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串田孫一「雲の母体」12

2011/06/11(土) 02:02:56 [引用▼日本]

 

何に逆らうこともなく、素直に誠実に、ひっそりと生きる木々が今は冬の支度を済ませて穏やかな陽斜に立っている。木々は不要なものとして、その億万の葉を棄てたわけではない。風に托して大地に返した。
 この落ち葉の林には道は消えているが、歩いて行くのを許して貰おうではないか。靴を履いた足に纏いつくよく乾いた葉は、昔から賑やかに何か言うが、私にはその意味が未だに分らない。寂しさに堪え切れずにいたその一枚一枚が訴え言を述べているのか悦んで無邪気に騒いでいるのか、その見当がつかない。
 踏むという残酷な行為を私が犯しているのなら謝らなければならないが、それは私に蘇る日の序詩を聞かせているようにも思える。

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