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お台場を歩いてみる

2009/08/31(月) 00:32:32 [【08-09】電線上のハクビシン]

埼京線が大崎駅を過ぎて臨海高速鉄道に乗り入れると、
やはり速度が上昇して、駅間の間隔も長くなるように感じる。
大宮以降の、川越線乗り入れ部分と似ている感覚だ。

臨海と言いながら、人がこの鉄道の車窓から海を望むことは、
一瞬もない。



それぞれに設計に奇抜な意匠を凝らした巨大建造物と、
江東区の番地表示の看板以外は何も無い、
雑草が生え放題の広大な空き地とが交互に目に入る。
地理的な諸条件に基づく起伏や、
歴史的な制約に基づく屈折が全く存在しないという点において、
お台場はやはり都市的であるというより、
むしろ郊外的だ。
埼玉平野の風景に似ているのだ。
だから、埼京線臨海高速鉄道線と相互乗り入れを行っているが、
このことは田舎である埼玉の人間を
臨海エリアという別種の都市的な空間に導いているのではなく、
郊外の住人である埼玉平野の人間を、
お台場と言うもうひとつの新しい郊外に、束の間移動させているだけなのだ。

さっきから見えているあの巨大な茶色のゲート型の建物はホテルらしいが、
利用客でもない人間がその下をくぐることは出来ないようだ。

お台場合衆国」と書かれたテントの前で、
ピクニックシートを敷いて行列を成している人が居る。
何の列かと聞くと、明日の「めざましテレビ」に出演するための列だと言う。
この真夏の白昼からそんなことをして、何の得があるのか、
そのテレビ番組はあなたの生活にとって何の意味があるのかと問おうと思ったが、
こっちが部外者のような気がして聞けなかった。

向こうから歩いて来るカップルの女の子は、涼宮ハルヒのコスプレをしている。

お台場のゲート型建造物
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『子規句集』より2

2009/08/30(日) 00:55:49 [引用▼日本]

はげ山のてかてかとして麦の秋

秋立てば淋し立たねばあつくるし

(漱石に別る)
行く我にとどまる汝に秋二つ

啼きながら蟻に引かるる秋の蝉

藻の花や水ゆるやかに手長蝦

夏葱にニワトリ裂くや山の宿

いちご熟す去年の此頃病みたりし

酒のあらたならんよりは蕎麦のあらたなれ

我ねぶり彼なめる柚味噌一つ哉

いくたびも雪の深さを尋ねけり

ガンダムエキスポ

2009/08/29(土) 00:31:57 [【08-09】電線上のハクビシン]

臨海高速鉄道線の国際展示場駅の周辺はこんな風景だっただろうか、
私の記憶はイマイチ曖昧である。
目の前の、このワシントンホテルというのを、
以前も見たことがあったどうかすら定かではない。
ビッグサイトにまっすぐ繋がる太い一本道の
右側にパナソニックのショールームが、
左側にマクドナルドとデイリーヤマザキがあったのは覚えている。

高架上を時折ゆりかもめが横切っていく。
ビッグサイトの背後や、その脚の間から、
羽田に向かって左から右に高度を下げていくジェット機を目で追いかける。
この辺は、まあ、以前から変わっていないのだろう。

ビッグサイト内のラーメン屋も高くて不味いままだ。



ガンダムエキスポのメインの客層はもちろん、
私より少し上の世代の男性ばかりのオタク集団だが、
会場にはその他にも親子連れ、カップル、
なかには女性同士といった組み合わせの人々の姿が見られる。
プラモデルを中心に、ガンダム関連の様々な商品が陳列されている。

有料ブースで行われているトークライブの声が聞こえてくる。
古谷徹のアムロ声は甲高くて、やはりよく通る。
マチルダさあんとか叫んでいる。

懐かしのガチャガチャが壁一面に並べられている。
様々な種類のものがある。
原典継承と銘打った、
ファーストガンダムの大河原邦夫デザインに忠実なシリーズが気になったが、
三百円とかなり高いので自粛し、
私がリアル子供の時に流行っていた、
SDガンダムのガチャガチャに挑戦する。

このシリーズは一回百円で、
ひとつのカプセルに二体のSDガンダムが入っている。
一体は普通のMSもしくはMA、
もう一体は武者ガンダムシリーズの何かという
組み合わせだ。
ザクレロを狙ってハンドルを回したが、
武者何とかとガンキャノンが出て来てしまう。
気を取り直して、今度はザクタンクを狙って
別のシリーズの機械で挑戦すると、
やはり武者何とかとパーフェクトガンダムが出て来てしまった。
どうやら私という男は、よくよくジオンの栄光に縁が無いようだ。



有明にジオンの栄光見えず




有明のジオンの残光無き
残暑



ザクレロの笑顔届かず僕の指

09年8月東京ビッグサイト1
09年8月東京ビッグサイト2
09年8月ガンダムエキスポ

『子規句集』より1

2009/08/27(木) 00:14:56 [引用▼日本]

乞食

元朝や米くれそうな家はどこ

行燈の油なめけり嫁が君(金田一春彦により既出)

野辺送り昨日も今日も冴え返る(同)

王子松宇亭

すずしさの隣を問えば正一位

ボウフラの蚊になる頃や何学士

鯉はねて月のさざ波つくりけり

あさがおや君いかめしき文学士

日のあたる石にさわればつめたさよ

六月を綺麗な風の吹くことよ(山本健吉が絶賛)

一口に足らぬ清水の尊さよ

戦場は空にある 事件は空で起こっている

2009/08/26(水) 00:04:40 [【08-09】電線上のハクビシン]

 近年、夏になると頻発するゲリラ豪雨の発生を予測するシステムを、幕張にある民間の気象予報会社が開発中であるという。何でも、首都圏の各地域に居住する一般の協力者から携帯メールで送られてくる、証言と写メールの情報を総合して、その発生の三十分前に該当地域に予報を伝えるのが、目標であるという。実際に、何例かは予報の成功例があるという。

 ゲリラ豪雨自体は、もちろん大気循環のシステムが生み出す自然現象の一つであるが、その原因としては、地球温暖化であるとか、ヒートアイランド現象であるとか、人間の営為に由来する幾つかの要素が数えられている。
 携帯メールによる即時的かつ大量の情報通信網は、一九九〇年代以降世界規模で続いている、コンピュータ技術の著しい整備とネットワーク環境の普及発展が可能にしたインフラストラクチャーだろう。
 人間の文明によって、少しく均衡を崩して幾分か奇形化し凶暴化した大気循環のシステムと、人間の生み出したテクノロジーの精華である電波と電子のネットワークに基づく未来予知のシステムとが、真夏の首都圏の上空で抗争を繰り広げる。

 戦場は空にある。
 事件は空で起こっている。



……何ものが、自分では何もしないでいてこの天地を動かしているのか?
あるいは、何かからくりの引きがねによってどうしようもなく動いているのか?
あるいは、ひとりでに動き出して自分ではとめようもないのか?

雲があって雨ができるのか?
雨があって雲ができるのか?
何ものが雲を興し雨を降らせるのか?
何ものが自分では何もしないでいて楽しみながらそれをすすめているのか?

 テレビ東京の情報番組が伝える所によると、首都圏各地の無数の人々からリアルタイムで寄せられるメール情報を統括する、この予報システムの運用責任を担っているのは、まだ二十代の若手女性社員であるという。カメラ映りを見る限り、なかなかの美人さんであるように見える。
 暴走する大気循環のシステムと、際限なく肥大化しまた精緻化し続ける情報通信のシステムの狭間に立って、あたかも人々の集合無意識を天気予報という形で具現化し言語化する役割を担った、現代文明における巫女のようである。



夏の空
禍々しさに満たされて
電波の思念にまた満たされて



人々の思念波統べて天仰ぐ女性予報士シャーマンのごと



(去年も、今年の夏も途中までは「ゲリラ豪雨」という言葉を、NHK以外のメディアは頻繁に使用していたと思うが、この八月下旬になって、ネットを含むどのマスメディアも俄かに「ゲリラ雷雨」という言葉に言い換え始めた。この方がより実態に即しているという判断なのか、それとも何ものかが、「現代におけるマスメディアの大衆洗脳能力」などを測定しようと密かに実験をしているのか。この言葉自体にも、微細ながらもひとつの権力闘争が存在するのかもしれない。)

アポリネール「真夜中」

2009/08/23(日) 00:21:15 [引用▼海外]

暗き
陰にて
時は
泣く


なく

なき
夜半を

冷やし中華

2009/08/22(土) 00:53:44 [短歌]

夏らしきことを一つはしてみよう……
冷やし中華
広尾で食べる



花火より海より山よりゴマだれの香りに浮かぶ僕のこの夏



場所柄か、普通のラーメン屋で普通に外人が食事をしている。
この時はカップルと親子連れの、二組の白人が居た。
親子連れが食事を終えて会計をする際、
父親らしき男性はやたらに小銭ばかり大量に出していたが、
日本円の貨幣を正確に使用できるところを子供に見せたかったのか、
店員にささやかな嫌がらせをしたかったのか、
それともただ単に細かい金を処理したかっただけなのかどうかはわからない。

アポリネール「或る星の悲哀」より

2009/08/21(金) 00:20:19 [引用▼海外]

この燃えさかる苦痛を僕は身中にいだいている
蛍が絶えずその身を焦がしているように
兵士の胸に祖国フランスが鼓動しているように
百合の花芯に香ばしい花粉が込めてあるように

通勤途上

2009/08/20(木) 01:51:42 [【08-09】電線上のハクビシン]

この街も何ヶ月目かと指折って、数えて、
蝉の、
死体が、
増えた。

アポリネール「秋」より

2009/08/19(水) 00:31:10 [引用▼海外]

ああ! 秋が 秋めが夏をほろぼした
灰色の二つの影が霧の中を歩いて消える

山手線・夏

2009/08/18(火) 03:01:05 [【08-09】電線上のハクビシン]

原宿のホーム停まってドア開く刹那降り出す蝉時雨

アポリネール「サロメ」より

2009/08/17(月) 02:14:58 [引用▼海外]

王よ 薙刀兵の前に進め 後ろに進め
穴を掘ってその中へ彼を埋めましょう
花を植えて輪になって踊りましょう
わたしが靴下どめを失うまで
王が煙草入れを失うまで
王子が念珠を失うまで
僧正が祈祷書を失うまで

箱の中に居る

2009/08/16(日) 02:29:05 [詩文・俳文]

サラリーマン、OL、公務員、箱の中に居る。
オフィスビル。
大学教授、教師、講師、
教室、研究室。
工員、労働者、
工場。

劇団員、
小劇場。
ミュージシャン、
ライブハウス。
DJ、
クラブ。
彼等もまた、箱の中に居るという点においては、
世の常の人々と何ら変わりは無い。

彼等が中に居る所のその箱は、
城砦か、家畜小屋か、牢獄か?
それらの全てを同時に兼ね備えているのか?

ストリートミュージシャンと、
ビッグイシューの販売者と、
ホームレスと、
それからええと、一応路上詩人は、
箱の中には居ない。

僕達は常に平面に居る。
何も無い平面、
プラトーな空間。
何者にも守られず、
また何者にも束縛されないフィールドで、
ただ自分自身のみを拠り所として、今日も一人で静かに闘っている。

アポリネール「蝗」

2009/08/15(土) 00:12:53 [引用▼海外]

これは上品な蝗です。
バプテズマのヨハネさまの食べ物です。
僕の詩歌も蝗のように
えらい人たちの腹のたしになればよいが

この夏は雨ばかり降っていた

2009/08/14(金) 00:09:15 [【08-09】電線上のハクビシン]

恵比寿駅西口にて



生臭き魚屋の香に舞い踊るアオスジアゲハ
ようやく晴天

漱石俳句集より2

2009/08/13(木) 01:00:06 [引用▼日本]

この下に稲妻起る宵あらん

秋風の聞こえぬ土地へ埋めてやりぬ

自恃の暴戻

2009/08/11(火) 23:40:57 [短歌]

その自恃の吾を守らず
夜毎にかえって暴れて僕を苛む

漱石俳句集より1

2009/08/10(月) 01:46:54 [引用▼日本]

わが恋は闇夜に似たる月夜かな

あんこうや孕み女の吊るし斬り

東西南北より吹雪かな

掃溜や錯落として梅の影

日は永し三十三間堂永し

馬の蠅牛の蠅来る宿屋かな

蟷螂の何を以ってか立腹す

秋雨や蕎麦をゆでたる湯の匂い

行けど萩行けど薄の原広し

稲妻の砕けて青し海の上

この世界に在るもの

2009/08/09(日) 02:33:27 [【08-09】電線上のハクビシン]

この世界には天国も地獄も無い。
来世など無い。
そんなものは忘れろ。
この世界にあるのはスラム
スラムリゾート
あるいは戦場と高級住宅地。
ただそれだけ。

この世界には輪廻転生など存在しない。
前世など無い。
あるのは偏差値。
あるいは学歴、収入、
容姿、皮膚の色、親のコネ。
ただそれだけ。

この世界には約束の地など存在しない。
あるのはただ、
先進国と後進国と資源大国と紛争国家と……。

コンビニやスーパーのレジで働くシナチョンや、
その他のアジアや南米から来た外国人労働者達は、
その現実を良くわかっているのだろう。
現代日本の最も醜悪で低劣な恥部である所の
あの肉便器達も、
その下半身が基準となっている行動様式から
本能的に理解していることなのだろう。

草食系男子だの弁当男子だのと称されている
君達や僕達も、
もうそろそろそういうことを理解する必要に迫られるのではないか。
そういうことを理屈だけではなく、
本当に、
つまり最も酷薄かつ最もシンプルな、
動物的な次元において理解する必要に迫られるのではないか。

コクトー「平調曲」より

2009/08/08(土) 01:24:12 [引用▼海外]

急ぐべきだ、時を失うべきではない、
僕ら、休息も断食もすべきではない。
数日後にもそなたは若いが、僕はもうそうは行かない。
僕、三十になってしまった。

五分間英会話

2009/08/04(火) 23:52:14 [短歌]

スタジオアルタ正面の、新宿駅東口の広場で、
五分間英会話のプラカードを持った白人の若い男女が
平日の昼間からたむろしている。
無料だと書いてあるので、眼鏡の女の子に話しかけてみる。
アメリカ人であると言う。

好きな映画、好きな本を聞かれて、
その次には直ぐに、
聖書がいかに尊い書物であるかという話になった。
予想していた通り、宗教の勧誘、いわゆるミッショナリーである。
それにしても、話の進め方が余りにも性急で露骨過ぎる。
話者の年齢がまだ若く、未熟なこともあるのかも知れないが、
これでは布教活動もマインドコントロールも何もあったものではない。
これが噂に聞く「創造説」論者、
進化論すら認めないというアメリカのキリスト教原理主義者なのだろうか?

仮にも日本で布教活動を行おうというのに、
彼女は結局最後まで一言も日本語を話さなかった。
その英語のスピードも、
こちらに全く配慮の無い早口なので、
半分も理解できなかったように思う。
本来の意味での多言語多文化交流を考えれば、
シナチョンの人間は日本にはもうこれ以上要らないが、
イスラム圏辺りの人間はもう少し居ても良いのではないかとふと思った。

ただ、眼鏡の奥の彼女の眼だけは、間違い無く澄んでいた。
自分自身が奉じる教義と、
その教義を奉じる自分自身とに
一度も懐疑を抱いたことの無い人間の眼差し。



透明は独善の色
一点の濁り無き眼に狂気を宿して



それにしても、彼女達のこの活動の資金源は一体どこから出ているのであろう。

コクトー「サッフォーの墓」

2009/08/02(日) 23:33:55 [引用▼海外]

これがサッフォーの遺骨
ヴィーナスよ、あなたが渚辺に
口開かせる生きた貝
あれをあんまり好きなのが
彼女の小さな咎でした

シナモンメルツ

2009/08/01(土) 23:48:23 [短歌]

職場の同僚とマックにて。
(「シナモンメルツ」は
シナモンロールにメイプルシロップが大量にかけられた
マクドナルドの新メニュー。)




七月の
シナモンメルツの激越な甘さ、
シロップ吾が歯を溶かす



この夏はダイエットすると言いながら
この甘き菓子平らげる口

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