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巻第十九 四二八五~四二八七

2010/07/31(土) 00:07:22 [万葉集の勉強]

十一日に、大雪降り積みて、尺に二寸有り。よりて拙懐を述ぶる歌三首

大宮の内にも外にもめづらしく降れる大雪な踏みそね惜し

御園生の竹の林にうぐいすはしば鳴きにしを雪は降りつつ

うぐいすの鳴きし垣内ににほへりし梅この雪にうつろふらむか

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【映画】庭から昇ったロケット雲

2010/07/30(金) 01:03:03 [【映画】観映グゥ評]

 アメリカの田舎の牧場主の男が、自分自身でロケットを打ち上げて宇宙飛行士になるという夢を実現すべく、家族の理解を得て奮闘する。奥さんは美人で働き者でものわかりが良くて経済力がある。長男と二人の幼い娘もその父親のことを一貫して尊敬している。長男なんかはいつか実現するロケット打ち上げに備えて管制官の訓練をしているぐらいだ。
 物語の舞台である小さな田舎街の人々は、借金の督促をする銀行マン、喧嘩の仲裁をする保安官、カウンセラーの女医と、ことごとく主人公の知り合いで、ロケットプロジェクトには懐疑的な意見を述べるが、主人公自身に対しては一貫して善意と好意で接してくれる。途中で役人やFBIの妨害が入ったり、経済的に行き詰って夫婦喧嘩をしたりするが、要するに基本的には恵まれた話。
 この物語の主人公は、牧場主(カウボーイ)から宇宙飛行士になる。つまり、アメリカの白人男性が夢見る男の理想像(初代『トイ・ストーリー』にそのことは表現されている)の旧バージョンから新バージョンへの転身を遂げるのであって、まさしく良く出来たファンタジー。不必要にエロシーンが挿入されていない分だけ、島耕作よりはマシと言う程度。

巻第十九 四二二七 四二二八

2010/07/29(木) 02:52:53 [万葉集の勉強]

大殿の この廻りの 雪な踏みそね しばしばも 降らぬ雪ぞ 山のみに 降りし雪ぞ ゆめ寄るな 人や な踏みそね 雪は

反歌

ありつつも見したまはむぞ大殿のこの廻りの雪な踏みそね

右の二首の歌は、三形沙彌、贈左大臣藤原北卿が語をうけて作りよむ。これを聞きて伝ふるは、笠朝臣子君。また後に伝へ読むは、越中の国の掾久米朝臣広縄ぞ。

曲げられない

2010/07/28(水) 00:31:35 [【09-10】ちぃばす麻布ルート]

きっかけも特に無くふと意識する僕の心の曲げられない場所

巻十九 四一四四 四一四五

2010/07/27(火) 23:39:35 [万葉集の勉強]

帰雁を見る歌二首

燕来る時になりぬと雁がねは国偲ひつつ雲隠り鳴く

春まけてかく帰るとも秋風にもみたむ山を越え来ずあらめや



前者の歌は、薄田泣菫に全く同じ趣向の近体詩があったと思うが、すぐには出てこない。

愛と内省

2010/07/27(火) 01:33:24 [短歌]

愛される価値があるのかお前には? いじける前に自らに問え

巻第十八 四一二三 四一二四

2010/07/26(月) 23:17:51 [万葉集の勉強]

この見ゆる雲ほびこりてとの曇り雨も降らぬか心たらひに

雨ふるをほく歌一首

我がほりし雨は降りきぬかくしあらば言挙げせずとも年は栄えむ

白い桑の実

2010/07/26(月) 02:03:45 [【09-10】ちぃばす麻布ルート]

まだ白きヤマグワの実に取り付いて餓え潤す揺られカメムシ

巻第十八 四一二二

2010/07/25(日) 23:50:41 [万葉集の勉強]

天平感宝元年の閏の五月の六日より以来、小旱を起こし、百姓の田畝やくやくにしぼむ色あり。六月の朔日に至りて、たちまちに雨雲の気を見る。よりて作る雲の歌一首。

 天皇の 敷きます国の 天の下 四方の道には 馬の爪 い尽くす極み ふなのへの い果つるまでに いにしへよ 今のをつつに 万調 奉るつかさと 作りたる その生業を 雨降らず 日の重なれば 植えし田も 蒔きし畑も 朝ごとに 凋み枯れゆく そを見れば 心を痛み みどり子の 乳乞ふがごとく 天つ水 仰ぎてぞ待つ あしひきの 山のたをりに この見ゆる 天の白雲 海神の 沖つ宮辺に 立ちわたり との曇りあひて 雨も賜はね

池袋の森公園産枇杷

2010/07/25(日) 02:03:23 [【09-10】ちぃばす麻布ルート]

透明のビニール傘を逆様に地に差し受ける東京の琵琶



まだ少し青味残したもぎたての枇杷をかじって風に吹かれる

巻第十八 四一一一

2010/07/24(土) 23:46:14 [万葉集の勉強]

橘は花にも実にも見つれどもいや時じくになほし見が欲し



時じくのかくのこのみ:橘の実をほめたたえた言葉。

柑橘類は、古代の日本人にとっても欠くことができないものであったことが伺える。

聖蹟桜ヶ丘のムクドリのコロニー

2010/07/24(土) 03:39:01 [【09-10】ちぃばす麻布ルート]

聖蹟桜ヶ丘駅の西口の街路樹はムクドリのコロニーとなっている。
夜の駅前に低く濁った声が降り注ぎ、
白く薄く引き延ばされた糞が路面のそこら中にへばりついている。
ペデストリアンデッキの上から樹木を観察すると、
その姿が一羽一羽肉眼で観察できる。

でも待ち合わせの人々はそれらの事象を全く意に介していないようだ。

京王グループの本拠地であるこの街にある、
ブックセンターいとうの店舗は大きく、品揃えも充実している。
書架の分類がブックオフより細かい。
そして店内はブックオフより静かだ。

彼等は、日中は多摩丘陵のどこかの森で採餌をしているのだろうか?
それとも、もっと都市部まで出かけて、夜はここまで戻ってくるのだろうか?
後者だとしたら、まことにこの街にふさわしい鳥ではないか。

新宿行きの電車を待つ上りホームにまでも、その声は追いかけて来る。

巻第十八 四〇九四

2010/07/23(金) 23:45:50 [万葉集の勉強]

……海行かば 水漬く屍 山行かば 草生す屍 大君の 辺にこそ死なめ かへり見は せじと言だて……

神奈川中央交通バス 相模原→聖蹟桜ヶ丘

2010/07/23(金) 02:03:43 [【09-10】ちぃばす麻布ルート]

 一日に数えるほどの本数しかないこのルートの最終バスが、六月のまだ明るい夕刻の、相模原駅北口のバス停に入って来る。繁華街がある駅の南口のバスロータリーでは、市内各地に向かうバスが頻繁に発着しているのに対し、米軍基地とその脇にある病院ぐらいしかない北口には二つほどのバス停しかなく、辺りは閑散としている。
 鉄条網の向こう側の、基地の緑が濃い。
 発車時間を待つ神奈川中央交通のバスを撮影していると、運転手が怪訝そうな顔をする。

 乗客は少ない。基地の広大な敷地を右手に見ながら相模原の道を走り出す。乗り降りする客も少ないのだが、帰宅時間のためか、この辺りの狭い自動車道はちょっとした渋滞を起こしていて、なかなか進んでくれない。鉄道網が発達していない土地では、すぐにこのようになってしまうのだろうか。それでも走っているうちに道にはそれなりに起伏やトンネルが現れて来る。多摩の丘陵地帯に差し掛かったのだろう。
 バス停の名前に出て来る、私には全く何の縁の無い地名を、一つとして覚えていない。自分と関係性が無い固有名詞を、人の大脳はいかに記憶し難いものかと改めて思い知る。車窓の風景にも、さほど感銘を受けたものは無い。

 このバスは京王相模原線の切通しの上を渡って、南大沢駅を経由する。清潔な人工のオレンジ色の駅前。夕暮。この辺りのニュータウンの中心的な鉄道駅だけあって、さすがにそれなりに人が乗り降りする。

 たび重なる屈曲のため、方向感覚はだいぶ前から失っている。

 里山歩きでもして来たのだろうか、ハイキングウェア姿の老夫婦が辺鄙なバス停から乗って来た。トレッキング用(?)のそれっぽい杖をそれぞれが携えている。残り少ない水筒の飲み物を分け合って飲んでいる。微笑ましい。

 位相幾何学的に考えて、いや、位相幾何学的に考えなくてもごく普通に考えれば、JR横浜線相模原駅から、京王本線聖蹟桜ヶ丘駅に到るには、少なくとも二本の鉄道と交差しなければならないことは、手元に地図が無いその時点でもわかっていた。京王相模原線と、多摩都市モノレールである。前者の南大沢はさっき通過した。多摩都市モノレールとはいつ交差するのだろう?
 その瞬間を待っていたが、ついにわからない。

 旅の後半部に入っても、幹線道路沿いの風景には、やはり特筆すべきものは何も無い。しばしば睡魔が襲ってくる。単調だ。モノレールの姿を見逃したのは、私個人の怠惰と不注意のみが原因ではない。高低差が大きいこの地域において、幹線道路網がこの経路や形状をとっていることには、地形上もしくは地理上の然るべき必然性があるのだろうが、注意力が鈍麻した疲れた小動物に過ぎない今の私には、それを認識できない。緑の量は思っていたほど多くない。どこでも見られるのと同じように、ブックオフの巨大な看板が次第に暗くなる多摩丘陵のカントリーロードに向かって厚かましく自己主張をしている。カントリーロード!! 耳をすませば……。別に何も聞こえない。夜の照明が目立ち始めた。
 市街地に入ったバスは暫くして、聖蹟桜ヶ丘駅の巨大な建物の下の、京王バスのバスターミナルに潜り込む。降車後にバス路線図を探して確認し、モノレールとの交差場所は「堰場」というバス停であったという知識だけをようやく得ることが出来る。

巻第十八 四〇七五

2010/07/22(木) 23:17:23 [万葉集の勉強]

所心歌

相思わずあるらむ君をあやしくも嘆きわたるか人の問うまで



所心歌:物に拠らず、じかに思いをのべる歌

【オープンマイク】吉読Vol.4に参加して来ました。

2010/07/21(水) 23:45:00 [お知らせ・近況報告]

吉祥寺の喫茶店「ダーチャ」で奇数月に行われるオープンマイクイベント「吉読」の第4回に参加して来ました。
日時は2010年7月18日、午前6時半からです。
今回から指名制となって、私の出番は6番目、自著『雑司ヶ谷下水道水難事件』より「その叫びは偽物だ」を朗読しました。

出演者などの情報については、以下の公式ブログをご覧下さい
↓↓↓
http://blog.goo.ne.jp/kichidoku/e/a5b8ecfdf351333b94e7dc5a44873bd9#trackback-list

この場を借りて、主催者の守山ダダマさん、ひえさん、また会場で私の拙い作品による拙いパフォーマンスを聞いて下さった全ての方に御礼を申し上げます。

巻第十七 四〇一一

2010/07/21(水) 00:42:23 [万葉集の勉強]

……狂れたる 醜つ翁の 言だにも 我れには告げず との曇り 雨の降る日を 鳥狩すと 名のみをのりて 三島野を そがひに見つつ 二上の 山飛び越えて 雲隠り かけりいにきと 帰り来て しはぶれつぐれ をくよしの そこになければ 言ふすべの たどきを知らに 心には 火さへ燃えつつ 思ひ恋ひ 息づきあまり けだしくも 逢ふことありやと あしひきの をてもこのもに 鳥網張り 守部を据えて ちはやぶる 神の社に 照る鏡 しつに取り添え こひのみて あが待つ時に 娘子らが 夢に告ぐらく 汝がこうる そのほつ鷹は まつだえの 浜行き暮らし つなし捕る 氷見の江過ぎて たこの島 飛た廻り 葦鴨の すだく古江に 一昨日も 昨日もありつ 近くあらば いま二日だみ 遠くあらば 七日のをちは 過ぎめやも 来なむ我が背子 ねもころに な恋いそよとぞ いまに告げつる

相模原って、何があるんですかぁ?

2010/07/20(火) 03:14:35 [【09-10】ちぃばす麻布ルート]

 改札口を出て、駅の北口と南口を繋ぐ通路に掲げられた周辺地図を何となく眺める。すぐに違和感に気づく。駅周辺の半分、北側の地図が全く存在しない! 良く見ると黒く塗りつぶされた端の部分に、アメリカ陸軍補給廠とだけ書かれている。



緑なす多摩丘陵の向こう側半身不随の巨人が寝ている



 その駅の通路で、スーツ姿の白人男性が三人立ち話をしている。さすがに基地の街らしいと思ってさりげなく近づいて見ると、モルモン教の牧師のバッジを着けている。別に米軍と関係なかった。

 この四月に政令指定都市となったと言う相模原市には、一体何があるのだろう? 相模原駅前のペデストリアンデッキの上に居た老婆に聞いてみると、自分は横浜の人間なので良くわからないと言う。とりあえず、バスターミナルを後に、目抜き通りを歩いて見る。どこかの、どこにでもある地方都市のような、とりたてて特徴も無いレイアウト。銀行からスーパーまで一通りのものは揃っている。
 大通りの裏側に入って、少し歩くともう住宅街だ。若い女性が運転する軽自動車が多いが、おそらくは主婦だろう。マンションの前で立っていた妊婦に市役所の場所を教えてもらう。
 国道に突き当たる。大型車が頻繁に通って行く。ファミレス、紳士服店、自動車用品店、ラブホテル。どこのロードサイドにもありそうなものが、やはり一通り揃った幹線道路沿いの風景。ただ、歩道と車道の間に、自動車専用レーンがきちんと整備されているのは新しい。
 さりながら、そのレーンを利用する自転車の姿はまばらで、歩行者に至っては自分以外に見かけない。鉄塔がどこまでも列を成して連なっている。どこの役所でも大体食堂は最上階かそれに近い階層にあるものだが、町田や横浜の方角に向かって開けられたその窓から眺めるとさらに遠くまで鉄塔の列は見渡せ、遥かなるどこかへの憧憬を掻き立てられる。まあ、相模原市も、丘の向こうの遥かなるどこかの、その果てなる地なのだが。だからこの鉄塔と送電線の向こう側にも、ここと大して変わらない風景が待っているだけなのかも知れない。
 天候のためか、富士山は見えなかった。
 食堂のオバチャンにも、相模原市には何があるのかと聞いてみる。やはり要領を得ない。

 一般人が自由に入って調べ物が出来る、役所の広報物を扱う図書室のようなセクションで聞いてみる。市の案内物をくれる。改めてこの新しい政令指定都市の地図を見て、その面積がかなり広いことがわかる。名所は山と湖だと言う。また別の薄手のパンフレットによると、渋滞の解消や諸々の経済効果を見込んで新都市交通システムの導入を検討していて、その実証実験をこれから何年かかけてやっていくのだとか。

 駅近くのブックオフに立ち寄る。

 駅ビルはそれほど立派なものでもなく、その中の本屋も大したことがない。
 QBハウスとかが入っている。
 代官山だか自由が丘だかの地名を冠したスイーツが売っている。 

【映画】踊る大捜査線themovie2 レインボーブリッジを封鎖せよ

2010/07/20(火) 00:13:00 [【映画】観映グゥ評]

 劇場版第三作の公開に合わせてテレビで放送されたもの。生きて動いているいかりや長助を久しぶりに見た。『踊る大捜査線』の主要設定のうち、「湾岸埋立地に所在する警察の出先機関」「官僚組織の中で苦闘する現場の主人公達」という要素は、明確に「機動警察パトレイバー」シリーズのパクリであるが、今回はそれに加えて何だか攻殻っぽい。

 このドラマがこれだけ支持されて続けているっていうことは、日本人の大多数はやっぱり官僚が嫌いなのだろう。実際の警察官僚はここまで無能だとは思わないが。
 むしろこれって、実はお台場フジテレビの腐敗ぶりを描いているんじゃないか? つまり織田裕二達現場の警官=番組制作現場、無能で決断力が無い警視庁幹部=フジテレビの上層部や広告代理店とか(?)という図式だ。テレビドラマを作っている人間がテレビ局を直接批判は出来ないから、警察のお話ということにしているのだろう。まあ、今回のワールドカップの放送を見ても、フジテレビの無能ぶりは際立っていたから、そう考えるととても納得が行く。

 別にレインボーブリッジが爆破されたりするわけではない。
 この事件の犯人たちは、

【続きを読む】

巻第十七 四〇一一 (その1)

2010/07/19(月) 02:09:42 [万葉集の勉強]

放逸れたる鷹を思ひて夢見、感悦びて作る歌一首

大君の 遠の朝臣ぞ み雪降る 越と名におへる 天さかる 鄙にしあれば 山高み 川とほしろし 野を広み 草こそ茂き 鮎走る 夏の盛りと 島つ鳥 鵜養がともは 行く川の 清き瀬ごとに 篝さし なづさひ上る 露霜の 秋に至れば 野も多に 鳥すだけりと ますらをの 友誘いて 鷹はしも あまたあれども 矢形尾の あが大黒に 白塗の 鈴取り付けて 朝猟に 五百つ鳥立て 夕猟に 千鳥踏み立て 追ふごとに 許すことなく 手放れも をちもかやすき これをおきて またはありがたし さ慣れへる 鷹はなけむと 心には 思いほこりて 笑まひつつ 渡る間に……

京王相模原線

2010/07/17(土) 00:52:35 [【09-10】ちぃばす麻布ルート]

武蔵野台地の西端を多摩川が削っているように。
武蔵美と多摩美の二つの美大が存在するように。
多摩という地理的概念と、
武蔵野という地理的概念が、
西東京においては21世紀の今でもせめぎ合っている。

吉祥寺行きのバスの後ろ姿が見える。
調布の地は未だ武蔵野の一部ではあるが、
多摩への入口でもある。
平面交差を経て京王本線の南側に出た京王相模原線
その本線が直接対決を回避した多摩丘陵の起伏に、
これから静かに挑もうとする。

通景が大きく開ける多摩川を渡り、
南武線を下に見下ろして交差する稲田堤あたりまでは、
未だ眺望の中に居る。
丘の上から観覧車が見つめている。



この丘のあなたもこなたもひとしなみ巨大な円の視野の片隅



稲城辺りから、
緑の勾配と、蘚苔類のように斜面にへばりつきはびこる建築物との
コントラストが目立つようになる。



六月の丘の緑とトンネルの闇に交互に揺られどこかへ



やがて南側から小田急多摩線が合流して来て、
無機質な直線都市、多摩センターに到る。

センターとは言っても、ここは東京多摩地方の中心ではないだろう。
武蔵野を除いた、狭義の多摩地域の中心ですらないだろう。
ただ、あのモノレールにはいつか乗ってみたいと思う。

切通しの中を走り続けて、
人工都市の中の人工都市、
最も無機質な郊外の中の郊外、南大沢に着く。
本当に北米か南米のどこかの計画都市のようだ。
この清潔さは危険だ。
明らかに危険だ。

そうして僕達は、何時の間にかまたずいぶんと高い高架の上を走っている。
出口だ。
眼下には多くのレールが束ねられたJRの広大な敷地。
ここは、最早、武蔵野でも多摩でもない場所。

橋本駅の南側にはブックオフがある。
北側のペデストリアンデッキでは、
平日の昼間から茶髪や金髪の不潔な感じがする男達が、
女性だけを選んで懸命にティッシュを配っている。
水商売のスカウトか何かだろう。
新宿か、それとも町田あたりから流れてきた者どもだろうか?

嬉しいことに、この歩道橋の広場では、路上詩人が一人頑張っている。

巻第十七 四〇〇一 四〇〇二

2010/07/16(金) 23:10:32 [万葉集の勉強]

立山に降り置ける雪を常夏に見れども飽かず神からならし

片貝の川の瀬青く行く水の絶ゆることなくあり通ひ見む

高円寺

2010/07/16(金) 05:02:25 [【09-10】ちぃばす麻布ルート]

中央線の高架下に長く連なる飲食店街。
焼き鳥屋、焼き肉屋、そして焼き豚屋。
駅前から南北にそれぞれ伸びる商店街。
古本屋、ラーメン屋、オシャレ雑貨屋。

中央線サブカル文化圏のグランドクロス。

今日のヴィレッジ・ヴァンガードからは相対性理論の歌が聴こえる。

南口から、永福町行きの京王バスが発車している。
この街は杉並の玄関口。
井の頭線沿線のブルジョワ生活圏の気配がしても可笑しくは無い。

商店街は、鉄道の高架によって切断されていない。
狡猾にその下を潜って、
駅の南北を接続することに成功している。

ガード下の大衆酒場の隣にも古本屋がある。

古書店DORAMAが、駅の北口の各所に蟠居している。
下北沢から流出した気体の、その成分の幾許かは、
あの商店街を通って中央線の高架下をすり抜け、
こちら側まで浸透しているのだろう。

この街は杉並の玄関口。
けれども北口から発車しているのは、
赤羽行きの国際興業バス
埼玉平野に繋がっている。

西武新宿線も、
西武池袋線も、
東武東上線も、
都営三田線も飛び越えて、
埼京線と東北本線と京浜東北線が待っているあの街にまで、
遥かに繋がっている。

ホテルメッツは無色透明。
サブカルの街の中立地帯。
どんな空気にも染まらずに、ただニュートラルに、駅とともにある。
他のどの駅のホテルメッツとも、全く同じようにある。

巻第十七 (三九九九)

2010/07/16(金) 02:26:01 [万葉集の勉強]

昨暮の来信は、むがしくも晩春遊覧の詩を垂れたまひ、今朝の累信は、かたじけなくも相招望野の歌をたまふ。一たび玉藻を看るに、やくやくに鬱結をのぞき、二たび秀句をうたうに、すでに愁緒をのぞく。この眺玩にあらずは、たれかよく心をのべむ。ただしわれ、稟性彫ること難く、闇心みがくことなし。幹をとりて毫をくたし、研にむかひて渇くことを忘る。終日目流すとも、これを綴ることあたわず。いふならく、文章は天骨にして、これを習うこと得ずと。あに字を探り韻を勒して、雅編に叶和するにあへめや。はた、鄙里の小児に聞えむ。古人は言に酬いずといふことなし。いささかに拙詠をつくり、つつしみて解笑になぞふらくのみ。

七言一首

杪春の余日媚景麗しく、
初巳の和風払いておのづからに軽し。
来燕は泥をふふみいへをほきて入り、
帰鴻は蘆を引きとおくおきに赴く。
聞くならく君はともに嘯き流曲を新たにし、
禊飲にさかづきをうながして河清にうかぶと。
良きこの宴を追い尋ねまくほりすれど、
なほし知るやまいにそみて脚れいていすることを。



闇心:(あんしん)愚かな心。

創価学会脱会者を支援する会

2010/07/15(木) 07:01:35 [詩文・俳文]

創価学会脱会者を支援する会」のライトバンがスピーカーで絶叫しながら、
靖国通り新宿通りを巡回している。
池田大作の言動は本来の日蓮の教えに反していると連呼し、
連絡先の電話番号を何度も繰り返す。
蒸し暑い六月の新宿の東口。

十年ぐらい前から、スタジオアルタのビジョンでは、
創価学会のCMを良く見かけるようになったように思うが、
さすがにこの状況はまずいと思う人も多いのだろうか、
反創価運動も一定の勢力を獲得しつつあるのだろうか。

勇敢さは認める。
新宿駅近辺だけではなく、出来れば信濃町でもやって欲しい。

しかし創価を脱会しても、
もうひとつのいかがわしい新興宗教である
顕正会に取り込まれてしまってはどうしようもない。

曇って来た。
夕方には雨が降るだろう。

巻第十七 (三九九五)

2010/07/14(水) 02:24:13 [万葉集の勉強]

七言、晩春三日遊覧一首 (併せて序)

上巳の名辰、暮春の麗景なり。桃花は瞼をてらして紅を分かち 柳色は苔を含みて緑を競う。時に、手を携わりはるかに江河の畔を望み、酒を訪らひとおく野客の家によきる。すでにして、琴性を得、蘭契光をやわらげたり。ああ、今日恨むるところは、徳性すでに少なきことか。もし寂をうち章をふふまずは、何をもちてか逍遥の趣をのべむ。たちまちに短筆におおせて、いささかに四韻をしるすという。

余春の媚日は怜賞するによく、
上巳の風光は覧遊するに足る。
柳伯はかわに臨みてげん服を斑かにし、
桃源は海に通いて仙舟をうかぶ。
雲罍桂をくみて三清の堪、
羽爵人をうながして九曲の流。
縦酔陶心彼我を忘れ、
酩酊し処としてえん留せずといふ事無し。

三月の四日、大伴宿禰池主



媚日:なまめいた日差し
縦酔:ほしいままに酔うこと

漢詩なので、国歌大観番号は振られていないらしい。この番号は仮のもの。

「~まちおか」の増殖

2010/07/11(日) 00:21:53 [短歌]

いつも見る山手線の車窓にもある日現る「おかしのまちおか

餓える

2010/07/10(土) 06:53:53 [短歌]

寝不足か?
栄養不足か?
この街でただむかついてばっかりの僕



アナクロの自称詩人の飽食と倦怠の街で何に餓える

巻第十七 三八六七

2010/07/10(土) 03:38:33 [万葉集の勉強]

たちまちに芳音を辱みし、幹苑雲を凌ぐ。更に倭詩を垂れ、詞林錦をのぶ。もちて吟じもちて詠じ、よく恋緒をのぞく。春はたのしぶべく、暮春の風景もともあはれむべし。紅桃灼灼、戯蝶は花を廻りて舞い、翠柳依依、嬌鶯は葉に隠れて歌う。楽しぶべきかも。淡交に席をちかづけ、意を得て言を忘れる。楽しきかもうるわしきかも。幽襟めづるに足れり。あにはからめや、蘭惠くさむらを隔て、琴用いるところなからむとは。空しく礼節をすぐさば、物色、人を軽みせむかとは。怨むるところここにあり、黙してやむことあたはず。俗の言葉にいはく、藤をもちて錦につぐという。いささかに談笑になぞふらくのみ。

山峡に咲ける桜をただ一目君に見せてば何をか思はむ



芳音(ほういん):ありがたいお便り。
依依:なよなよとして



前出の家持に対する返信。やはり詩言葉が良いので引用した。

1Q84? 1Q42?

2010/07/09(金) 03:00:32 [【09-10】ちぃばす麻布ルート]

 コピーライターを自称する知人から、例の、『1Q84』を勧めるメールが遂に届いた。私のようなものの所にも、世間一般の流行の波がそれなりに押し寄せるものなのである。返信で『1942』を勧めようかとも考えたが、現在入手可能かどうかもわからない、アーリーカプコンの高難易度シューティングゲームを無闇に推薦するのも無責任な話だと思ってまあ止めておいた。やれやれ。
 後日その本を、高田馬場に二軒あるブックオフの、神田川の対岸にある方で発見したが、九〇〇円と結構な値段がするので見送った。新宿二丁目ブックマートではさらに高く、一三〇〇円もした。やれやれ。

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