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ジュウル・ラフォルグ「深淵の閃き」

2013/07/08(月) 17:45:13 [引用▼海外]

おれはきらめく星の中、物見櫓の上にいた。
突如、襲った眩暈。パッと閃く稲びかり。
おれは怖れと愕きにわななきながら、まざまざと
広大無辺の「宇宙」の謎の深みを透し見た。
ひとりぼつちか、何もかも。何処にいるのか、このおれは。
この塊はおれを載せ、ぐるぐる廻つてどこへ行く。
しかも――――死ぬ、死ぬ、かしまだつ、わけも解らず、ええ、畜生、
月日は去って還らず、か。停まれ。さりとて、享楽か。
何しろおれは無智蒙昧。たぶん、未来は、あそこかな、
それもわからぬ。暗闇の中にいたのが、生れ出た、
何故か。そもそも宇宙とは、どこから、どこへ。司祭とて
一介の人。誰ひとりなんにも知らぬ。現れよ、
神よ、久遠の証人よ。言え、何ゆえの生なりや。
すべて沈黙。空間は情け知らずか。待ってくれ、
星たちよ、まだ、死にたくない。頼む、おれは天才だ。
ああ取り返しのつかないような、どんなものにもなりたくない。



斎藤『近代フランス詩集』より
おそらくは同書収録作品中の最高傑作
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