西脇順三郎『雑談の夜明け』より1

2013/11/02(土) 00:18:36 [引用▼日本]

当帰よりあはれは塚の菫草(芭蕉)


 この当帰という元のことばは、人間は当然空無に帰すという淵明のことば。そして「とうき」という音は「とうき」という草の名でもある。せり科の植物。そして人間みな空無に帰すということは哀れであるが死の塚の上に咲く菫のほうがより哀れだ、という意味である。芭蕉は真髄の自然詩人であるから、菫を見ると果てしない哀れをおぼえた。

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