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『寒山詩』より1

2013/08/12(月) 17:19:47 [引用▼海外]

荘子送終を説いて、
天地を棺槨と為す。
凡そ此に帰る時有り。
唯だ一番のすだれをもちいよ。
死して将に青蠅をかわんとす。
弔ふに白鶴を労せず。
餓えて首陽山につかば、
生きては廉に死しても亦楽し。

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ジェラール・ドゥヴィル夫人「なぐさめ」より

2013/07/20(土) 11:57:13 [引用▼海外]

徒に喞ち給うな霊妙なる悩みごこちを。
なべてかの幸ある人はその胸にとどろきわたる
神寂し鼓動のこえに心して耳かたむけず。
なべてかの幸ある人や、うつそみの生を知らじ。

徒に喞ち給うなかくばかり苦きをしへを。
過ぎ去りて消えゆくものをいや深く君は知らむに。……
寂しさとひたと寄り添い、かくてこそ味はい得むに
うら枯れし苑生のなかにゆふぐれの絶え入るさまを。



斎藤『近代フランス詩集』より

ロズモンド・ジェラール夫人「森の牝鹿」より

2013/07/19(金) 23:36:29 [引用▼海外]

……
花の旗かざりつくした野うばらの茂みのなかに、
ものみなを凝とみつめる金色の牡鹿のひとみ。
そして、ああ、牝鹿の姿の、たをやかさ、女らしさは、

いつもその牝鹿のままであろうとはとても思へず、
星そらの夜ともなれば、きつとあの姫君であり、
ひるまだけ、森の牝鹿になるのだと、そんな気がする。

 

斎藤『近代フランス詩集』より

ロズモンド・ジェラール夫人「しだれ柳」

2013/07/19(金) 09:05:57 [引用▼海外]

柳よ、景色のをののきよ、
ゆふべの風への服従よ、
鏡をのぞく物おもひ、
葉むらを気どる髪の毛よ。……

希望をもてと大空が
力を添える気の弱さ、
知らずに小鳥を宿す胸、
嵐に委ねた運命よ。……

涙の雨の姿して、
愁いに沈む額して、
しだれ柳よ、そなたこそ、

生の川にうつむいた
わたくしたちの面ざしの
儚い素描じゃないかしら。



斎藤『近代フランス詩集』より

ヴァレリー「海辺の墓地」より

2013/07/18(木) 20:42:24 [引用▼海外]


……
ゼノンよ、過酷なるゼノン、エレアのゼノン、
そも、なんぢ、発止とわれを射止めしや
ふるへ、飛べども、飛ばずてふ、翼ある矢もて。
音、われを生みて、矢、われを殺すなり。
ああ、太陽よ、……魂にとりて、何たる
亀の影、駿足、不動の、アキレスぞ。

否、否、……起てよ、継起する時代のなかに。
砕け、わが身、かかる思考の形態を。
飲め、わが胸よ、生れいづる風のさやぎを。
爽やかさ、海の面より立ち昇り、
われは覚めたり、……塩の香にみてる力や。
いざ、波に馳せ入りてこそ、よみがえらむ。
……




斎藤『近代フランス詩集』より

ヴァレリー「海辺の墓地」より

2013/07/15(月) 18:23:39 [引用▼海外]

……
シャベルの投げし幾杯の重量の下に、
土となり、われらが足を見分けざる、
遠つ祖ら、住み手なき髑髏のむれよ、
否みえぬ蛆虫、真の毀傷者は、
墓穴に眠る卿らに関わりあらず、
生をこそ餌となし、われらを去らぬなれ。

恐らく、愛か、おのれへの憎しみなるか、
秘かなる歯は、いとわれに近ければ
いかなる名もて呼ばふとも、これに相応はむ。
ままよ、そは、見、欲し、夢み、触るるなり。
そはわが肉をよろこべば、臥所にあるも
なほわれは、この生きものの奴隷なり。

…中略…

否、否、……起てよ、継起する時代のなかに。
砕け、わが身、かかる思考の形態を。



斎藤『近代フランス詩集』より

フランシス・ジャム『小曲』より

2013/07/11(木) 22:41:32 [引用▼海外]

わたしは今でもおぼえている、あの森かげの、あの花を。
楡の若木のうろにいたあの昆虫を。鴫一羽
パッと飛び立つそのさまがまだ目に浮かぶあの狩猟を。
とある畑で飲みほした、あの一杯の真清水を。

……

あの声とまた、あの心、あの顔と、あのくちびると。
あちらの方でも、どうかこのわたしをすつかり忘れ果て
あのふたすぢの情火から跡形ひとつ留めぬやう。

思い出はただ、春のばら、それから、夏の蜜蜂や、
草のしげみに野兎が躍ってつけた足あとや、
つまり、ふたりのあの頃と遠い何かであつてくれ。



斎藤『近代フランス詩集』より

アンリ・ド・レニエ『もてなし』より

2013/07/09(火) 13:20:11 [引用▼海外]

……

歳月は
肩に重く、そのこよなく勁きにさへ、
死せる時刻のありとある重みもて
のしかかる。
歳月は
厳しく、須臾にして鬢髪は霜、
而して儂は既にして夥しい日数を生きた。
歳月は重い。……

怪しみながら、二人とも凝と儂をみつめていた、
異るさまに想い描いていたその人が
つと起ち上がって招じ入れるのを。
見れば祖服を身につけて、額あらはに、
脳裡に描いたその人と打って変わって、
緋衣も纏わず黄金の月桂冠も戴いていない。

ジュウル・ラフォルグ「深淵の閃き」

2013/07/08(月) 17:45:13 [引用▼海外]

おれはきらめく星の中、物見櫓の上にいた。
突如、襲った眩暈。パッと閃く稲びかり。
おれは怖れと愕きにわななきながら、まざまざと
広大無辺の「宇宙」の謎の深みを透し見た。
ひとりぼつちか、何もかも。何処にいるのか、このおれは。
この塊はおれを載せ、ぐるぐる廻つてどこへ行く。
しかも――――死ぬ、死ぬ、かしまだつ、わけも解らず、ええ、畜生、
月日は去って還らず、か。停まれ。さりとて、享楽か。
何しろおれは無智蒙昧。たぶん、未来は、あそこかな、
それもわからぬ。暗闇の中にいたのが、生れ出た、
何故か。そもそも宇宙とは、どこから、どこへ。司祭とて
一介の人。誰ひとりなんにも知らぬ。現れよ、
神よ、久遠の証人よ。言え、何ゆえの生なりや。
すべて沈黙。空間は情け知らずか。待ってくれ、
星たちよ、まだ、死にたくない。頼む、おれは天才だ。
ああ取り返しのつかないような、どんなものにもなりたくない。



斎藤『近代フランス詩集』より
おそらくは同書収録作品中の最高傑作

ジュウル・ラフォルグ「死者忘却の嘆きぶし」より

2013/07/02(火) 15:55:25 [引用▼海外]


……
死んだ奴らの
 慎ましさ、
涼しい穴に
 ぐっすりと。

健啖でしたね晩餐は、
例の事件はいかがです、
いや、死産児といふ奴も
じつとしていやしませんな、

書き入れなさい、家計簿の
舞踏会費がしかじかと
続くあたりに、さりげなく、
墓の維持費と、読経代。

あなおもしろの
 人の世や、
楽しからずや、
 いかに君。

……

情け知らずに振舞われたら、
大きな月の出る晩に、
足を掴んで皆さんを
曳きずり出そうと知りませぬ。

うるさい風が
 吹き捲くる
亡者はいづこ、
 旅の空……



斎藤『近代フランス詩集』より

アルベエル・サマン「クレオパトラ」より その2

2013/07/02(火) 00:23:30 [引用▼海外]

……
狂おしく築山たかく直立てし処女なる身体、
熟したる果実さながら、恋ゆえにはちきれむとす。
裸身に、わななきふるへ、碧瑠璃の下にたたずみ、
肌ゆるくむさぼる風に、灼熱の蛇体の悶え。

褐色の双の眸は閃閃と光発ちて、
今宵、わが肉体の香に、世を挙げて匂へ、と希ふ。……
おお、夜の大気に散らふsexeのかぐろき花よ

倦怠の沙漠にありて、スフィンクス、えこそ動かね、
打ち黙す石の身ふかく浸み徹る火を覚ゆれば、
広大の無辺の荒野、その下に波立つ気色。



斎藤『近代フランス詩集』より

アルベエル・サマン「クレオパトラ」より1

2013/07/01(月) 15:37:02 [引用▼海外]

……
褥かさねて臥し沈み、絶え入るさまに洸として、
菫の色の瞼とぢ、夢みる姿、身じろがず。
秘めて語らぬ恋やみの、燃ゆる懈さ告ぐるかに、
双の乳房のもちあぐる、重き黄金の頸かざり。

塔、碑のいただきに、別れのひかり、紅淡く
影やはらかきゆふぐれの、心を奪ふ妖はしさ。
さもあらばあれ、遠方に、啾啾と啾く鰐のこえ。

女王は指もひきつりて、溢るる思ひに咽び泣き、
髪ことごとく吹く風に梳りては解きほぐす
淫りがましく、巧みなる、手こそ覚ゆれ、わななきぬ。



斎藤『近代フランス詩集』より

ボードレール「忘却の河」より

2013/06/18(火) 00:22:55 [引用▼海外]

……
君が肌の移り香の、籠りてくゆる裳かな、
嗟、その中に、痛むわが、頭を深く埋めつつ、
萎れし花をさながらに、われ、ひたぶるに嗅ぎ入らむ、
滅び失せたるわが恋の、酸味帯びたる甘き香に。

眠らんとするわが希ひ、生きんとするを凌ぐかな、
うましきことの死にまがふ熟睡のなかにひたりつつ、
銅のごと美はしく光沢照り映ゆる肉体に
われ、悔もなく、接吻を、心ゆくまで撒き散らさむ。

わが嗚咽をば和らげて跡かたもなく呑み込むに
君が臥所の深淵にまされるものの世にあらじ、
効験しるき忘却は口のほとりに住まひして、
「忘れの河」は接吻のさなかに淙と流れたり。
……



斎藤「近代フランス詩集」より

ボードレール「虚妄を愛す」より

2013/06/13(木) 00:44:33 [引用▼海外]

そも君は、妙にゆかしき味はいの秋の果実か、
はふり落つる涙の露を待ち侘ぶる凶しき甕か、
遥かなるオアシスの夢よびさます薫れる風か、
愛撫に似たる枕か、さてはまた、花盛る籠か、

われは知る、絶えて貴き秘密を蔵むることなく
しかもなほ、深き憂愁を湛へたる、眼のあるを。
珠玉なる宝石の筐、形見なき装身の牌、
おお空よ、汝にまして、奥深く、空虚の眼。

さはれこの、表面の相のみにして、足るにあらずや、
真実を避くる心に慰みを添へむためには。
抑も君が、愚かしさ、はた、情なさの、何するものぞ。
仮面、善し、虚飾、また善し、われ君が美をば拝む。



斎藤『近代フランス詩集』より

ゴーチエ「蝶」

2013/06/05(水) 01:19:32 [引用▼海外]

雪のいろの蝶のむれ
海原の上を舞ひすがふ。
白き胡蝶よ、いつの日か
われ、青空を進み得ん。

君は知れるや、たをやめよ、
黒玉の眼の、舞姫よ、
われに胡蝶の翅あらば
いづかたさして飛びゆかん。

薔薇ひとつだに口ふれで、
われ、谷わたり、森こえて、
夢の華かと綻べる
脣にこそ、絶え入らん。



斎藤磯雄『近代フランス詩集』より

ゴーチエ「ラメント」より

2013/06/04(火) 14:18:29 [引用▼海外]

ああ、絶えてわれ、またと行かじな
墓のほとりに「ゆふべ」の闇を纏ひくるころ、
聴かじな、われは、青白き鳩、
水松の枝に、かの歎かひの歌うたへるを。



斎藤磯雄『近代フランス詩集』より

ラマルチーヌ「谷間」より

2013/06/03(月) 11:20:11 [引用▼海外]

われ世にありてあまりに見、あまりに感じ、愛したり。
「忘却の河」の静けさを、われ生きながらとめ来る。
うましき郷よ、わがために、かの忘却の岸辺たれ、
今より後は忘却こそ、わが究極の幸なれば。

今し心はやすらひて、魂もまた黙しあり。
さだかにあらぬ耳もとに微けき風の運びくる
遠く離れる物の音の嫋嫋として果つるごと、
夜の杳かなるざわめきも、此処に到りて絶え入りつ。

此処よりわれは浮雲の彼方に眺む、人の世の
わが身にとりて過去の影に沈めるさまなるを。
独り、恋のみ、なほありて、たとへば夢の消え失せて
目ざめに一つ残りたる、濃き映像にさも似たり。



斎藤磯雄『近代フランス詩集』より

エズラ・パウンド「李白」

2012/04/02(月) 05:13:36 [引用▼海外]

そして李白もまた酔っぱらって死んだ。
黄河に浮かんだ
月を抱こうとしたのだ。



これも、西原前掲著による。
エズラ・パウンドの詩集、2年ぐらい前から探しているが、なかなか見つからない。

ドロシー・パーカー「履歴書」

2012/04/02(月) 01:42:40 [引用▼海外]

剃刀は痛い。
川だと濡れてしまう。
硫酸は痣になる。
薬物は痙攣をおこす。
銃は法律で禁じられている。
縄は首に負担がかかる。
ガスだと鼻につく。
それならいっそ生きたほうがまし。



これも西原、前掲著より。

カール・サンドバーグ「シャボン玉」

2012/03/30(金) 14:59:36 [引用▼海外]

ふたつのシャボン玉がたがいの球面に虹を見つけた。
そしておたがいこう言いながら消えていった。
「虹を30秒つかめただけでもシャボン玉に生まれてきた甲斐があったね。」



以下の本よりの再引用。

アメリカのライト・ヴァースアメリカのライト・ヴァース
(2010/02/01)
西原 克政

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著者の英文学者・西原氏の評言。

……ここにはライト・ヴァースのいろんな要素が凝縮されていて、アメリカのライト・ヴァースというと、まずこの作品が心に思い浮かぶ。いくつか特徴を挙げてみると、「簡潔な文体」「軽やかさ」「適切な詩の長さ」等ということになろう。なかでも、とりわけ「軽やかさ」を言いかえれば、「揮発性」ということに逢着する。皮膚にさっと触れて、一陣の涼風を感じさせたかと思うと、あっという間にいなくなってしまう消毒用アルコールの感触に似ている。上記の詩では「揮発性」の比喩を拡大解釈すれば、まさにシャボン玉はライト・ヴァース詩論の詩の「はかなさ」を表象する格好の題材であるといえる。(同書p13.)

ツヴァイク『昨日の世界』より

2011/08/24(水) 01:24:16 [引用▼海外]

 

それは奇妙な朝であった。幾百年も生命を持ち続けるにちがいない知らせを室内に投げたラジオから、私は黙って引きさがった。その知らせこそ、われわれの世界を全部変え、われわれ各個人の生活を変えるべき運命を担ったものであった。その知らせは、それを沈黙のうちに聞いたあの人々のうちの幾千人にとっての死であり、われわれのすべてにとっての悲しみであり、不幸であり、絶望であり、威嚇であり、おそらくは何年も何年も経って初めて、ひとつの創造的な意味を持つことになるべきものであった

ブレイク「忘れがたい幻想四」より3

2010/05/02(日) 00:44:34 [引用▼海外]

やがて我々は厩を見、寺院を見た、そして私は彼を聖壇に伴い、聖書を開いたのに、それは深いあなになった。その坑に天使を追い立てながら降って行くと、さまざまの猿や狒々の類がいて、みな腰を縛られ、互いにいがみあい、ひったくりあいながらも、鎖が短いのでやっと抑えつけられていた。しかし時とすると彼らが群がってきて、弱者は強者に捉えられ、いがみあいながら、くみあいを始め、それから、一つ一つ手足をもぎとって食い、遂にはかわいそうな胴ばかりにする。それからこの胴をも、いやらしい、にたにた笑いをし、舐めまわしながら、食ってしまう。またあちこちで我と我が尾の肉をうまそうに齧りとっている者を見た。悪臭が耐えがたいので我々は製粉工場へ帰った。その際私は一つの骸骨を携えていたが製粉工場で見るとそれはアリストテレスの分析論であった。

ブレイク「忘れがたい幻想四」より2

2010/04/29(木) 00:42:09 [引用▼海外]

決して意見を改めることのない人は溜まり水の如く、心の中の蛇を生み育てる。

ブレイク「忘れがたい幻想」四より

2010/04/23(金) 02:14:33 [引用▼海外]

 

次第に底なしの淵が見えるようになる、火災を起している都の煙雲のようにすさまじい。下の方遥かのかなたには太陽が煤けながら輝き始める。そのまわりには炎のすじがあり、巨大な蜘蛛が餌食を求めつつ這いまわっていた。餌食となるものは腐敗から生じた動物の最もあさましい姿で、虚空の中を飛ぶというよりも寧ろ泳ぐようにして、空中にうようよと群がり、空気がそれらで充満しているように思われた。これらは悪魔であり、虚空の軍勢とよばれている。私はいずれが私の永劫の運命であるかを天使にたずねた。彼は言った、「黒と白との蜘蛛の間」と。
 その時黒白の蜘蛛の間に火雲湧き起り、渦巻いて虚空に拡がり、下の方を闇にした、それで下の淵は闇の海の如く、怒涛の響きおそろしく蠢く。しばらくの間、下の方は何も見えず、闇の嵐が荒れるばかりであったが、ふと雲と波との間から東方を望むと、火炎の交わった血汐の滝があり、足下からあまり遠からぬ所には鱗爛爛たる大蛇がとぐろをまいて浮き沈みしているのが見えた。遂に東から三度ぐらい離れた所、波の上に火炎のような頭が現れた。徐に、黄金の岩よりなる山の背の如き、その頭がもたげられ、紅蓮の炎の如き二つの目玉があらわれると、海の波も煙雲の如くたじろぎなびいた。我々はそれがレヴイアサンの頭であることを認めた。その額には虎の額の斑のごとく、緑及び紫の条があった。やがて我等はみた、彼の口及び赤い鰓は怒涛の泡沫の上に垂れ、暗黒の海を血汐の輝きもて染め、鬼神の如きすさまじい勢いで近付き来るを。

ブレイク『(古の詩人達は万象の中に……)』より

2010/04/21(水) 00:36:49 [引用▼海外]

 

古の詩人たちは万象の中に神や守護精霊を感じ、神々を呼ぶにそれぞれの名を以てし、森、河、山、湖、市、国の属性や、詩人の霊妙多感な官能が認め得た性質を以て神々を飾った。
 なかんずく、彼等は各地の都市や国家の精神に心をひそめ、その市や国を各独特な、心の中の神のもとに置いた。
 かくて遂に宗教が組織立てられ、それを利用するものがいて、市や国からこの心の中なる神を引き離し、具象化或は抽象化することによって衆俗を帰依せしめた、ここで僧侶なるものができた、
 詩的説話から宗教の儀礼を選定しながら。
 そして最後に神々がかかる儀礼を命じたと宣言した。
 かくて人々は全ての神が人間の心の中に住むことを忘れた。

ブレイク「地獄の格言」より2

2010/04/18(日) 23:36:16 [引用▼海外]

馬鹿の非難も聞いてみると堂々たるものである。
もらって感謝するものは多くの結果を得る。
他の人々が賢かったなら我々が馬鹿と言われよう。
昆虫は卵を産むために一番美しい葉を選ぶ如く、僧侶はその呪いを一番美しい歓びにかける。
一つの小さい花を創造することも数代を要する仕事である。
最良の酒は古酒、最良の水は新鮮なるもの。
鳥には空が、魚には海が与えられる如く、軽蔑さるべき者には軽蔑を。
真理を語って理解さるれば信ぜられることはない。
十分に、それとも十二分に。



ますますニーチェっぽい。

ブレイク「地獄の格言」より1

2010/04/17(土) 00:20:45 [引用▼海外]

切られたみみずは鋤をとがめぬ。
永劫は生じては消える現象世界を愛している。
自己の翼を以て飛ぶ鳥は高くかけり過ぎるということはない。
死骸は復讐をしない。
愚者がその愚を固執すれば賢くなるであろう。
牢獄は法律の石で造られ、遊郭は宗教の煉瓦でたてられる。
婦人の裸体は神の御業である。
利己的な、微笑をたたえた馬鹿者と、不機嫌な、しかめ顔の馬鹿者とは、凡人を鞭撻する道具とされんがため、世間から賢者とされる。
常に心に思うことを言って憚らなければ、卑しい人は遠ざかる。
鷲は烏に学ばんと身を屈した時ほど時間の損失をしたことがない。

ブレイク「忘れがたい幻想」1より

2010/04/15(木) 23:41:18 [引用▼海外]

……五官の淵の表面に浮かび、現象界の上にそびえる絶壁の所に帰った時、私は大魔王が黒雲に包まれて断崖の側に佇まい、焔を以て次の句を鏤刻するのを見た。その文字は心眼のひらけた人には認められるので、かかる眼を有する人により地上においても読誦せられる。
 風を切って飛ぶ鳥の一つ一つが歓びの限りなき世界なれど、
 五官に映る形に閉ざされて汝はそを知らずや。

ブレイク「悪魔の言葉」より

2010/04/15(木) 02:22:25 [引用▼海外]

すべての聖書及び聖典は次の謬見の源となった。
1、人間は二つの真実な存在の基本をもつ、その一つは肉、他は霊。
2、力は悪で肉体から生じ、理性は善で霊のみから生ずる。
3、この力に従うと神はいつまでも人間に苦悩を課する。
しかしこれに対立する次の見方も真実である。
(1)人間は霊から分離した肉体をもたぬ、肉体とは五官によって認められる霊の部分であって、現代における霊の主要な門口である。
(2)力のみが生命であり、肉体から生ずる。理性は力の限界、あるいは埒である。
(3)力はとこしえの歓びである。



ニーチェっぽい。

ブレイク「序の歌」より

2010/04/06(火) 23:35:51 [引用▼海外]

かくして険しい道に花咲き匂い、
崖に、また墓場に
川流れ、泉わき、
されこうべに紅の土が生じると

わるがしこいやからが安逸の道をすて、
むかし険しかった道を歩み、
正しい人達をまた荒野におった。

今陰険な蝮のやからは
柔和そうに しすましているが、
正しい人達は獅子のすむ
荒野に憤る。

リントラ叫び、その焔をうっとおしい空になびかすれば、
飢えかわいた雲が海のおもてに垂れさがる。

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