切株上の領土戦争

2007/07/31(火) 01:42:32 [【06-07】SuicaのCM]

いつも散歩に行く近所の児童公園に、
何の木かは知らないが植込みの所に
切株が一つ存在している。
その切株の上には、色々な種類のキノコ
常に生えたり枯れたりを繰り返している。
雨天が何日か続いたり、
逆に晴天が何日か続いたりするたびに、
以前に見かけたキノコは姿を消し、
全く別の色のキノコが別の場所から生えてくる。
人間には見えない切株の内側で、
菌糸達が常に領土戦争を続けているのであろうか。

ただそのキノコ達とは無関係な様子で、
切株上の苔は静かに蒸している。



切株の上にも
領土戦争のあるか
朝菌晦朔のごと



蝸牛角上に闘いあると聞く
切株上にも有りうべき




菌糸らの会戦の果て笠開く
戦雲のごとキノコ等の立つ



(以上記したエピソードは、
今年はまっているNHK教育テレビのアニメ、
電脳コイル』の先週の話と似ている気がする。
物事は時に奇妙な所でシンクロするものなのかもしれない。)
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ミッドタウンのオブジェ

2007/07/29(日) 01:02:14 [【06-07】SuicaのCM]

最近のオフィス街や鉄道駅にありがちなことだが、
テロ対策を名目に、ゴミ箱が設置されていなくて
ゴミの捨て場に困るという事態がままある。

東京ミッドタウンの六本木側の入口に、
あるオブジェが置かれている。
黒い石材で作られたそのオブジェは、
滑らかに彫琢された曲線で全体が構成されていて、
見る者に程よい安心感や安定感を与えてくれる。
またオブジェの中央には穴があいていてドーナッツ状になっており、
その穴からの眺望を通して適度な開放感も感じさせる。
全体的に少し右肩上がりになっているその形には、
動的な躍動感もあり、
文化・芸術を売り物にする街の置物としては、
様々な要素のバランスがとれた、まあ無難な作品だ。

だが何かが足りない。
何かが欠如している。
異物感とか意外性とか新鮮さといった、
いわゆる芸術に不可欠な要素である。

最近のオフィス街や鉄道駅にありがちなことだが、
テロ対策を名目に、ゴミ箱が設置されていなくて
ゴミの捨て場に困るという事態がままある。



紙コップ
オブジェに添えてふと思う
檸檬爆弾仕掛けし青年

東京ミッドタウン

2007/07/24(火) 01:50:00 [【06-07】SuicaのCM]

どうして六本木が、
高級オフィスと芸術文化施設が
集まる街になってしまったのだろうか?
以前は空を見上げると高速道路の高架橋が見通しを圧迫し、
地上には下品な外人がウロウロする
不潔なB級繁華街に過ぎなかったのに。

主に二つのビルで構成されているミッドタウンのエリア自体は、
常識的な直線で構成され、特に人を惑わすような所は感じられない。
自分の現在位置が、普通に把握できる。
あのぐにゃぐにゃしてわかりにくい六本木ヒルズに比べると、
遙かに良心的だ。
ただ朝食を食べる所が、
ダノイ」という初めて聞く、熊がシンボルマークのパン屋と、
フードメニューがこの上なくお粗末な上に割高な
スターバックスしか見当たらない。
他は全て十一時開店だという。
結局前者の店でクロワッサンとコーヒーを食した。
二つのビルのうちのひとつは、
コナミとかが入っているオフィスビルで、
普通にサラリーマンも働いているだろうに、
こんな気取りかえった使えなさそうな店ばかりで、
会社員生活に困らないのだろうか。

もう一つのビルは商業施設になっているが、
売ってるものがやはり割高で金持ち向けなのは
六本木ヒルズと同様である。

新しくなったサントリー美術館は、
おそらくは恵比寿ガーデンプレイスにおける
東京都写真美術館のような役割を、
この東京ミッドタウンにおいて
担っているのだろう。
この美術館に来るのは学生時代以来なのだが、
展示内容はともかく、眺望が何だか悪くなったのが残念だ。
リニューアル以前は、東側への見晴しがもっと
良かったように記憶しているのだが。

ミッドタウンのエリアから六本木側に出ると、
やっぱり薄汚い灰色の風景が広がっている。
原色の派手な看板も、
宣伝を垂れ流すシティビジョンもあるのに、
どうしてこの街はこんなに薄汚いのか。

どうして六本木が、
高級オフィスと芸術文化施設が
集まる街になってしまったのだろうか?
以前は空を見上げると高速道路の高架橋が見通しを圧迫し、
地上には下品な外人がウロウロする
不潔なB級繁華街に過ぎなかったのに。
嘘も百回言えば真実になると言ったのは
ナチスの宣伝大臣のゲッベルスだったと思うが、
私は六本木が文化や芸術の街を名乗ることに、
未だに納得していない。

「傘亭」の対面に「幸福の科学」

2007/07/23(月) 00:38:01 [【06-07】SuicaのCM]

JR高田馬場の早稲田口を出て、
早稲田通り小滝橋の方向に暫く歩いたその右手に、
傘亭」という小さな蕎麦屋がある。
蕎麦と江戸文化をこよなく愛したことで知られた、
故・杉浦日向子が最も気に入っていた店で、
その著作の中でも「特選五店」のひとつに挙げている。
街並みを注意深く見ていないと見逃してしまいそうな木造の
小さな間口の小さな店である。

店主一人で切り盛りしているとのことで、
材料にも製法にも酒のレパトリーにもこだわりが感じられる。
職人気質の渋くてストイックで上品な蕎麦屋で、
杉浦氏が特別にお気に入りに入れたその理由も、
なんとなくわかる気がする。
ちなみにこの付近には「真菜板」という
やはりちょっと有名な料理屋もある。

その「傘亭」の対面、早稲田通りを挟んだ向こう側に、
見慣れない白亜の建造物がいつの間にか建っている。
以前はボーリング場とか、焼肉屋とかが
適当に入っていたビルだったと思うのだが。
その周囲から嫌でも浮き上がって目立つそのファサードを良く見ると、
ローマ字で「KO-FUKUNOKAGAKU」と書いてある。
いや、創価学会の覇権伸長が著しいのは
現在の日本社会において最早公然の事実だが、
幸福の科学の施設までが、
いつ、なぜ、こんな所に出来たのだろうか。

原宿のジャニーズショップ

2007/07/21(土) 23:39:32 [【06-07】SuicaのCM]

小雨のパラつく地下鉄明治神宮前駅の前で、
全員が女性の行列を見かけた。
異様な熱気を放っているその集団の
先頭に居る一人に、
何の行列ですかとおそるおそる訊ねてみると、
ジャニーズショップに入場するための
行列だという。
客の数が余りにも多すぎるために
こうして入場制限をかけ、
時間が来るまで待たされているのだという。
最近は誰が人気なのかとか、
あなた自身は誰のファンなのかとか
他にも聞いてみたいことがいくつかあったのだが、
そのオーラに圧倒されてそれ以上のことは
聞けなかった……



ジャニオタの隊列が放つ
この蒸気
この梅雨空に
この凄まじきこと

エノコログサ

2007/07/19(木) 06:02:28 [【06-07】SuicaのCM]

近所の踏切の脇に建っていた建物は、
だいぶ以前に火事があって全焼し、
その後はずっと放置されっぱなしで、
セイタカアワダチソウを主とする雑草が
ただ生い茂っている。
その空き地で、かがみこんで熱心に
ひたすらネコジャラシを摘んでいる女性をある日見かけた。
おそらくは愛猫のためであろうが、
その一心不乱に何か急いでいるような後ろ姿が、
いかにも古風というか、
雅やかを尊しとする以前の時代の
素朴で生命力に満ちた種類の美しさを感じさせる。

ネコジャラシの別名はエノコログサという。



熱意もてエノコログサ摘むその背姿
万葉人とはかくなるものか

夜の訪問者

2007/07/15(日) 01:54:47 [【06-07】SuicaのCM]

深夜、ベランダで物音がする。
何事かと思って、窓を開けて見てみると、
大きなが一匹鎮座している。
このところ、カエルを題材にした詩を
私がたびたび書いているのを知って、
わざわざ礼を言いに来たのかも知れない。
もしくは逆に、
あまり下手くそな詩ばっかり作っているんじゃないと、
抗議をしたいのかもしれない。
私はカエル語を良く解さないし、
そもそも一声も鳴き声をあげないので
本当のところは良くわからない。

この珍客に対し、それなりに気を使って
洗面器に水を張ったものを用意した。
その中で泳がせると、
少しの間窮屈そうに平泳ぎをしていた
カエルだから当たり前か)が、
やがてピョコンと跳ね出して
カエルだから跳ねるのも当たり前である)
何事をするでもなく、またただじっと座っている。
それから暫く目を離していたら、
何時の間にかどこかへ姿を消した。



告げたきことの有りや無しやの客ガエル

轢死体

2007/07/11(水) 23:53:14 [【06-07】SuicaのCM]

無残にも、轢死体となり

梅雨の晴れ間に臓腑さらして



曇天の湿った色のアスファルト
第百階級」一人惨死す



ある時は路傍のカエルの変死体
心平の如く悼む心

「畸人堂」消滅す

2007/07/10(火) 00:42:28 [【06-07】SuicaのCM]

新宿はサブカルチャーの街だと人は言う。

JR新宿駅南口・新南口一帯では、
だいぶ前から大規模な再改造・再工事が続いている。
歩道や車道の構成を変更したりして、
より使いやすくするのだという。

別にそれは良いことなのだが、その南口の東側、
ガード下そばの場外馬券売り場の辺りを入った細い道、
高島屋タイムズスクエアへの近道ともなっていたその道で
ひっそりと営業していた、
畸人堂」という古書店が、
いつの間にか無くなっていた。

パソコンでも入力しにくい「畸」の文字を
わざわざ用いるこだわりに、
ほのかな好感が感じられる店だったし、
何冊か買い損ねた本もあるので残念だ。

その跡地は現在美容院になっている。



サブカルの街より畸人そっと消え

モンシロチョウ

2007/07/07(土) 23:23:06 [【06-07】SuicaのCM]

午前中にカエル公園を覗いてみると、
モンシロチョウが互いに追いかけっこをして、
地表の近くをヒラヒラと舞っているのが見られる。
また周辺の路上を散歩していても、
私の前をゆっくりと横切って通り過ぎたりする。
早起きをしたので、神様がささやかな
ご褒美をくれたのだろうか。

まあ、正確に言えば、私は昆虫学者ではないので、
モンシロチョウスジシロチョウの区別は
つかなかったりするのだけど。



衒いなく紋白蝶の往く午前

中途覚醒

2007/07/05(木) 02:23:31 [【06-07】SuicaのCM]

今朝もまた、中途覚醒憎みつつ
始発電車の走る音聞く

父の日製品を買い叩く

2007/07/02(月) 01:06:22 [詩文・俳文]


6月の初旬になると
「無印良品」では
父の日のプレゼント対応商品と称して、
男性用の部屋着やパジャマのコーナーを設けて
結構な値段で大量に売り出し始めた。

現在の日本の父親というものが、
それほど尊敬も感謝もされているわけもあるまいし、
そんなものがそんなに売り捌けるわけもないだろうと
私は当初から予測していたが、
果たして父の日が過ぎた後も売れ残って
6月下旬には価格を下げて安売りをするようになった。

以上、全て私の予想通りになったとレジの店員に告げたら、
「良い買い物をされましたね。」と愛想笑いをした。
今、私はその安く買い叩いた部屋着を着ている。

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