東中野のアトレシティ

2013/04/29(月) 23:32:44 [【12-13】オレンジをアップデート]

 東中野駅に新しく完成した駅ビルを見て、またしてもアトレかよと思わざるを得ない。都心のオシャレ商業地である恵比寿もアトレ、老人の街巣鴨にもアトレ、埋立地の新興住宅地新浦安にもアトレ、下町の繁華街亀戸にもアトレ……。ここ数年、所用で訪れる街において、かなりの頻度でアトレの姿を目撃してきた。既視感そのものしか無い。二〇一〇年代の日本の首都圏において、商業という分野は、人々に新しい発見や驚きを提供する能力をそもそも失っているのかも知れない。
 二階には成城石井がある。これも見飽きた。その隣にある、よくあるベーカリー併設のカフェで、チーズの入ったパンを食べ、葡萄ジュースを飲む。中野・三鷹方面に向かって大きく開いた窓から、山手通りの下をくぐる中央線の切通しを眺めていると、黄色やオレンジの車両が頻繁に行き交うのに混じって、時折派手なデザインの特急車両が走って行く。
 その眺望だけは、悪くない。
 直下にはまだ工事中のスペースがあるが、いずれバスロータリーでも出来るのだろうか?
 店内はオバチャンで賑わっている。凡俗な空間のその凡俗性を増幅させる強調記号としての。
 この建物には立ち食い蕎麦屋など無い。うどん屋も無い。
 大久保からのカーブを経て、ここ東中野から始まる長い直線は立川まで続いている。そして立川にもまたアトレが待っている。
 三階の書店にもやはり店内に喫茶店が併設されていることを後になって発見する。眺望はこっちの方が良かったかも知れない。
 


新しいビルのどこにも
新しいものなど見えない事実について



 駅北口の富士そばは健在だ。
 かつてサミットがあった場所は工事中だ。超高層マンションを建設中で、その下層階に改めて開店するのだと言う。
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自身自分

2013/04/12(金) 23:20:52 [【12-13】オレンジをアップデート]

他人が望む自分ではなく、
自身が望む自分になれ。

何にも街にやって来ない

2013/04/11(木) 21:38:32 [【12-13】オレンジをアップデート]

何かが街にやって来る不安から、
何にも街にやって来ない不安へ、時代は変わりつつある。

原子力危険委員会

2013/04/10(水) 21:25:01 [【12-13】オレンジをアップデート]

 「原子力安全委員会」という組織名は、原子力は本来安全な技術であるという誤解を招き、適切ではない。
 「原子力危険委員会」と改称しよう。
 ……少なくとも、「原子力危険性対策委員会」のような名称にするべきだ。

詩前衛よりは

2013/04/10(水) 07:16:47 [定律・アフォリズム]

詩前衛よりは、
自然詠の方が、
まだ価値がある詩的表現だ。

挫折と黎明

2013/04/09(火) 20:10:57 [【12-13】オレンジをアップデート]

挫折して暗闇に今居る人へ
downと
dawnは一字違いだ。

春の鰊は心理学者だ。

2013/04/09(火) 06:58:03 [短歌]

見切られたその目が不意に黄昏に突きつける春の性格診断



ネガティブかポジティブか透視されている。
春の鰊は心理学者だ。



見切り品でも旬のもの
旬のものでも見切り品
スーパーも春

もうすぐ地下化される下北沢の踏切を

2013/04/08(月) 07:00:26 [【12-13】オレンジをアップデート]

 もうすぐ地下化される下北沢の踏切を、極めて緩慢にロマンスカーが通過していく。
 丁寧に磨かれたその車体の側面に、この街の風景が鮮明に映る。海鮮居酒屋の看板の文字まで読める。
 小田急小田原下北沢近辺は、長年の懸案であった通勤ラッシュの緩和と開かずの踏切の解消のために、地下化・複々線化工事を行っていたが、間もなくそれが完了する。そうすれば当然のことながら、下北沢の街からロマンスカーの車体を目撃することも、その車窓から街の風景を眺めることも無くなる。
 この横長の金属製移動スクリーンは、一時間前まで、箱根小田原足柄の山間部の風景を映していたはずだ。その緑の残像が表面のどこかにまだあるような気がする。そんなスクリーンもこの街を通過する間は何も映さなくなり、何も伝えなくなる。
 鉄道路線の地下鉄化は、街の映画館の消滅にどこか似ている。時代の要請であり、合理性を追求した賢明な判断であり、大多数の人々は特に反対もしないが、やはり寂しい。
 開かずの踏切が開くわずかな時間に、巨大なカメラを提げた鉄オタ達が線路の中央に陣取って熱心に写真を撮っている。この街から鉄道の姿が消えることが寂しいのと同様に、鉄道の車体に映るこの街の姿が消えることも寂しいことではないかと思うが、彼等がどう考えているのかはわからない。

【オープンマイクイベント】「Tamatogi」Vol.18」に参加して来ました【渋谷】

2013/04/07(日) 01:08:01 [お知らせ・近況報告]

2013年4月3日、渋谷円山町のバー「Space turbo Bar&Gallery」において開催された
オープンマイクイベント「Tamatogi」Vol.18に参加して来ました。


私は自著『福島の向日葵に捧げる歌』から、
「風が吹くとき」
「その空」
「その鳥」等の、
東京電力福島第一原発事故発生の直後に作成した詩と短歌を朗読しました。

Space turbo Bar&Galleryさんのサイトはこちらです。
 ↓↓↓↓
http://www.kensscratch.com/gallery-space-turbo.html

 
主催者のお二人、また私の拙いパフォーマンスに耳を傾けて下さった全ての方々に御礼を申し上げます。

集団将棋

2013/04/06(土) 01:21:43 [エッセイ]

 プロの将棋棋士がコンピューターと対戦して敗北するニュースをたびたび聞くようになったが、その時に使用されているコンピューター本体はどれぐらいの性能で、また何人ぐらいのスタッフがプログラム作成に動員されているのだろう? ハードディスクが何台も連結されたようなスパコンが相手ならば、人間の棋士の側も何人かでチームを組むことが許されるのではないだろうか? もっとも、誇り高いプロ棋士同士で、合議に基づいて指し手を決定するような作業が可能かどうかはわからないが。

【銀座】銀座モダンアート「Zine展」に出品しています。

2013/04/04(木) 07:07:34 [お知らせ・近況報告]

銀座一丁目のアートギャラリー「銀座モダンアート」で行われている自主出版物の展示会
「Zine展」に私の本を出品しています。

銀座モダンアートさんのサイトはこちらです。
↓↓↓
http://ginzamodernart.com/

【展示期間】
2013年4月4日(木)~2013年4月16日(火)
12:00~19:00(最終日は17時まで)
*金曜日、土曜日は21:00まで開廊致します。



青条が出品しているのは、以下の三点です。
『福島の向日葵に捧げる歌』
『ちぃばす麻布ルート』
『電線上のハクビシン』
お近くにお出かけの際は、是非お立ち寄り下さい。
よろしくお願いします。

傍観カメラ

2013/04/02(火) 20:52:58 [【12-13】オレンジをアップデート]

 防犯カメラは、特に犯罪を防がない。
 ただ見ているだけだ。
 「傍観カメラ」「録犯カメラ」と改称するべきだ。

越冬カマキリ

2013/04/02(火) 06:05:42 [【12-13】オレンジをアップデート]

 陸棲の節足動物、虫達はほとんどの場合、食物連鎖において脊椎動物の下位におかれ、自らの生命を餌として差し出す運命におかれている。スズメに食われ、タヌキに食われ、トカゲに食われ、カエルに食われる。
 しかしながら、ネット上の動画を探すと、自然界においては非常に稀であろう、その逆の場面を目撃することが出来る。つまり、最大の肉食昆虫あるいは虫達が、脊椎動物達を破る劇的な瞬間。カマキリがキクイタダキ(日本最小の鳥)を捕え、ジョロウグモが蝙蝠を網にかけ、ムカデがネズミを絡めとる。ダイナミックかつドラマチックな逆転勝利のカタルシスがそこにはある。
 成虫の姿で冬を越せる昆虫は、それほど多くない。オオクワガタやコクワガタといった甲虫の一部。(カブトムシは越冬出来ない。)蝶類の一部。水棲昆虫には割と多いだろうか? 人間の建築物に守られた白アリやゴキブリは反則だろう。石の下で身を丸めるハサミムシの謙虚で慎ましい姿。
 ほとんどの昆虫は、卵か蛹の形状で冬の通過を待つ。カマキリもそうだ。カマキリの成虫は秋の終わりに交尾を行った後、オスはメスに食われ、メスは産卵の後力尽きて死ぬ。卵は春先に孵化し、小さなカマキリがその中から湧くがごとく出現する。
 そうして、そのほとんどは、他の虫達と同じように、成長の途上でカエルや鳥の餌になってしまう。昆虫界では最強に近いハンターであっても、例外ではない。
 そんなカマキリの生活サイクルを変えることは出来ないだろうかと、ふと思った。成虫の姿のままで、一冬を越えることが出来れば、完成された強靭な肉体を保ったまま春を迎えれば、そこには小鳥の雛や小さなトカゲが待っている。それら春先の幼い脊椎動物を専門に捕食すべく、進化したカマキリというのを想像してみた。極めて不利な、節足動物対脊椎動物の闘いの、その勝率を大きく変動させる一種族、あるいは一個体。越冬ツバメが存在するのなら、越冬カマキリが存在しても良いのではないか?

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