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カマドウマであった

2011/08/08(月) 01:17:12 [詩文・俳文]

 乱雑に積まれた本の隙間からその時姿を現した茶色いその昆虫は、北海道以南の日本の家庭において日常的に目撃される、平板な体型を光沢に輝く羽根で包んだ、俊足を誇る例の、あのアレではなかった。むしろ立体的な縦長の流線形のフォルム、馬の尻尾の毛のように長い触角をたなびかせ、羽根はなく、唯一の移動手段である後足だけがただ自らを主張する。
 カマドウマである。
 飛翔力も歌唱力も放棄し、ただ一点、驚異的なその跳躍力のみに自らの全実存をかける、直翅目(バッタ目)の中でも特に潔癖なこの昆虫の生態が、実は嫌いではない。二本の触角の長い曲線と、前傾姿勢の胴体が緩やかに描くカーブ、そして強靭な脚の三角形の組合せはシンプルで洗練されていてある種の美しさがある。どこから入って来たものかもわからないが、彼/彼女の姿をこの部屋で発見してしまったせいで、この夏はゴキジェットもアースノーマットも自ら禁じることとし、ゴキブリホイホイのみを頼むこととなった。
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