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国領のジョナサンの窓際にて

2012/03/26(月) 17:48:55 [【11-12】夏と愛と]

 自身がバスの乗客である時には、踏切ほどうっとおしいものは無いが、景色として上方から眺める側になるとこれが中々面白い。国領駅南側のジョナサンの、西側を向いた大きな窓からは、駅前のロータリーを出入りするタクシーとともに、大きなカーブを曲がりながら調布方向から走り来る京王線の様子が良く見える。各停以外の編成は国領には停車しないので、多くの列車はスピードを余り緩めずに駆け抜けるのだが、それでも踏切が閉まるたびに滞留していた種々様々な自動車の列が、開くと先頭から順に動きだし、しばらく時間が経過するとまた閉じて溜まるその繰り返しには箱庭観察的な愉快さがある。見ていて飽きない。
 ただ、京王線を走る車両はバリエーションがさほど多くない。特急車両の姿も平凡で、他とほとんど同じ形状をしている。華やかさや派手さが全く無い。都営新宿線車両の黄緑がたまにアクセントになっている程度だ。
 この窓から観察できる乗り物は地上走行物だけではない。時折、左上から右下に飛行機が降下していく。調布飛行場に着陸するものだろう。

 調布には飛行場がある。調布駅からは京王相模原線が分岐していて、多摩丘陵を横断して相模原市の橋本までを結んでいる。そして橋本には、中央リニア新幹線の新駅が誘致されるという。相模原線の輸送力を強化して延長し、リニア新幹線駅と飛行場を直結させてこの地域に新しい都市圏を創ることが出来たら面白いのに、という妄想がふと浮かぶ。
 第二新東京市は、三鷹ではなく調布に創っても良いのではとふと思った。この窓は西側に開いているので、方向としては調布市中心部を向いている。調布の冬の空に重くのしかかって全く動かない雲を眺めていると、しかし、調布だとブリガドーン現象に巻き込まれる恐れもあるなと考え直した。莫妄想。

 駅前のショッピングビル壁面の電光掲示板が見えるが「ココスクエアにようこそ」としか表示しない。ニュースのヘッドラインでも、株価情報でも何でも良いから、動的な情報を流してくれれば良いのに。そうすればこのファミレスのこの窓は、世界のモニターとしてより完璧なものとなっただろう。
 街を走る鉄道や自動車を俯瞰する時の、少年のようでもあり老人のようでもある愉快さと、電光掲示板上を駆け抜ける文字列を見る時に感じられる爽快さとは、少なくとも私にとっては、ほとんど変わらない性質のものである。線路上を走行する鉄道を読解や偏愛の対象にする時、人は鉄道オタクであり、掲示板上を通過していく電子文字列を美的鑑賞の対象にする時、人はメディアアートの理解者となっている。線路がスクリーンで、掲示板が交通基盤となる時間帯。車両がエクリチュール、文字はグラフィック。

 複数の動作主体(プレイヤー)が、ある時は他者に影響を及ぼしつつ、ある時は他とは無関係に、それぞれのルールに則ってそれぞれの速度で動き続ける。そんな風景をこの窓に向こうに、もうしばらくの間は見ることが出来る。この窓が一つのブラウザーで、動いているそれぞれの存在が、更新されていくタイムライン。京王線の地中化工事は今日も順調に進行している。さっきまで四羽の鴉が盛んに空中戦を戦っていたが、何時の間にか全て姿を消している。



鈍色の天へ鴉を逐う鴉
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