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谷川雁「魂の水飲み場をもとめて」より

2010/10/28(木) 21:49:49 [引用▼日本]

 

賢治が異常な早書きだったという伝承がある。それは嘘だ。この字は書きとばすことはできない。丹念にペンをおさえ、紙のうえを同じ圧力で平行にすべっている。にもかかわらず速度感にあふれているのは、彼の情念がとどこおってないからである。何かが急がれている。雲のように鳥のように。わずかな機縁の一つだに見のがしてはならない。そのためのじぶんの機能をくまなく全開し、じぶんの質量の最後の粒子まで投入しなければやまない。その気迫からのがれようと、人々は建物の外の風を浴びる。だが、その空も日光もことごとく賢治によって再生されたものだ。あの赤松の群だってイーハトーヴのれっきとした住民だからな。

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