スポンサーサイト

--/--/--(--) --:--:-- [スポンサー広告]

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ラマルチーヌ「谷間」より

2013/06/03(月) 11:20:11 [引用▼海外]

われ世にありてあまりに見、あまりに感じ、愛したり。
「忘却の河」の静けさを、われ生きながらとめ来る。
うましき郷よ、わがために、かの忘却の岸辺たれ、
今より後は忘却こそ、わが究極の幸なれば。

今し心はやすらひて、魂もまた黙しあり。
さだかにあらぬ耳もとに微けき風の運びくる
遠く離れる物の音の嫋嫋として果つるごと、
夜の杳かなるざわめきも、此処に到りて絶え入りつ。

此処よりわれは浮雲の彼方に眺む、人の世の
わが身にとりて過去の影に沈めるさまなるを。
独り、恋のみ、なほありて、たとへば夢の消え失せて
目ざめに一つ残りたる、濃き映像にさも似たり。



斎藤磯雄『近代フランス詩集』より

スポンサーサイト

Comment

Post Comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

トラックバックURLはこちら
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。