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村山槐多「電車の中の軍人に」より

2011/08/25(木) 00:03:22 [引用▼日本]

一面の糞色、にきび、腐った脂肪
臭い息、無智な大馬鹿共、
それらがこの電車の中でうようよとして居る
それから過淫に疲れた女の皺だらけの顔

俺はふと踊り上がった
俺の横なる二人の士官の
健康の威嚇に
何と云ふ美しさだ

強い黄色人種我等の戦士
俺は君を賛美する
君のその隆々たる容貌と態度とが
俺の腐った下落した心を高める

軍人よ軍人よ
俺は下らない絵を描いた覚えがある
その不満と悔いとが俺を泣かせる
俺は苛立たしくもかく灰にまみれている

然るに君は何とした誇りに輝いて居る事よ
カーキー色の歩兵士官よ君には
画学は何でもなからう
君の一撃は俺の生命を立どころに奪ふことであらう

ああ俺は君をうらやむ、ねたむ
君には画の不満がない
然るに俺にはある、俺は神経衰弱だ白痴だ
君はすばらしい精気にダイヤモンドの如く輝く

俺はかなしくなつた
だが見ろ今に俺が君の如くに輝くぞ
君の剣が君の腰に光る如く
俺の誇りが必ず輝くのだ

ああ電車は走る走れ、早く走ってしまへ
俺も今に走るぞ
この光栄ある軍人に負けない光栄の天に
走り込んでみせるのだ

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