新宿駅南口における焼身自殺未遂

2014/08/12(火) 12:52:30 [【13-14】※現在工事中です]

 都心において騒擾や事件が起きる街としては、まずは渋谷秋葉原であろうとイメージしていた。次いで、チャイナ人が集住する池袋だろうと、想像していた。だから新宿南口の、甲州街道を跨ぐ歩道橋の上で、男性が焼身自殺を図ったニュースは意外であり、少し驚いた。
 昭和の時代、学生運動や左翼運動の全盛期においては、新宿の街はその主要な舞台の一つであったという。私が生まれる以前の話であり、知識として知っているだけだ。私が知る新宿は、既に単純な巨大商業施設の街であった。百貨店と家電量販店と大型書店とがそのビジネスを展開する、無属性で平和な巨大ターミナル駅であった。
 渋谷秋葉原は、そうではない。これらの街には、平成期以降、良くも悪くも文化的な意味性、記号性、イメージが付与され、またそれ故に世間の耳目を集めるような事件が起きることとなる。渋谷は近年衰退気味のようにも思えるが、それでもワールドカップの際に若者が集まって公共交通を遅滞させる程度のエネルギーは未だ保持している。秋葉原は、例の加藤の乱以降も発信力と影響力を拡大し続け、政治家達も無視出来ない街となっている。
 新宿南口における焼身自殺未遂騒動は、騒乱の街としての新宿の「復権」に繋がるだろうか? 政治的・文化的・思想的なムーブメントの発信源としての地位を、新宿が再び獲得することが、あるのだろうか? 
 事件現場の、その歩道橋を渡ってみる。痕跡のようなものは、特に何も発見できない。本当にここが現場かと思って、橋の南側の、真夏の真昼のペデストリアンデッキに直立していた茶色い制服の警備員に尋ねてみると、確かにそうだと教えてくれる。事件直後に東京西部を襲った、あの猛烈なゲリラ豪雨が、全てを洗い流してしまったのかも知れない。ただ暑いだけだ。自殺未遂者の六十代の男性のその後については、何も聞かない。
スポンサーサイト

Comment

Post Comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

トラックバックURLはこちら