スポンサーサイト

--/--/--(--) --:--:-- [スポンサー広告]

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

串田孫一「雲の母体」9

2011/06/05(日) 01:29:58 [引用▼日本]

 

時には疲れることを覚えなければならない。健康が証明されるような若々しい疲れがあった。疲れながら荒々しい悶懣の波に揺れていたこともあったような気がする。
 だが今は、乱れることもなく静かに夕陽に向って、長い間の生命の動きの後の憩いへの誘いがある。自然の巡りの激しい炸裂の時が去り、反射する光も次第に衰え、音も絶えてしまった。
 しかし、この夕暮れの葦立つ水に共鳴する心の傾きがある限り、思いもよらない蘇生を期待するのは誤りであろうか。持続を祈る空しい期待ではなく、突然の想念の宿りを待つ一つの部屋が準備されている。今はこの時でなくとも、疲れの消えた後に。

スポンサーサイト

Comment

Post Comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

トラックバックURLはこちら
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。