ドネルケパブの平衡感覚

2013/08/30(金) 01:31:41 [詩文・俳文]

 トルコ人が経営するケパブ屋を初めて目撃したのは、ゼロ年代初頭の渋谷の西側の、どこかの一角だったと記憶する。現在は、ケパブの街と言えば秋葉原ということになっているらしい。
 トルコ人にとっては、渋谷と秋葉原との間の、文化的・記号論的・イメージ的な差異は全く意味を成さない。ただ人の集まる街だから、彼等はそこに存在している。サブカルもオタクもオタク間の世代闘争も全く関係の無い位相で、彼等はただ彼等の生活のためだけに、営々と自らの日常(ザッヘ)に仕え続けている。
 その平衡感覚を、羨ましく思う瞬間が、たまにある。
 どうでも良い小理屈を纏って理論武装をし、自らの卑小なプライドを必死で防衛している日本のサブカル/オタク青年からは、遥かなる高みに彼等はいるようにも思える。
 けれども、毎年春に池袋西口公園で行われるバングラデシュフェステバルに、トルコ関連のブースが存在しているのには、歴史的な由来があるのだろう。同じイスラムとは言っても、バングラデシュはミャンマーの隣国、すなわち東南アジアのすぐ西に位置している。一方のトルコは、EU加盟問題が議題になるヨーロッパの隣人だ。遠く隔たった二国ではあるが、バングラデシュ人は、近代トルコを生みだした政治家、ケマル・アタチュルクをこよなく尊敬しているという。
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