中立地帯としての家電量販店

2013/09/25(水) 01:00:44 [【12-13】オレンジをアップデート]

 現代社会において生活するならば誰もが何らかの形で、電化製品・電子機器・通信機器を必要とする。それはその人間がおかれた社会階層・経済状況・思想信条・人種性別容姿人格その他がどのようなものであっても変わらない。またその事実は、社会全体の巨視的な変化、政変・好不況・大規模災害等によっても揺らがない。
 だから家電量販店は、現代の消費社会における中立地帯として機能する。誰からも平等に求められ、また誰もを平等に迎え入れる白亜の伽藍。多様化し分裂化する現代人の生活様式の最大公約数を司る神殿。赤坂に新しくビックカメラが開基したという事実には、驚くべき点はとりたてて存在しない。私達は既に、久しい以前からエネルギーとエレクトロニクスとの忠実な信徒であり、また何時の間にか、それ以外には何の共通項も持たない存在なのであるから。国会議事堂と首相官邸との足下に当たる港区の一等地において、誰に対しても平等公平なこの空間は、ある種のデモクラシーの理念を具現化する崇高な使命を帯びているとさえ言い得るのかも知れない。この神殿内において四ヶ国語のアナウンスが流されるのは、その理念のようなものが世界宗教的な普遍性すら有しているからなのかも知れない。
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