スポンサーサイト

--/--/--(--) --:--:-- [スポンサー広告]

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【メモ】詩作者の行動圏

2012/12/30(日) 01:38:40 [【思索】詩作ノート]

 井上靖の詩集と、加藤楸邨の句集を、互いに無関係に読み進めて、ある共通点に気がついた。両者ともその壮年時代のある時点から、中国、内陸アジア、中央アジア諸国を旅した、実体験に基づく作品が散見されることだ。大陸の乾燥地域を題材にしたそれらの作品群は、日本在来のいわゆる伝統的・情緒的な感性とも、西洋輸入のモダンな表現とも異なる詩的表現を模索したもので、興味深い。
 そのような創作活動を可能にした背景にはもちろん、1970年代の、日中国交正常化により中国への入国が可能になったことがあるだろう。またそれに加えて、戦後の経済成長を経て国際社会における日本の経済的地位が上昇し、海外旅行自体が容易になったということでもあるだろう。改めて確認してみると、楸邨は1905年(明治38年)生まれ、井上は1907年(明治40年)生まれでほぼ同世代になる。世界の中の日本の地位の変化、外交関係の変化が、私的な衝動を創作活動の根拠とする詩人の作品の中にも、濃厚に反映されている。三好達治萩原朔太郎が想像の中で描いた駱駝の歩く沙漠の地を、彼らは実際に踏むことが出来たのだ。

加藤楸邨句集 (岩波文庫)加藤楸邨句集 (岩波文庫)
(2012/05/17)
加藤 楸邨

商品詳細を見る


スポンサーサイト

Comment

Post Comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

トラックバックURLはこちら
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。