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串田孫一「雲の母体」より

2011/06/02(木) 23:15:29 [引用▼日本]

 

層をなす海上の雲が、世界の今日の目覚めの平穏であることを、淡い色のやわらかな輝きで知らせる。その雲の彼方から、太陽は幾分か肩を張って昇って来るが、それは自然で静かで優しい。君臨などという言葉を誰が誰が使えるだろう。太陽にまつわって伝わるさまざまの神話も、ここで想い出すのにふさわしいものではない。
 最初の光が海面を大きくひと撫ですると、海は一瞬金属と化して静止する。今ならば、太陽の投げて来る一線の光の道を歩いて行ける。天上からの音楽を待って始まる夜明けの、厳しい儀式はない。
 ただ私の心で、久方振りの鐘が鳴る。

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