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串田孫一「雲の母体」10

2011/06/07(火) 00:38:48 [引用▼日本]

 

太陽の匂がこんなにするのも秋だ。その匂を虻が時々搔き回して通る。浴すべき日光が今は最も確かな恩寵であり、生命を護る最も優しい手である。
 青い空に残りの柿の実が天体のようだが、軒に吊るした柿にも、人の素朴な知恵を認めて日光は遊ぶ。
 私が若しこの農家に育ってそのまま生活を続けていたら、今日は一日野良の仕事も休み、縁先の日なたに腰を掛けて考えたに違いない。
 地球はどんなに広く、海の向うにどんな豊かな土地があるかは知らないが、この自分の田舎にまさる所はない。視野の中の世界が深い悦びを目覚ます時、太陽は一層美しく照り輝く。静か過ぎる。

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