スポンサーサイト

--/--/--(--) --:--:-- [スポンサー広告]

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

大手拓次「白い髯をはやした蟹」より

2011/09/11(日) 01:47:00 [引用▼日本]

おまへはね、しろいひげをはやした蟹だよ、
なりが大きくつて、のさのさとよこばひをする。
幻影をしまつておくうねりまがつた迷宮のきざはしのまへに、
何年といふことなくねころんでいる。
さまざまな行列や旗じるしがお前のまへをとおつていつたけれど、
そんなものには眼もくれないで、
おまへは自分ひとりの夢をむさぼりくつている。
ふかい哄笑がおまへの全身をひたして、
それがだんだんしづんでゆき、
地軸のひとつの端にふれたとき、
むらさきの光をはなつ太陽が世界いちめんにひろがつた。
けれどもおまへはおなじようにふくろうの羽ばたく昼にかくれて、
なまけくさつた手で風琴をひいている。

スポンサーサイト

Comment

Post Comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

トラックバックURLはこちら
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。