スポンサーサイト

--/--/--(--) --:--:-- [スポンサー広告]

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

終焉を巡って

2011/01/13(木) 01:54:22 [詩文・俳文]

創世と始原のイメージに出遭いたい。
この街で新しく何かが始まろうとする瞬間に遭遇したい。
それがどれほど軽薄で通俗的なものであったとしても、
所詮は高度経済成長期やバブル時代を反復するノスタルジーに過ぎないとしても、
九十年代下半期のクリシェそのものである終焉や世紀末のイメージよりは、
まだマシなものであることは、確かだと思うから。

確かに、この街の中枢においては、かつて毒ガスが散布された。
一度ならず無差別殺人が行われた。
それほど遠くない未来において、巨大地震も起こるのかもしれない。
もしかしたら、何かのはずみで、海の向こうの、世界で最も貧しい、
社会主義のくせに世襲体制を取っているあの珍妙な全体主義国家から、
出来損ないの核ミサイルの何発かは、飛んでくることもあるのかもしれない。

しかし、断言しよう。
確実に、セカンドインパクトは、来ない。
幸いなことに、残念ながら、来ない。
だって、そうだろう?
二〇一〇年の今になっても、レイバーの一台も歩行していない現実のこの街に、
臨海新都心に現れたのは、動きもしない実物大のガンダムに過ぎないこの街に、
近未来都市開発の、最も傲岸で洗練された象徴となるべき東京湾横断道の姿も、
南房総の土建政治家によって著しくカッコ悪いものにされてしまったこの街に、
どうしてそんなカッコイイものがやって来てくれる道理があろう。

セカンドインパクトが来ると言っている奴がもしいたら、そいつは詐欺師だ。
オタク第三世代より下の世代のサブカル君やオタク改君をマーケットにしている、
彼らの商売の都合上で、そう言っているだけだ。
パチンコ屋のエヴァンゲリオン商法と何も変わらない。
今の時代は、アニメを見たことがなくてもパチスロを打っているだけで、
使徒の名前を全部覚えることが出来るという。
片山まさゆきの麻雀マンガの冒頭に出て来る男が教えてくれた。

何かのはずみで、海の向こうの、あの珍妙な全体主義国家から、
出来損ないの核ミサイルの何発かは、飛んでくるかもしれない。
けれどもそんなものの二、三発で、この街の中枢は揺らぎはしない。
だって、そうだろう?
広島に原爆が落とされても、一週間後には、その路面電車は復旧して運転を始めた。
長崎に原爆が落とされても、当時のNHKはすぐさま修復に努め、
八月十五日の玉音放送は滞りなく放送された。
どうして出来損ないの核ミサイルごときに、
超近代の世界都市東京が屈する道理があろう?

九十年代下半期のクリシェそのものに過ぎない終焉や世紀末のイメージを反復するよりも、
現下に観察される建設と計画の飽和する果てを見届けたいと願う。
スカイツリーでも、東京港の新大橋でも、渋谷駅西口でもどこでも良い。
その現場には、残念ながら未だにレイバーは歩いていないのだけれども、
数十羽の鉄の鶴や数匹の首長竜が、そこでは精力的に動き回って「新しい」何かを築き続けている。
行政の齟齬や経済の不協和がいかに醜態をさらしていても、
鋼の肉体は、それ自身が自立した勇姿を誇示して屹立している。
そうしてこの街における、創世と始原のイメージを司っている。
スポンサーサイト

Comment

Post Comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

トラックバックURLはこちら
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。