スポンサーサイト

--/--/--(--) --:--:-- [スポンサー広告]

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

渓谷の饅頭屋

2012/09/10(月) 00:22:43 [【11-12】夏と愛と]

 御岳渓谷の某所に架かる歩行者用の細い橋の、JR青梅線側にある公衆便所の前で、柴犬を連れた老婆と、もう一人の老婆が立ち話を始めた。
 長い。
 しばらくすると、柴犬を連れていない方の老婆が、何事かをセッティングし始めた。自身の手製の茹で饅頭をこの場所で売るのだという。一個百円。保健所だか役所だかの許可は一応得ているらしく、その許可証のコピーを掲げている。
 何故よりによってこんな場所で? 駅前の路上詩人よりさらに無謀な挑戦だと思ったが、そうではなかった。ぞろぞろと橋を渡ってきたハイキングの老人の集団が珍しがって次から次へと買っていく。不思議だ。
 橋というのは異界と繋がるマージナルな空間で、商業という営みの始原もまた共同体の内と外とを繋ぐ境界的な意味を持っているという、一九八〇年代に流行った人類学や民俗学由来の、栗本慎一郎とか赤坂憲男辺りの著作が説いている社会理論をそのまま具現化した寸劇を見ている気にさせられた。
スポンサーサイト

Comment

Post Comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

トラックバックURLはこちら
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。