スポンサーサイト

--/--/--(--) --:--:-- [スポンサー広告]

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ボードレール「忘却の河」より

2013/06/18(火) 00:22:55 [引用▼海外]

……
君が肌の移り香の、籠りてくゆる裳かな、
嗟、その中に、痛むわが、頭を深く埋めつつ、
萎れし花をさながらに、われ、ひたぶるに嗅ぎ入らむ、
滅び失せたるわが恋の、酸味帯びたる甘き香に。

眠らんとするわが希ひ、生きんとするを凌ぐかな、
うましきことの死にまがふ熟睡のなかにひたりつつ、
銅のごと美はしく光沢照り映ゆる肉体に
われ、悔もなく、接吻を、心ゆくまで撒き散らさむ。

わが嗚咽をば和らげて跡かたもなく呑み込むに
君が臥所の深淵にまされるものの世にあらじ、
効験しるき忘却は口のほとりに住まひして、
「忘れの河」は接吻のさなかに淙と流れたり。
……



斎藤「近代フランス詩集」より
スポンサーサイト

Comment

Post Comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

トラックバックURLはこちら
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。