そのタコの天敵はウツボだと言う。タコの脚に喰い付いては猛回転してそれを捻じ切り、捻じ切っては一本ずつ食べてゆくので、脚を奪われたタコは慌てて逃走するのだと。イセエビが棲む海底の岩棚を、ウツボもまた好むというが、その理由は、イセエビ目当てのタコに、高確率で遭遇出来るからなのだと言う。
動物番組で見た、この三者の不完全な三竦み関係を、ロールプレイングゲームの文法で表現したら、どのようになるだろうか? まず、イセエビの守備力は明らかに高いだろう。その守備力を貫通するのだから、タコの攻撃力もまあ高いのだろう。では、ウツボの攻撃力はどのように設定したら良いだろうか? ウツボは確かに、タコに対して優位に立っているが、そのことを持って単純に、「ウツボの攻撃力>タコの攻撃力」として良いのだろうか?ウツボの細長い口蓋の形状では、イセエビの装甲を貫通することは出来ないのではないか? 互いに危害を加えることがないからこそ、イセエビとウツボは岩棚に同居しているのではないか?
ウツボの攻撃力は、そこそこの数値(イセエビの守備力を貫通しない程度)に設定した上で、むしろタコの守備力を、かなり低く設定してみるというのはどうだろうか。その上で、タコは脚を二、三本喰われても死なないことから、HPが高いということにしてみたらどうだろう?
それでも、ウツボがタコよりも強いという力関係を、まだ完全には表現出来ていないのではないか?
ウツボがタコに対して優位に立てるのはおそらく、タコの得意技、押し包んで相手の動きを封じて食べるという捕食方法が、体が細長いウツボには通用しないことが理由だろう。特技「押し包む」がイセエビには効いてもウツボには通用しないという設定にしたらどうか?
その上で、タコの攻撃力の源泉はその脚にあるのだから、ダメージを最大HPの8分の1受けるごとに、攻撃力も8分の1ずつ減少していくという設定を加えたらどうか?
以上のような考えに基づいて算出したのがこの数値である。どうであろうか?
イセエビ:HP200 攻撃力40 守備力120
タコ: HP400 攻撃力128 守備力10 特技:押し包む
ウツボ: HP300 攻撃力80 守備力80 特技:押し包む無効化
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