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『井上靖全詩集』より「裸梢園」

2012/09/04(火) 19:07:35 [引用▼日本]

梢と梢とは、刃の如く噛み合って、底知れない谷を拡げていた。そこはいつも冷たい爽昧時であった。そこには、鴉の骨があちこちに散らばって、時折、その上を氷雨がぱらぱらと過ぎて行った。耳をすますと、いつも、乱れた幾多の足音が遠のいて行った。破れ傷ついた二月の隊列が、あてどなく落ちて行くのだ。



 現代詩の文脈では余り評価されていないのかもしれないが、井上靖の散文詩は私を強く励ましてくれる。散文に拠って自らの内面を表現する時の、一つの見本を示してくれているとまで思う。技法や理論の巧拙や高下は問題ではない。その率直さ、明晰さ、勇敢さに、強く励まされる。
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