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ブックオフ新宿東口店

2013/02/01(金) 00:08:34 [【12-13】オレンジをアップデート]

 新宿駅の東側には、以前は幾つかの古本屋が存在していた。
 例えば、甲州街道のガード下をくぐった南の路地裏にはかつて「畸人堂」という古書店があった。割とオーソドックスな古書店で、人文書や学術書からマンガやアダルト書籍までをそれなりに揃えていたのだが、ある年の夏に店を畳んでしまった。当時の私は、散文詩や短詩やエッセイを書き始めたばかりであったが、その店の消滅を惜しんで俳句に残している。その作品自体には全く何の価値も無い、むしろ抹消したいぐらいの拙劣なものであるが、例え長く恥を晒したとしても、ある時代のある街の風景を自分なりに活字にとどめておいたことは良かったと思っている。
 また、新宿二丁目のあたりには、ブックマートがあった。チェーンの新古書店の一つである。店頭のワゴンにコンビニコミックが並べられ、店内もやはりマンガ棚の比率が高かった。この店は「畸人堂」よりは長く存在していたように思うが、やはりある年の冬に閉店をする旨の貼り紙を出して、その予告通りに無くなってしまった。
 こうして新宿の東側は、古本屋の空白地帯となった。その一方で、誰も望んでいないのに、空気もビジネスも読めないジュンク堂がしゃしゃり出てきて、LOFTが撤退した後の三越で商売を始めた。当然のように失敗して、数年で店を閉じることになった。前述した古書店二軒の消滅は、新宿の街にとっての文化的な痛手として惜しまれることだが、ジュンク堂の頓死は別にそんなことは無い。たかがジュンク堂如きがと、私は思っていたし、今でも思っている。
 ジュンク堂が消滅した春に続く夏の或る日に、そのジュンク堂が入っていた三越の向かい側に、ブックオフが開店した。ブックオフ新宿東口店である。家具屋やインテリアショップのビルの上層階に入っている。
 店内は、どこにでもある普通のブックオフである。その内実よりも、やはりこの場所に店を構えたという事実に、小さくない意義がある。渋谷のブックオフが、センター街の外れのコインパーキングの隣であるのに比べ、この通りは三越・丸井・伊勢丹・家電量販店が立ち並ぶ新宿東口経済圏の中心地だ。そして何より紀伊国屋の本店が至近距離だ。
 ブックオフの商法に対しては様々な意見があるのかもしれないが、この登場を待ち望んでいた者も、少なくないはずだ。私はそうだ。同店の登場によって、新宿駅東側の古書店大空位時代はようやく終りを告げるのだ。そうして渋谷・新宿・池袋の副都心三駅の、その最大かつ最後の領域を、ブックオフはその版図に組み入れることに成功したのだ。
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