をする保安官、カウンセラーの女医と、ことごとく主人公の知り合いで、ロケットプロジェクトには懐疑的な意見を述べるが、主人公自身に対しては一貫して善意と好意で接してくれる。途中で役人やFBIの妨害が入ったり、経済的に行き詰って夫婦喧嘩をしたりするが、要するに基本的には恵まれた話。
 この物語の主人公は、牧場主(カウボーイ)から宇宙飛行士になる。つまり、アメリカの白人男性が夢見る男の理想像(初代『トイ・ストーリー』にそのことは表現されている)の旧バージョンから新バージョンへの転身を遂げるのであって、まさしく良く出来たファンタジー。不必要にエロシーンが挿入されていない分だけ、島耕作よりはマシと言う程度。

【映画】踊る大捜査線themovie2 レインボーブリッジを封鎖せよ

2010/07/20(火) 00:13:00 [【映画】観映グゥ評]

 劇場版第三作の公開に合わせてテレビで放送されたもの。生きて動いているいかりや長助を久しぶりに見た。『踊る大捜査線』の主要設定のうち、「湾岸埋立地に所在する警察の出先機関」「官僚組織の中で苦闘する現場の主人公達」という要素は、明確に「機動警察パトレイバー」シリーズのパクリであるが、今回はそれに加えて何だか攻殻っぽい。

 このドラマがこれだけ支持されて続けているっていうことは、日本人の大多数はやっぱり官僚が嫌いなのだろう。実際の警察官僚はここまで無能だとは思わないが。
 むしろこれって、実はお台場フジテレビの腐敗ぶりを描いているんじゃないか? つまり織田裕二達現場の警官=番組制作現場、無能で決断力が無い警視庁幹部=フジテレビの上層部や広告代理店とか(?)という図式だ。テレビドラマを作っている人間がテレビ局を直接批判は出来ないから、警察のお話ということにしているのだろう。まあ、今回のワールドカップの放送を見ても、フジテレビの無能ぶりは際立っていたから、そう考えるととても納得が行く。

 別にレインボーブリッジが爆破されたりするわけではない。
 この事件の犯人たちは、

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【映画】沈黙の戦艦

2010/06/17(木) 00:14:15 [【映画】観映グゥ評]

テロリストにジャックされたアメリカ海軍の軍艦を、元特殊部隊のコックが奪還するアクション映画。スティーブン・セガール主演。テロリストのボスはトミー・リー・ジョーンズ。このあたりのアメリカ映画は、本当に何も考えずにお気楽に見れる。邦訳タイトルは公開当時話題を呼んでいたかわぐちかいじの漫画『沈黙の艦隊』にあやかろうとしたものだろう。さしたる必然性もないヒロインのストリッパーが、アメリカの底辺階級のショージキな欲望を体現していて微笑ましい。

【映画】レッドブル

2010/06/01(火) 01:12:32 [【映画】観映グゥ評]

 シュワルツェネッガー主演のアクション映画。
 主人公のシュワちゃんは今回は旧ソ連の警官という設定。同僚を射殺して国外逃亡した麻薬の売人を追ってシカゴにまで赴き、アメリカ人警官とコンビを組んでアクションを展開するというお話。かなり無理矢理。
 とは言っても、アクションは拳銃が中心で、あんまり派手な部分はない。オープニングの、サウナで裸で格闘するシーン(のシュワの肉体美)と、大型バスが機関車と衝突する大詰めのアクションがまあ見所と言えば見所。シュワの尻はやけにテカテカしてきれい。

【映画】アイ・アム・レジェンド

2010/04/22(木) 01:58:52 [【映画】観映グゥ評]

 抗がん剤が変異したウイルスによって人類のほとんどは死に、生き残った者も理性を失った食人族となって僅かな非感染者に夜毎襲いかかる世界。ニューヨークでただ一人、まともな人間として生き残った主人公の科学者は、愛犬とともに街をパトロールしながら世界に向けてメッセージを発信し続け、また食人族を生け捕りにしてはウイルスのワクチン開発を試みる。

 無人のニューヨークをランドクルーザーで走ったり、ゴルフの打ちっぱなしを行ったりするシーンは何だか詩的。物語の序盤だけを見るならば、一種の哲学映画、思考実験映画のようにも思える。画像作成能力においては、ハリウッドは今でも一流なのだろう。(「映画制作能力」ではないことに注意!)
 SFとしては、故藤子・Fの『みどりの守り神』や『流血鬼』を思い出させるが、創作年代はそれらの作品よりも、この映画の原作である小説の方が前になる。

 見ようによっては、この設定はアメリカ白人の内面を映しているものと解釈することも出来る。つまり、「食人族=移民とか白人以外の邪悪な文化」に、「まともな人間=いわゆる白人キリスト教文化」が侵食されて滅ぼされつつあるのはけしからんと。そのような極めて人種差別的な構図を隠蔽するために、黒人俳優であるウィル・スミスが主人公にされているのかも知れない。それにしても、アメリカの滅亡=人類の滅亡(アメリカが全世界だ)と短絡的に描写したがるハリウッド映画の中では、主人公が発したラジオを聞いてアルゼンチン

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【邦画アニメ】ベクシル 日本鎖国

2010/01/03(日) 01:10:58 [【映画】観映グゥ評]

突出したロボット技術・バイオテクノロジーで武装された21世紀後半の鎖国国家日本に、アメリカの特殊部隊員が潜入する話。実は日本は社会全体が巨大企業に既に乗っ取られ、

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【邦画】忠臣蔵外伝 四谷怪談

2010/01/02(土) 02:43:48 [【映画】観映グゥ評]

四谷怪談の田宮イエモンが、
赤穂浪士の落ちこぼれだったという設定に基づいた時代劇。
深作欣二監督作品。
大して面白くも無い。
様式美と、高岡早紀の美乳にのみ見るべきものがある。
邦画不毛不振時代の一作。
六坂直政とか、渡辺えり子とかが
実はこの時代からも少し暑苦しいが良い演技をしている。

それにしても、高岡は本当に良い乳をしている。

【映画】サラマンダー

2009/05/17(日) 00:33:47 [【映画】観映グゥ評]

炎を吐く翼竜型の怪物「サラマンダー」に文明が壊滅させられた後の世界で、
生き残った人類がそのボスのオスに闘いを挑む。
アメリカ映画。
基本的には凡作。B級アクション映画。

原則として、一匹の圧倒的に強大な怪獣を脅威として描く
日本のゴジラ映画とは違い、
種としてのサラマンダー全体が人類社会全体の脅威であるという設定を
きちんと描写しているところは、
アングロサクソン的なリアリズムを感じさせる。
雌のサラマンダー一体を倒して浮かれているイギリス人に対し、
アメリカの軍人がこの作戦で3人が犠牲になったのに喜んでいる場合かと
激怒するシーンもアングロサクソンっぽい。
つまり、娯楽映画という枠内の中でも、
絶滅戦争、皆殺し戦争に対する厳しい認識がそれなりに見て取れる。

だが取ってつけたようなヒロインが登場するのはやはりアメリカ映画。

ゴジラに代表される日本映画の怪獣が
核兵器(大量破壊兵器)
あるいはそれに類似した被害をもたらす大規模自然災害(関東大震災など)を
イメージさせるのに対し、
こちらのサラマンダーは身体こそ小さいが、機動力があり、小回りが利く。
この辺はアメリカ版のゴジラと似ている。
つまる所、アメリカ人は、複数匹で機敏に行動する敵に
脅威を感じるのだろう。

このサラマンダーは、口腔内に化学物質を分泌させてナパーム状の火炎放射を
行う能力があるという設定だが、
この空中からの火炎放射能力は、自らが行ったベトナム戦争における
ジャングル焦土化作戦からの連想か、
それとも火炎放射器や、日本の都市を空襲した際にばらまいた焼夷弾のイメージか?

【映画】イレイザー

2009/05/09(土) 00:43:36 [【映画】観映グゥ評]

軍需会社の悪事を内部告発しようとした女性証人を暗殺者から守る、
証人保護官の活躍を描いたアクション映画。
主演はシュワルツェネッガー。
別に『ターミネーター』シリーズのように、
(作品が作られた当時は最先端の)特殊な映像技術が使われているわけでもなく、
またかの名作、コマンドーのように、
突き抜けた馬鹿馬鹿しさと面白さがあるわけでもない。
つまりは大したことのない凡作。

だが裁判員制度の導入を目前に控えた今の時期に、
テレビ東京がこの作品をテレビ放映枠にもってきたことには、
何かしらの意図があるのかも知れない。

【映画】ボーン・コレクター

2009/02/23(月) 01:19:40 [【映画】観映グゥ評]

制服組の女性警察官がその判断力を見込まれて、
全身不随で入院中のベテラン刑事から
遠隔で指揮を受けながら、
姿の見えない無差別連続殺人犯を追跡する。

女性警察官はアンジェリーナ・ジョリー、
なんだか以前より色白になった気がする。
入院中の刑事は渋い黒人代表のデンゼル・ワシントン。
アンジェリーナ・ジョリーはかつて、
インディー・ジョーンズシリーズの
劣化再生産のような古代文明発掘アクション映画に出ていたが、
この映画は『羊たちの沈黙』の劣化再生産。
(安楽椅子探偵的ポジションに居るのは、
精神異常者のレクター博士ではなく
まともな黒人刑事だが。)
特筆すべき点は特に感じられない。

【映画】がんばれ!!タブチくん!!

2009/01/22(木) 06:41:23 [【映画】観映グゥ評]

いしいひさいちの同名のマンガの映画化。
オムニバス形式。
笑える。
この頃のいしいひさいちは輝いていた。

西武鉄道グループの(かつての)総帥、
堤義明をモデルにしたツツミオーナーは、
やたらに善人に描かれている。
いしいの別の4コマ漫画では、
国土是明と称して、実物に似た凶暴さを発揮しているのに。

この映画は、当時なかなかヒットしたらしいが、
「いしいひさいちの4コマが原作のオムニバス」というのは、
後年のジブリ映画「ホーホケキョ!隣の山田君」に
(特に企画段階において)影響を与えているのかも知れない。

【映画】下妻物語

2009/01/10(土) 01:40:27 [【映画】観映グゥ評]

茨城の田舎に住むヤンキー少女とゴスロリ少女の
友情を描く。
快作であり、傑作。
贅言不要。

コギャルじゃなくて、ヤンキーである所が、
いかにも田舎くさい、文化的にも周縁の北関東カルチャーを
リアルに再現している。
ジャスコがやたらに登場する所や、
劇中のパチンコ屋なども
三浦展の言う「ファスト風土化」した北関東の生活を
リアリティを持って伝える。
それでもまあ日本の若者文化、サブカルチャーには
ある種の多様性が存在することを感じさせてはくれる。

この映画で描かれるような、
互いの属する文化的なカテゴリーを超えた友情物語は確かに美しく、
見る者に爽やかなカタルシスを与えてはくれるが、
しかしそれが実際に存在しうるようなものかどうか?
現実の若者というのは、
もっと閉鎖的で他人に無関心なのではないか?

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【映画】椿三十郎(07年版)

2008/12/31(水) 07:55:46 [【映画】観映グゥ評]

黒澤映画のリメイク。
監督は森田裕光。
脚本は一字一句変えていないという。

織田雄二の三十郎はまあ許すとしても、
トヨエツの室戸は余り良くない。
トヨエツ自体は決して悪い役者ではないのだが、
今回はダメ。
軽薄に過ぎる。
ニヒルな悪人であるこの役のカッコよさを
的確に演じているとはいいがたい。
個人的には、保坂尚希あたりがやれば良かったと思うが、
いずれにしても、三船・仲代には遠く及ばないことは
言うまでもない。

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