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東北縦貫線の高架

2011/05/15(日) 07:56:00 [詩文・俳文]

 東京神田間の東北新幹線の高架の、上空に更に高架線を建設する工事が行われている。現在は上野駅始発となっている東北本線・高崎線・そして常磐線を延伸する「東北縦貫線」計画のものである。それらの路線の一部は、将来は池袋以南の湘南新宿ラインと同様に、東海道線と相互乗り入れを行う予定もあると言う。
 「東京駅一極集中」現象の最たるものであり、上野駅の格式低下は避け難い。かつて石川啄木寺山修司が、郷愁を幾分あざとく歌い上げた歌枕としての、東北への始発駅としての栄誉を、上野はほぼ完全に喪失してしまう。
 しかしながら、それとは別種の憐憫を、私は禁じ得ない。山手線・京浜東北線・中央線・東北・上越・長野・山形・秋田新幹線を束ねる、首都圏の鉄道網の頸動脈と言うべきこの区間を並走する電車達のどれかの車窓から、工事中のその立派な橋脚を仰ぎ見る時に、禁じ得ない。その高さは既に周囲の並の雑居ビルを圧倒している。やがてその上に高架線が渡されるのだろう。新しい線路がどこか遠くへ新しく繋がれることの高揚感が、そこには存在して然るべきである。常磐線のことを思う。幾ら東京駅まで延伸したとしても、福島県のあの沿岸地方を通っている限り、最早……。頸動脈から分岐した血流の一つは、確実に、切断されていることを私達は知っている。



新しく繋ぐレールのその先の大地は既に失われている



建設の意志も朱塗りの半径の巨大な虚無に吸い込まれていく
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