スポンサーサイト

--/--/--(--) --:--:-- [スポンサー広告]

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

哲学堂の桜

2017/04/13(木) 18:59:05 [詩文・俳文]

 哲学堂下経由中野行きのバスが遅延しているのは、その屋根に積もった桜の重量の故ではない。
 花曇り。
スポンサーサイト

叡慮

2017/04/05(水) 00:29:25 [詩文・俳文]

凄い雨だ。
今年の秋を速やかに押し流さんとする天帝のご叡慮の表れのようだ。

東急プラザ銀座の八代目けいすけにて

2016/07/16(土) 01:28:59 [詩文・俳文]

 銀座線の改札口から地下通路を通って、東急プラザ銀座の地下フロアに直接入る。そのため、この新しい商業ビルの、特徴的な多角形の外観はまだ確認していない。
 今日の目的は、その地下フロアにあるラーメン屋「八代目けいすけ」だ。河豚で出汁を取るという塩ラーメン、公式では潮ラーメンと表記されている、話題の一杯を食べたい。
 地下フロアの角地に店を見つける。休日の正午前なので、行列などは特に出来ていない。食券制だ。目的のラーメンとビールを購入し、カウンター席に案内される。
 「けいすけ」の系列店は、どちらかというと学生街や大学キャンパスの付近で、良くみかけたような気がする。本郷の東大前でも、高田馬場でも食べた記憶がある。それぞれの店で、異なる個性を売りにしており、例えば、高田馬場の「けいすけ」は、海老そばというのが看板メニューだったように思う。通常のラーメン丼と比較して、やや縦長で背が高い瀟洒な外観の器で、海老で出汁を取ったというラーメンを食べたことを覚えている。
 しかし、ラーメン店の「けいすけ」の中で最も強い印象があるのは、神保町の「肉そばけいすけ」だ。


 
 日雇いの、屋外労働で生計を立てていた時代、短野さんという仕事仲間が居た。同じ手配師の下について、仕事を配分してもらうという意味においての、「仲間」であった。彼と二人で、一月の神保町の現場に入ったことがあった。ラーメンマニアの短野さんは、神保町と言えば何と言っても「肉そばけいすけ」だ、今日初めて行くのだと、早朝の集合時からはりきっていた。
 この仕事は、時間ごとに交代制なので、彼と私は、同時に休憩に入ることは出来ない。休憩時間に、勇んで「肉そばけいすけ」に向かう彼の後ろ姿を見送った。
 酷評していた。とにかく全てに、激しくダメ出しをしていた。その落胆ぶりは、重く深く、聴いている方も疲労を感じる、痛々しい性質のものであった。その批判は当日で収まらず、その後数年に渡って、彼と同じ現場に入るたびに同じ内容を繰り返し聞かされた。
 だから結局、神保町の「肉そばけいすけ」に私は行かなかった。その日も行かなかったし、今に至るまで行ったことがない。だから同店に関する判断材料を、私は持っていない。

 短野さんは、今、どこで何をしているのだろう。合コンで、ペットのトリマーの奥さんをゲットしたという短野さん。奥さんは店長職で高収入のため、いつも尻に敷かれていると愚痴っていた短野さん。
 かつては野球少年だったという短野さん。余りにも過酷な練習のために全身が筋肉痛となり、次の日の朝全く動けず、寝返りすら打てないまま布団の中で涙を流したという短野さん。スポーツ推薦で、神奈川の武相高校に進学し、甲子園を目指していたという短野さん。早稲田や慶應といった有名私大の付属高校も、ひたすら高校野球の強さだけで評価し、論評していた短野さん。一番大事な時にエラーをしてしまい、保護者会から猛攻撃を受けたという短野さん。
 休みの日は、義父の経営する会社の倉庫で働かされていた短野さん。手配師から日当をピンハネされ続け、一通のメールを残してある日突然仲間の前から姿を消した短野さん。その後、奥さんからも見放されて、家に入れて貰えず、仲間の所に一万円を借りに来た短野さん。酒が回ると、電線を盗んでクズ鉄屋に売って金を稼いだという武勇伝を、アウトロー気取りで得意気に語り始める短野さん。日雇い労働者の仲間内では、常に強い者にへつらい、弱い者をいびっていた短野さん。ペヤングソース焼きそばの容器のような長方形の輪郭に、天然パーマで黒縁眼鏡の短野さん。



 ふぐ潮ラーメンは、普通に旨い塩ラーメンであった。河豚の肉も、申し訳程度に入っていた。ただ、磯の香りは、いかにも後から取ってつけたような人工的な感触がした。
 一杯千円の価値があるかどうかは、判断を保留したい。
 春の銀座の街角に出て、東急プラザ銀座の、その話題のファサードを撮影する。良い天気だ。歩行者天国を少し歩いてみようと思う。

結果としてロングシート

2015/03/10(火) 12:54:11 [詩文・俳文]

ボックスシートを独占出来ると嬉しいが、結果としてロングシートを独占している状態にあっても、特に何ともない。

【オープンマイク】egpp-novaに参加してきました【新大久保】

2015/02/21(土) 17:35:14 [詩文・俳文]

2015年2月12日、
新大久保のライブバー「大久保水族館」にて開催された
オープンマイクイベント「egpp-nova」に参加してきました。
青条は自己紹介の後、新刊『オレンジをアップデート』より
以下の作品を朗読して来ました。

「傍観カメラ」
「もうすぐ地下化される下北沢の踏切を」
「何にも街にやって来ない」

オーナー、オーガナイザーの方々、
私の拙い朗読をご清聴頂いた皆様、
また当日私の著作をお買い上げ下さった方に
御礼を申し上げます。

イベント会場、大久保水族館のサイトは以下になります。
↓↓↓↓↓↓
http://naks.biz/suizokukan/

東小金井高架下のオンリーフリーペーパー

2015/01/12(月) 00:02:32 [詩文・俳文]

 中央線三鷹以西の高架化事業が完了し、高架線路に沿った新しい車道と遊歩道が長く一直線に整備されつつある。またそれに伴い、高架下のスペースには種種の商業施設が誘致され、開業し始めている。従来の中央線高架下のイメージを変革したいという意志なのだろうか、高級スーパー、保育園、黄緑色のシェアサイクル(レンタサイクルの進化した形態)等が今までに開設されている。
 東小金井駅の東側のブロックのオープニングイベント当日には、いかにも上級役人といった佇まいの、JR東日本の孫会社の社員達が、オレンジの腕章を着用したスーツ姿で周囲を巡回している。オシャレ系のカフェやアウトドアショップ、ベンチャー起業家のためのレンタルスペースなどが新規に営業を開始したその一隅に、「オンリーフリーペーパー」の姿を発見した。様々なジャンルのフリーペーパーを収集、配布する、一種のサブカルチャースペースである。最初は裏原宿、渋谷東側と原宿の間の、若者文化が盛んな場所に開業し、しばらくしてから渋谷のパルコ内に移転したが、この地において三度遭遇することとなった。
 JR系列の開発業者が仕切る高架下のに、どのような政治力があって潜り込んだものなのか、私には良くわからない。
 フリーペーパーとは言っても、この東小金井の店内には、ゼロ年代サブカルチャーの雰囲気は余り感じられない。店の中央に平積みにされているフリペの過半は、行政、地方自治体や企業の広報物である。そのことに違和感を感じないこともないが、それが悪いとも言えない。その種の配布文書は、手に取ると紙も印刷も良質で、費用をかけて作られたものであることがすぐにわかる。レイアウトもタイポグラフィも明るく読みやすく洗練されていて、読み物としてもフツーに面白い。
 「ののわ」(この地域一帯の高架下スペースを開発している、JR東日本の孫会社の広報物)のバックナンバーを、創刊号から全て入手する。これだけを一度に入手出来るのは滅多にない機会ですよと、その場にたまたま居た編集プロダクションの人が言う。
 一方、書棚にはいわゆる昔ながらの、個人発行のフリーペーパーも詰め込まれている。しばらくその中を調べる。知人の、古い創作物なども発見する。懐かしい。知人の中には、今でも健在で創作活動を続けている者もいれば、行方不明になってしまった者もいる。ある種のタイムカプセルのようであり、歳月の流れを感じしばし佇んでしまう。
 そしてまた、この地も中央線文化圏の一部、その延長線上に存在していることを再確認する。快速が停まらない、三線二ホームのこの小さな駅も、中野高円寺や吉祥寺から、確かに、一直線上に、存在している。
 高架線路に沿ってどこまでも、三鷹から国分寺まで一直線に続くはずの新しい遊歩道はしかし、一度完全に切断されている。東小金井武蔵境の間には、JR東日本の変電所が要塞のように蟠居しているからだ。遊歩道接続用の、土地の取得は大分以前に完了しているようだが、いつまでも工事は開始ないままオレンジのフェンスによって封鎖されたままだ。
 だから人は、一度北側に迂回して、スタジオジブリ正面の道を右折して、住宅地と団地の一角を通過しなければならない。



注:入手した「ののわ」創刊号から全ての号は、後日高円寺・みじんこ洞に寄贈した。

【お知らせ】年越詩祭2014にエントリーしています【ネット詩人】

2014/12/31(水) 15:46:35 [詩文・俳文]

ネット詩人のぼうひとさんが企画、運営されているブログ上での詩のイベント
「年越詩祭2014」に、エントリーしています。

このイベントが開催されるのは、3年ぶり9回目とのことです。
私も、以前参加しておりましたが、今回このように再開されたことを、
懐かしく、また嬉しく思います。
2014年12月30日から31日までの開催となります。

年越詩祭のブログは、こちらです。
http://toshikoshi.blog8.fc2.com/

【高円寺】みじんこ洞に『オレンジをアップデート』を置いてもらいました

2014/12/11(木) 14:20:08 [詩文・俳文]

高円寺南口を東に歩いた食事処・ミニコミ書店『みじんこ洞』に、
新刊『オレンジをアップデート』を置いてもらいました。

http://mijincodou.cart.fc2.com/

ミニコミ・フリーペーパーに関する様々な人・モノ・情報が集まるみじんこ洞さんは、
餃子と丼物がとても美味しい大衆食堂でもあります。
ミニコミ関連、サブカル関連のイベントも随時開催されてますので、
興味をもたれた方はそちらのサイトをご覧になって下さい。

http://mijincodou.jimdo.com/

ネットカフェの涙

2014/09/14(日) 20:34:33 [詩文・俳文]

夏の終わりの午前零時にネットカフェのマットレスを濡らした涙に深い意味は無い。

【オープンマイク】ミュージックパトラックに参加してきました【国分寺】

2014/08/16(土) 12:07:25 [詩文・俳文]

2014年8月15日、
国分寺のライブカフェ「ギー」にて開催されましたオープンマイクイベント
「ミュージックパトラック」に参加してきました。

2曲、あるいは2作品ずつの交代制とのことでしたので、
青条は、自身の出番ごとに、以下の作品を朗読しました。
(夏から順に、季節を巡ってみました。)


「夏と愛と」
「NTTの通風孔」

「雨降りだからブルースでも勉強しよう」
「猫より守宮」
「アートであることを止める」

「遥かに地軸の涯てま◇で氷らせ◇ ◇◇」
「鰐と冬雨」
「朝の電卓」

「桜弾幕」
「夏の夜桜」

また、余興として、私としては生まれて初めて、
ミュージシャンの方とのセッション、即興詩を試みました。
ギタリストのイケさんのテクニックに助けられました。

オーナーの方、
また私の拙いパフォーマンスをご清聴頂いた方々に、
御礼を申し上げます。


ライブカフェ・gieeのサイトは以下になります。
↓↓↓↓↓
http://giee.jp/top



3DSの鳴き声

2014/07/15(火) 08:25:30 [詩文・俳文]

 ニンテンドー3DSの充電用アダプタをコンセントに差していると、高い金属音のような音をたてる。家電製品やOA製品が放つ、いわゆるサイレントノイズとしては、かなり大きい。どういう必然性があって、またどういうメカニズムによって、あの小さいアダプタからそんな音が出るのかはわからない。うるさくて寝室には置けない。尻尾を壁に突っ込んだ、平べったい長方形の新種のネズミが深夜鳴いているようにも見える。

明日からは伸びる

2014/02/13(木) 23:12:56 [詩文・俳文]

 冬至の夜に髪を切る。

 明日からは日も伸びるし、髪も伸びる。

蝙蝠っぽい傘

2014/02/08(土) 09:28:25 [詩文・俳文]

 黒い折りたたみ傘を閉じて、骨を結束せずに壁から吊り下げると、本当に蝙蝠のように見える。

現代用語の応用知識

2014/01/19(日) 11:52:16 [詩文・俳文]

 現代国語の成績は常に良かった。最初から良かった。何の努力も必要無かった。最上位者として君臨していた。大学受験における、絶対的なストロングポイントだった。センター試験如きは、満点を取るつもりでいた。
 現代用語の基礎知識なんて、私には今更必要無い。現代用語の応用知識を、そろそろ出して欲しいところだ。

杉並アステロイドベルト

2013/12/26(木) 16:14:48 [詩文・俳文]

 杉並区の、JR中央線京王本線とに挟まれた地帯をバスで縦走すると、一度は必ず、錯雑した狭小な経路の不可思議な空間を通過する。場所によっては、妖気すら漂わせている。永福町高円寺の経路も、下高井戸から桜上水を経て浜田山を結ぶ経路も、浜田山と阿佐ヶ谷の経路も、蘆花公園から高井戸を経て荻窪を結ぶ経路も、そうであった。
 何故なのか?
 東京都西部においてあるべき公共交通の姿を考えれば、中央線京王本線との間にはもう一本、東西に走る緯線が存在してもおかしくは無かった。太陽系におけるあるべき天体の構成を考えれば、火星と木星との間にもうひとつ、惑星が存在していても不自然ではないのと同じように。
 しかし現実には、火星と木星との間には、惑星は存在しない。存在するのは、アステロイドベルト、遂に惑星になれなかった、無数の小惑星の集合体だ。それと同じように、中央線京王本線との間には、緯線は存在しない。存在するのは、中央線の重力に屈して荻窪に吸着した丸ノ内線と、環七において夭折したその支線だ。どうしてそのまま真直ぐに、西に伸びなかったのだろう。
 井の頭線は彗星のようなイレギュラーな軌道でこのエリアを通過していく。
 だから僕はこの地帯を、杉並アステロイドベルトと呼称したい。

スマホの持ち方で韓国人を見分ける

2013/12/11(水) 10:45:30 [詩文・俳文]

 スマホやガラケーを水平に持ち、顎に対して垂直に当てて通話しているのは韓国人だ、韓国で流行ったドラマにそういう場面があって皆その真似をしているのだと、東京駅の東北・上越・秋田・山形・長野新幹線の改札口において、ベテランのヨシダさんが教えてくれた。絶え間なく錯雑して流動し続ける夥しい人々の中に、そのような挙動をしている一個人を捕捉してそれを指摘したのか、それとも特に理由も無く、たまたま今思い出したから話題にしただけなのかは分からない。

ドネルケパブの平衡感覚

2013/08/30(金) 01:31:41 [詩文・俳文]

 トルコ人が経営するケパブ屋を初めて目撃したのは、ゼロ年代初頭の渋谷の西側の、どこかの一角だったと記憶する。現在は、ケパブの街と言えば秋葉原ということになっているらしい。
 トルコ人にとっては、渋谷と秋葉原との間の、文化的・記号論的・イメージ的な差異は全く意味を成さない。ただ人の集まる街だから、彼等はそこに存在している。サブカルもオタクもオタク間の世代闘争も全く関係の無い位相で、彼等はただ彼等の生活のためだけに、営々と自らの日常(ザッヘ)に仕え続けている。
 その平衡感覚を、羨ましく思う瞬間が、たまにある。
 どうでも良い小理屈を纏って理論武装をし、自らの卑小なプライドを必死で防衛している日本のサブカル/オタク青年からは、遥かなる高みに彼等はいるようにも思える。
 けれども、毎年春に池袋西口公園で行われるバングラデシュフェステバルに、トルコ関連のブースが存在しているのには、歴史的な由来があるのだろう。同じイスラムとは言っても、バングラデシュはミャンマーの隣国、すなわち東南アジアのすぐ西に位置している。一方のトルコは、EU加盟問題が議題になるヨーロッパの隣人だ。遠く隔たった二国ではあるが、バングラデシュ人は、近代トルコを生みだした政治家、ケマル・アタチュルクをこよなく尊敬しているという。

石鯛の明眸皓歯

2013/08/02(金) 01:38:05 [詩文・俳文]

 仕事帰りに、スーパーの海産物のコーナーに立ち寄った。
 その日は、少し桁数が多いだけの単純な足し算を間違えてしまうなど、どうにも頭の働きが鈍っていた。
 発泡スチロールの生簀の中に、何とも珍しいことに、石鯛がゆっくり泳いでいる。
 その白と黒との、取りたてて派手ではないが明瞭で正確なストライプを見ているだけで、次第に精神が清涼さを取り戻していく。

猿魚

2013/07/02(火) 13:34:40 [詩文・俳文]

 人魚は居るが、猿魚は居ない。
 人魚・半漁人・ウンディーネ・河童……。名称は何でも良いのだが、人間の生活圏に存在する水系・水資源を擬人化し表象するイメージとして、彼/彼女達は創造された。いずれも水棲生物と人間との合成種であり、身体の基本構造は人間の形状をしているが、あるものは下半身が、またあるものは手足の一部が魚類のものとなっている。
 しかし人間は、本来は猿から進化したもの、の筈である。
 そうである以上は、猿魚が居ても、おかしくはない。
 しかしながら、管見する所、どの文化圏の民俗世界もそのような生物を想像しえない。何故ならば、当然のことではあるが、人間の世界認識は人間を中心に構成されているからである。
 現代のキャタクターデザイナーも、今のところ猿魚なるものを発想していないようである。
 誰か創ってみても良いのではないか?

【オープンマイク】Sherpavol.17に参加して来ました【ご報告】

2013/05/07(火) 10:13:41 [詩文・俳文]

江古田のPoem&Galleryカフェ「中庭ノ空」さんで開催された朗読会、
シェルパVol.17(13・5・5)に参加して来ました。
(私がこのイベントに参加するのは、ほぼ2年ぶりです。)
「福島の向日葵に捧げる歌」を朗読して来ました。

主催者の佐藤銀猫様、同店オーナーの五十嵐倫子様、
また当日私の拙い発表を聞いて下さった全ての方に、この場から御礼を申し上げます。

 中庭ノ空さんのサイトは以下になります。
 http://nakaniwanosora.web.fc2.com/
 
 同じくブログは↓↓↓です。
 http://nakaniwanosora.blog137.fc2.com/

睡魔の魔

2012/11/08(木) 14:27:56 [詩文・俳文]

 睡魔を捕獲したい。
 睡魔を所有したい。
 睡魔を操縦したい。



 「魔」と名付けられた存在は何であれ、撃退、封印、もしくは再教育が可能であるという先入観が私にはある。
 ドラクエとファイファンと黄金期ジャンプ漫画によって育った私の中には、抜き難く存在している。

 「魔」という漢字は、小学四年の時から書けた。

苦しい夏

2012/11/06(火) 23:24:16 [詩文・俳文]

 ほとんど雨が降らなかった今年の夏の間、私は自分の心の嵐を必死で押し殺していた。

 台風が来る季節には、私の心は死んでいた。

滝が本当に隠しているのは

2012/07/26(木) 21:58:08 [詩文・俳文]

 滝が本当に隠しているのは、その背後の岩盤などではなく、その滝壺に居るのか居ないのか良く分からない龍などでもなく、その上流の、真の水源なのだ。

バナナ共和国の戦場

2012/04/06(金) 06:18:05 [詩文・俳文]

 スーパーの一角でデルモンテの五房のバナナが売られている。そのすぐ脇で、中年女性がドールの二房の巨大なバナナを配っている。デルモンテのフツーのバナナを買った人全てに、ドールの新品種である巨大バナナを無料で進呈しているのだという。
 こんなどうでもいい街のどこにでもあるようなスーパーが、食糧メジャー同士の仁義なき戦いの最前線なのである。その戦争を戦う兵隊は、エスピー研だかテンプスタッフだか、どこに所属しているのかはわからないがおそらくは傭兵で、派遣労働者としての彼女は長期不況下日本の深刻な雇用情勢という別の戦場でも戦っている。
 得な話なので、普段は余り買わないバナナを買って、無料バナナも貰って帰った。本当に飛ぶように売れていた。駅からさらに離れた別のスーパーに立ち寄ったら、この三月一杯で閉店するという貼紙が貼られていた。

冬の教訓

2012/04/03(火) 00:28:42 [詩文・俳文]

 この冬は、屋外でひたすら寒風に晒される仕事を、幾つもの街で経験した。
 悪質な風邪も何回かひいた。
 就寝前に髪を乾かすことの重要性、それが風邪の予防になることを知った。
 マスクは風邪の予防だけではなく、防寒具として有効であることも知った。
 ブリザードといえば、まず第一にザラキの使い手として知られているが、むしろそのルカナンを連発することにも非常なリアリティがあると体感的に納得した。

不味さの蘇生(ザオリク)

2012/03/17(土) 21:09:49 [詩文・俳文]

 一晩中激しく咳き込んで、眠れたのか眠れなかったのか自分でも良く分からないままに家を出る。
 白手袋の、おそらくはアルバイトか臨時職員かと思われる駅員に押されてねじ込まれたのは満員電車なのか棺桶なのか、今の自分は生きているのかいないのかすら良く分からなくなる。
 終点駅のエキナカの立ち食いソバの、人間性の根本を侮辱するほどに徹底した不味さに激しい怒りを覚え、殺意と共に自身が今ここに生きているという認識を強固な確信のもとに取り戻す。

冬の表裏

2012/03/16(金) 23:48:42 [詩文・俳文]

 雪が降る真冬の屋外において、スーツにネクタイという姿で働く。
 スーツの内ポケットに入れたカイロが着実に効力を顕しはじめ、胸部から腹部までが暖められてくると、それまで意識しなかった背中の冷たさが俄かに感じられ、かえって寒さを覚える。

雪にすら気づかない

2012/03/13(火) 18:07:41 [詩文・俳文]

 その北風の余りの冷たさに、雪にすら気づかない夜がある。
 自分自身も寒気の一部なのだと無理矢理思い込むことで、かろうじて路上に踏みとどまろうとする。
 ツイッターに指摘されてはじめて、今の月の美しさを知る。

三鷹の色彩

2012/03/09(金) 01:56:36 [詩文・俳文]

 三鷹駅の北半分は武蔵野市で、南半分は三鷹市だ。
 本当に駅構内の、跨線橋の中央にその境界はある。
 北口のペーパーラックには武蔵野市の広報がセットされ、南口のペーパーラックには三鷹市の広報がセットされている。
 北口のバスロータリーからは武蔵野市のコミュニティバス「ムーバス」が発着し、南口のバスロータリーからは三鷹市シティバスが発着する。三鷹市シティバスのうち、三鷹の森ジブリ美術館直通路線の車体には、特別なデザインを施されている。
 そうしてこの駅の南口にも北口にも、平等に花屋が在る。だからおそらくいずれ来る春もまた、北口と南口との双方を全く同時に、公平に、均等に彩るのだろう。



南北を均しく花群に挟まれて黄色と青とが赤を見送る

新富町

2012/01/14(土) 21:27:21 [詩文・俳文]

 川かと思ったら首都高だった。
 新富町駅を出た瞬間に、築地駅の入口が見えた。
 碁盤目状に道路が走る区画に並んだ雑居ビルの一階に、時々小料理屋や居酒屋やラーメン屋があるだけの街をいくら歩いても、詩になりそうなものは何も見つからない。

| HOME | Next Page »

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。