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『中勘助詩集』岩波文庫版解説より(谷川俊太郎)

2010/03/30(火) 02:23:29 [引用▼日本]

小宮豊隆宛の手紙の中で「詩歌俳句小説童話随筆凡て一つのものを書いてるつもりだ。」と中さんは言っている。これはもちろんまず心構えを言っているのだが、形式においても特に詩(短歌俳句を含む)と随筆の一体化においてはっきりした特色をなしている。……中さんの詩の多くは、随筆の中にそれと不即不離のものとしてちりばめられていて、中さん自身、角川書店版全集のあとがきのひとつで「私はそれ(詩歌句)が単独に作られたものでなく日記若しくは随筆となにかの関連をもってる場合にはそれらをなるべくいっしょに見てほしいと思う。」と書いている。



……中さんには「詩」を書きたい、「随筆」を書きたいというような区別はおそらくなかったのではないか。静かな流れの中から時には水滴となり、時には激しく迸り出る言葉が、おのずから詩や随筆の形をなしたと、そんなふうに私には感じられる。



中勘助詩集 (岩波文庫)中勘助詩集 (岩波文庫)
(2003/08/19)
谷川 俊太郎

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ケータイGPS

2010/03/29(月) 02:14:12 [【09-10】ちぃばす麻布ルート]

われら皆座標の上の点とされ電波の支配に平伏すを好く

中勘助「われら千鳥にてあらまし」より

2010/03/28(日) 23:59:39 [引用▼日本]

ああわれら千鳥にてあらまし
美しき貝の花ちるはなれ小島の磯にして
うちよする波の音をききつつ
さびしき口笛をふきてすござん
または潮くさきしぶきに翼を濡らし
稲妻のごと飛びかけりつつ
呼びかけ戯れてあそばん
わたつみの海のもなかにして
あしたにも
ゆうべにも
はたやよはにだにも
さびしき口笛を吹きならしつつすごさんを

初志貫徹

2010/03/27(土) 23:43:27 [詩文・俳文]

JR池袋駅のメトロポリタン口から椎名町方向に少し入った辺り、
警察署や消防署があるややさびしい感じのする一角に、
延伸の途中で投げだしてグダグダになったまま
長い間放置されていた作りかけの道路があった。
ところが久しぶりにその近くを通ると、
土地買収が奇跡的に成功したのかなんなのか原因は不明だが、
何時の間にかその工事が進展していて、
立教大学の裏側あたりにまで到達しているではないか!

池袋のくせに、都市計画がまともに機能している!
池袋のくせに生意気だ!
池袋だって、やれば出来る。

このまま順調に工事が進めば、やがて山手通りに接続するバイパスが開通するだろう。

それにひきかえ、高田馬場から山手線の内側に沿って、
新大久保に向かって伸びる、あの道路のだらしなさといったら……。

池袋のサンシャイン裏の一帯と同じように、
そして都内の至る所で目撃されるように、
この辺りにもタワーマンションが建ち始めている。
都市計画家や不動産業者の目から見たら、
水平方向にも垂直方向にもまだ未開のフロンティアが広がっているように見えるのだろう。

ただその開発の波は、幸か不幸か西武池袋線によって阻まれ、
その向こう側の目白には、もうしばらくの間は波及していない。

それにひきかえ、高田馬場から山手線の内側に沿って、
新大久保に向かって伸びる、あの道路のだらしなさといったら……。

中勘助の短歌より

2010/03/26(金) 23:19:07 [引用▼日本]

雨しとしとくどの火けぶるだいどこにたそやこくこく蒟蒻をつく

※「しとしと」「こくこく」といった擬音の使い方が素朴な味わいを出している。
のみならず「しとしとくど」「こくこくこんにゃく」といった韻を踏むことによって、
リズミカルな味わいを出すことに成功している。

おらが畑のちりめんかぼちゃ見てくれやきりやうわるくも鳶が鷹だべ

ハイブリッド都バス

2010/03/26(金) 02:48:41 [短歌]

台形のハイブリッドの機器載せた
都バス
ヒトコブラクダと呼びたい

中勘助の俳句より

2010/03/25(木) 23:54:28 [引用▼日本]

獏の屁や痴人の夢のはてどころ

鶯や底なき谷の緑より

春の鯛焼き

2010/03/25(木) 01:56:32 [【09-10】ちぃばす麻布ルート]

鯛焼き屋裏のダクトも春の気の密度濃くする甘き湯気吐く



小麦粉の焼ける匂いを孕みつつ春の霞を真似る意志あり

【オープンマイク】吉読Vol.2に参加してきました!

2010/03/25(木) 00:57:34 [お知らせ・近況報告]

オープンマイクイベント、「吉読」Vol.2に参加して来ました。
会場は吉祥寺北側の喫茶店「ダーチャ」、日時は2010年3月21日18時半より、主催は詩人の守山ダダマさんです。

詳細は「吉読」公式インフォメーションブログのこちらのページをご覧下さい。
↓↓↓
http://blog.goo.ne.jp/kichidoku/e/157edeecf3740e5b302b2c1218fb93ba

私は自著『雑司ヶ谷下水道水難事件』より表題作を朗読しました。
オープンマイクイベントに参加するのも初めてなら、不特定多数の人の前で自作を朗読するのも初めての体験で、とても緊張しましたが、何とか終えることが出来ました。

色んな方から拙作の感想や、類似のイベントに関する情報などを頂きました。これからの活動の参考にさせて頂きます。
またその場で、拙著を購入してくださった方も何人かおられました。
改めて御礼を申し上げます。

自分自身の行動半径をより広げていく試行錯誤の一環として、これからも時間を作って、この種のイベントに参加していこうと考えております。よろしくお願いします。

中勘助「達磨さん」より

2010/03/24(水) 23:19:42 [引用▼日本]

なにをいうぞい乾屎橛
世間わすれたこのわしに
別に思案はなけれども
人の噂でなうなった
足がほしいと思うとる



乾屎橛は大便を掻き取るヘラのこと。
禅の用語で、くだらないものの意味。
漱石が好んで用いたボキャブラリー。
中勘助が漱石の弟子であることが伺える。

黒と紫

2010/03/24(水) 01:23:18 [【09-10】ちぃばす麻布ルート]

紫の花の繁みに春の午後
黒猫
どんな夢を見ている?



いとけなき君のまどろみ打ち消すは
花冷えの風か?
それとも僕か?



紫の花を咥えて振り返り
黒猫
まっすぐ僕を見つめた

中勘助「塩鮭」より

2010/03/23(火) 23:36:48 [引用▼日本]

ああこよひ我は富みたり
五勺の酒あり
塩鮭は皿のうえに高き薫りをあげ
湯気たつ麦飯はわが飢えをみたすにたる
思えば昔
家を棄て
世を棄て
人を棄て
親はらからを棄て
瞋恚や
狂乱や
懐疑や
絶望や
骨を噛む身心の病苦に悩み
生死の境をさまよいつつ
慰むる者とてもなく息づきくらり
または薬買う場末の町の魚屋の店にならぶ
塩鮭のこのひときれにかつえしこともありしかな
見よや珊瑚の色美しく
脂にぬめるあま塩の鮭のきれは
われにその遠き昔をしのばせ
そぞろに箸をおきて涙ぐましむ

六分の三軒

2010/03/23(火) 01:15:04 [短歌]

自転車で巡る古書店
六軒のうち三軒はブックオフ

関森「文人たちの句境」より2

2010/03/22(月) 23:28:47 [引用▼日本]

しべりあの雪の奥から吹く風か(寺田寅彦)

胸中の凩咳となりにけり(芥川龍之介)

鍋敷に山家集あり冬ごもり(蕪村)

影ふかくすみれ色なるおへそかな(佐藤春夫)
※ミロのヴィーナスを呼んだ句

ホワイトデー

2010/03/21(日) 00:57:46 [短歌]

晴れ晴れと負債果たした気になってホワイトデーの空に雲無し

関森勝男「文人たちの句境」より1

2010/03/20(土) 23:13:59 [引用▼日本]

数の子に命久しき歯音かな(尾崎紅葉)

ささ鳴きの枝うつりゆく夕ごころ(横光利一)
※春の夕暮れの物憂さをうたった句

五月雨や尾を出しそうな石どうろ(泉鏡花)

千枚の青田渚になだれ入る(佐藤春夫)

発条に似て蝶の舌暑きかな(芥川龍之介)

青山と桃山

2010/03/20(土) 01:05:38 [詩文・俳文]

職場の三十代の女性は、
青山学院大学のロゴが入ったブルーのボールペンがお気に入りだと言う。
以前短期のアルバイトをしていた、同大学の購買部で買ったものだと言う。
その店で、今度はピンクのバインダーを買いたいのだが、
嵐の相場ちゃんにちょっと似ている
学生バイトの二十一歳の男の子にプレゼントを渡した所を
年輩の女性管理職に目撃されてストーカー扱いされ、
出入り禁止になってしまったので当分無理だと愚痴を言う。

ちなみにその女性自身は、豊島区にある某仏教系大学の出身である。

青山学院大学でブルーのボールペンを買ったんだから、
桃山学院大学でピンクのバインダーを買えばいいんじゃない?

鮮やかなこの切り返し!
オレって冴えてるぅ!!

「ハクビシン」削除部分

2010/03/20(土) 00:47:24 [【鶏肋】言葉の切れ端]



カラスではなくオオタカのように、
ノラネコではなくタヌキのように、
ドブネズミではなくハクビシンのように、
独自の流儀で、
この街を、
誇り高く、
この街を、
生き延びよう、
この街を。

小熊秀雄「私の楽器の調子は」より

2010/03/19(金) 23:29:13 [引用▼日本]

私の詩は将に詩ではない
殊にあの人達の理解の中での
詩であってはたまらない
私の陽気も、強情も
私の快活も、多弁も、
もっとも低級な意味で
物質的であれと思うばかりだ、

グランデ爆弾

2010/03/19(金) 00:25:17 [短歌]

江戸川何とかという茨城の受験少年院出身で、
一浪の後やっと青学の経営学部に入学。
長い髪を金髪に染め、アイプチマスカラで完全武装。
電話帳の如く浩瀚なファッション雑誌を常に複数持ち歩き、
モデルや海外のセレブを実に単純素朴に崇拝している。
芸能人の話と人の噂話ばかりしている。
イケメンが好き。
イケメンの年上男を果敢にも逆ナンして新しい彼氏にしたが、
土方系の外見をしたDJの元彼とヨリを戻したがっている。
青山とか麻布とか六本木とかが好き。
芸能人と遭遇できる六本木ツタヤがとりわけ大好きで、
スタバが好き。
飲み終わった後のスタバの紙コップをロッカールームに放置して
時々職場の顰蹙を買う。
でも気分が良い時は、知り合いが勤める美容院を安く紹介してくれたり、
秋冬物の服を買いに銀座のユニクロまで連れて行ってくれる。
そんな女の子が居なくなった冬の終わりに……。



六本木ツタヤに仕掛ける爆弾は檸檬ではなくスタバのグランデ

小熊秀雄「嫌な夜」より

2010/03/18(木) 00:05:11 [引用▼日本]

怒りをとろかす眠りを
うけいれる位なら
私は死ぬまで一睡もしないで狂ったほうがいい

今更の

2010/03/17(水) 01:06:30 [【09-10】ちぃばす麻布ルート]

今更の自問自答もそれなりに自己肯定に至る春の夜

小熊秀雄「文壇諷刺曲」より2

2010/03/17(水) 00:04:07 [引用▼日本]

いま僕は墓標を建てた
名前の羅列をもって―――、
散文をもっておおわれている日本の空は
根性の悪い発疹だらけの
犬の皮膚のように汚い
君等の皮膚を掻いてやる親切さに
君等がこれを厚意として受け取る方法は
だまって、文句なしに
僕という諷刺詩人に悪口をいはれることだ。

恵比寿の夜に驢馬を探して

2010/03/16(火) 00:09:04 [【09-10】ちぃばす麻布ルート]

 恵比寿駅周辺には、夜になると驢馬を曳いた花売りが現れるという噂を広尾で聞いたので、ネットで調べてみた。確かに複数の情報が存在し、どうやら昨年の暮頃から目撃されるようになったらしい。職場が恵比寿にある知人もまた、実際に何度か見たことがあると言う。それも私が詩集を売っている場所のすぐ近くのことであると。



花載せた驢馬の姿を追い求め恵比寿の街を彷徨う春の夜



安物の自分探しをするよりもまだ見ぬ驢馬と花を探そう



 何だか驢馬は春の季語のような気がしてきた。

小熊秀雄「文壇風詩曲」より

2010/03/13(土) 23:22:14 [引用▼日本]

三等品の毒舌を吐く大宅壮一は涙の袋さ
つまるところは人情家さ
センチになるかはりに憤慨するだけさ
もっと悪人になる修行しろ。

スーパーユネスコの死

2010/03/13(土) 02:15:16 [短歌]

非情にも幹線道路の対岸に百円ローソン現れて、死す



弁当に詰めるカイワレ大根をこの春からはどこで買おうか

小熊秀雄「谷崎潤一郎へ」より

2010/03/11(木) 23:50:11 [引用▼日本]


人生の
クロスワード
人生の
迷路を綿々と語る
大谷崎の作品は
はばたく蛾
鉛を呑んだ蟇
重い、
重い、
寝転んで読むには勿体ないし
本屋の立ち読みには
長過ぎるし
読者にとっては
手探りで読む
盲目物語だ
作者の肩の凝り方に
読者が御相伴するのも
よかろうが
書籍代より
按摩賃が高くつきそうだ
先生の御作は
そやさかいに
ほんまに
しんどいわ。

『雑司ヶ谷下水道水難事件』を東京都立中央図書館に納本しました

2010/03/10(水) 23:28:46 [お知らせ・近況報告]

07年10月から08年9月にかけてこのブログに掲載した作品を収録した青条の著作『雑司ヶ谷下水道水難事件』を、東京都立中央図書館に納本しました。

東京都立中央図書館のサイト
http://www.library.metro.tokyo.jp/12/index.html

小熊秀雄「佐藤春夫へ」より

2010/03/09(火) 01:22:38 [引用▼日本]

男ありて
毎日、毎日
牛肉をくらひて
時にひとり
さんまを喰ひてもの思ふ
われら貧しきものは
時にさんまを喰ふのではない
毎日、毎日、さんまを喰ひて
毎日、毎日、コロッケを喰っている
……
新しい時代の
新しい正義と良心は
君のような孤独を経験しない
春夫よ
新しい世紀の
さんまは甘いか酸っぱいか
感想を述べろ。

チリからの津波

2010/03/08(月) 00:31:43 [【09-10】ちぃばす麻布ルート]

全球化したる
地球の
半球を駆けて
アジアを少し削って



大陸を跨ぐ
電波を追い駆けて
津波もようやく列島を見る



まだ冬の東京湾やや押し上げる、昨日の夏の海から来た波

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